遺書は、初めて書く。 いざ書こうとすると何を書いていいか分からない。まだ22年しか生きていないし、働いたことだってない。 店頭に並ぶ、さくら色のクッキー、さくらの…
エメラルドグリーンは、海の色。 いつか人魚になりたいと、望んだ月日は過去のもの。 泡と消えゆく運命(さだめ)とは、異なる運命(さだめ)に息詰める。 希望の羽根をす…
自分にとっての「今年の漢字」を考えるのが好き。 私にとって今年は「整」えた一年だったなと思う。 未来の自分に、私はこんなふうに生きてたよ、と耳打ちするように、今年…
びっくりするくらい、泣いている。 予約したクリスマスコフレのレビューを見るため、Youtubeを見ていたつもりだった。 早く届かないかな〜と上機嫌でメイク動画の一覧を眺…
実家に帰るのが、いつからか苦手になっていた。 家族とは不仲ではない。 ただ、ここは思い出が多すぎる。 大学を卒業するまで、ずっとここにいた。 入学式も卒業式…
私は文章を書きたい。 文章で人を救うプロになりたい。 自分がかつて文学に救われたように、救う側にまわりたい。 「そっち側に行かせてよ」 消費者でいつづけることは、…
嘉多里みち(かたりみち)
2021年3月4日 23:06
遺書は、初めて書く。いざ書こうとすると何を書いていいか分からない。まだ22年しか生きていないし、働いたことだってない。店頭に並ぶ、さくら色のクッキー、さくらの香るコロン。パステルカラーに身を包んだ、春限定の雑貨を眺めながら、ショーウィンドウにうつる自分は、まるで透明人間になりかけたように、ぼんやりとした輪郭だ。色なんてこの世から消えさったような、リクルートスーツに身を包み、来年の自分が骨
2021年2月18日 22:36
エメラルドグリーンは、海の色。いつか人魚になりたいと、望んだ月日は過去のもの。泡と消えゆく運命(さだめ)とは、異なる運命(さだめ)に息詰める。希望の羽根をすりつぶし、土くれの中に忍ばせて。輝くレンガで城建てて、ひとり静かに閉じこもる。魔女は呪いをかけたんだ。なりたい自分を押し込めて。自分に呪いをかけたんだ。かつて憧れ羨んだ、人魚に呪いをかけぬよう。遠くに見えるエメラルド。
2020年12月31日 21:47
自分にとっての「今年の漢字」を考えるのが好き。私にとって今年は「整」えた一年だったなと思う。未来の自分に、私はこんなふうに生きてたよ、と耳打ちするように、今年の私を振り返ろう。社会人になって数年。不安定になる心の扱い方にそろそろ慣れたい。そう心に決めて、心を整えるべくいろんなことに手を出したな。ひとつずつ、私を今年助けてくれた出会いを綴るからね。【生活編】①食洗機半年米を炊かない
2020年11月13日 00:15
びっくりするくらい、泣いている。予約したクリスマスコフレのレビューを見るため、Youtubeを見ていたつもりだった。早く届かないかな〜と上機嫌でメイク動画の一覧を眺めてたはずなのに。サジェストでなぜか、この動画が目に入った。「ヒュー・ジャックマンも感涙!映画『グレイテスト・ショーマン』「This Is Me」ワークショップセッションの様子」気づけば泣いていた。号泣だった。今日
2020年9月12日 04:07
実家に帰るのが、いつからか苦手になっていた。家族とは不仲ではない。 ただ、ここは思い出が多すぎる。 大学を卒業するまで、ずっとここにいた。入学式も卒業式も、初めて告白された日も、初めてキスをした日も、初めてデートに行った日も、初めてバイトに行った日も、最後のバイトから帰った日も、ずっとずっとこの家で過ごした。目を瞑れば、昔の私がそこにいる。リビングは母と深夜のニュースを見なが
2020年6月28日 18:14
私は文章を書きたい。文章で人を救うプロになりたい。自分がかつて文学に救われたように、救う側にまわりたい。「そっち側に行かせてよ」消費者でいつづけることは、あまりにも無力だ。誰かがつくったものをありがたく享受しつづけるーーそれはなんらおかしいことでも、恥ずべきことでもないとわかっているのに、なぜか自分はそこから抜けだしたいという感覚が、子供の時から抜けない。自分も作り手にまわりたい。