見出し画像

数年働いた外資ITを退職しました

#はじめに

タイトルの通り、数年前から働いていた外資ITを夏頃に離職しました。ポジションはプリセールスエンジニアでした。
どこかのタイミングで在職中に得られた内容や転職経緯などを記事にできたらと思い、数ヶ月経ちましたがこの機会に書き起こしました。よかったら最後までご覧ください。


#経歴


以下のキャリアで現在は3社目となります。
・新卒で日系大手SIerに就職。システムエンジニアから開発チームのディレクション、PM業を一通り経験
・その後、外資大手SaaS企業へ転職しプリセールスエンジニアを担当
・現在は総合コンサルティングファーム勤務

今回は2社目の外資ITに関するお話です。

#職務内容


担当していたプリセールスエンジニアは広義の意味で使われている通り、営業と一緒に客先へ訪問し受注前営業活動をするポジションです。
商談において自社製品を用いたデモンストレーションやプレゼンテーションによりお客様の課題解決・実際の製品導入プロジェクトの提案を行います。

そのうえで、細かいロール・職務は会社によって異なってくるのですが私の会社では主に以下を担当していました。

  • 顧客への提案活動全般

  • 構築パートナーとの調整

  • アラインする営業チームの支援全般(提案の他、テリトリー分析、担当顧客の活用支援etc)

  • ワークショップのファシリテーション

  • 社内/外向けの勉強会やセミナーの講師

  • 全社利用可能な販促資料/デモアセットの展開

上記のように様々な取り組みをしていることもあり、KPIとしては直接の営業成績の他にもワークショップやアセット提供による商談創出数などの間接的な貢献内容も組み込まれていました。「周囲のサポートとなるような取り組みへの評価」があることで助け合いの精神が自然と醸成される良い仕組みだったと感じています。

#在籍時に意識していたこと


プリセールスの同僚はコンサルティングファーム出身者や構築ベンダー出身者、外資ITのCS担当者など様々なバックグラウンドの方がいたため、プレゼンテーションや製品知識など各々の強みを生かした立ち回りをしている方が多く励みになっていました。
皆が目標に向けて真剣に取り組む良い環境下だったため、「自分が目標達成するに当たり何を強みにするのか?→そのためにどの顧客を狙うべきか?自身が活かせるストロングポイントは?」など思考する姿勢が自然と出来上がっていました。

自分もここで生きていくにはどうするかを色々試行錯誤していましたが、SIerでの開発経験があったため「提案以降の構築・運用フェーズも重視した提案」をモットーに途中から動いていました。
結果として、構築プロジェクトの現実性を重視した提案→活用いただいたうえでライセンス/別サービスの追加受注に繋げられる安定したプリセールスとして営業に認知してもらえていました。
一度認めてもらえたら相談される回数が増えて商談機会に恵まれ、在籍後半からは目標数値の達成がしやすくなっていたように思います。

#外資ITに入ってよかったこと


去年の今頃にSIerはいいぞというPostをしていましたが、負けず劣らず外資ITも素晴らしい点が多かったです。
以下は特に自分が感じたポイントです。

・優秀な人が多い
 プリセールスの同僚については前述しましたが、同等以上に優秀な営業や営業マネージャーと協業する機会が多くとても恵まれていました。外資数社を渡り歩いてきた営業マネージャーのプレゼンテーションを間近で見たり、元々不動産会社/広告代理店/金融など様々な業界のトップ営業だった方と一緒に仕事をすることで種々の営業スキルや業界知見などを体得できる素晴らしい現場だったと感じています。

・社内ナレッジの活用によるスキルアップ
 再現性のある営業活動実現のため、ポータルサイトや社内のCRM・Slackには過去の提案資料をはじめとする有益なアセットが多く存在し、かつ自由に使える環境が存在していました。
凡人の自分でも先人たちの知恵を借りることでレベルアップし、何期か達成できるくらいまで成長できたのもこの仕組みがあってこそでした。

・プロダクト
 個社限定の話では?と感じる方もいるかと思いますが、外資ITであれば全世界で利用されているサービスは数多く存在します。
前職で取り扱っていた製品群もその通りで、機能性・拡張性・統合性や非機能面など製品としての優秀さだけではなく、利用しているユーザからのポジティブな評価や活用アイディアなどのFBを受けたり提案の際に競合製品・関連製品についても学習する機会があったことでIT従事者としての見聞を広げられました。

#システムエンジニアからプリセールスを経験して良かったこと


日系SIerから外資ITへ転職したことと同じ以上に、この会社ではロールをSE→セールス職へ変えたことも自分の中では大きな変化でした。
ただ、このキャリアチェンジも私の中では非常に良い経験・機会になったと感じています。

・プレゼンテーションスキル
 前職では顧客商談と呼べるものへの参加は皆無だったため、入社後のロープレでは毎回数十個レベルの指摘をもらいボコボコにされていました。
「才能ないのでは?」と自問していたときもありましたが、ロープレ・本番商談問わず毎回スクリプトを準備し数回以上音読→録音聞いて修正→デモ環境の操作と合わせて更に数回、と繰り返しているうちに自然と上達していき相手の反応も良くなっていくのを肌で感じていました。
今でも本番前に台本準備や音読をしないと不安になりますが、一方で「ある程度準備したら才能がない人間でも一通りのプレゼンができるようになる」と若年のタイミングで理解できたのは良かったと思っています。

・営業との協業経験
 
上述の外資IT~の部分で書いた内容と被りますが、前職では年次が上になるまであまり経験できない機会でした(SIerの頃は営業≒月末の発注関連業務や飲み会の調整してくれる兄ちゃん姉ちゃん、という失礼なイメージのみ抱いていました)。
顧客への熱意あるプレゼンを間近で聞く、一緒に提案内容を考える、期末の最終日まで粘り強くコールや外回りを続けて数k商談(日本円で数十万/年間の契約)を諦めない営業マンと一緒に仕事したことで自然とリスペクトが生まれていました。スキル面でもですが、マインドセットとして学ぶ面も多々あったと感じています。

・多種多様なお客様への提案経験
 
所属部署は特定のお客様の担当や業種特化チームではなく、テリトリー内の複数のお客様に対応する必要がありました。
顧客業種や規模だけではなく、企業としての様々なステージやITリテラシーの強弱があるなかで「この企業にとって今一番の課題はなにか?目標を定めた際の現状とのギャップはなにか?打つべき施策は?そのなかで我々のソリューションとして提案できるものは?」などを個社に応じて考える機会を何度も経験できたことで、お客様だけではなく種々の業務課題などに対しても都度考えるクセがついてきたと感じています。

#なぜ転職したのか


これだけ恵まれた環境にいた中で何故転職するの?と思われる方も多いと思います。
自分の中でも正直悩んでいました。「仕事も慣れてきたのにこの会社を今離れる必要があるのか?」なども考えましたが、主に将来に関して以下を色々考えた際に次の道を探すことにしました。

  • このままプリセールスの担当者として上がっていくキャリアも考えられるが、将来また転職を希望した際に潰しが効きやすい状態を作るためには早いタイミングでマネージャー職を経験したほうが良い

  • 数年前からのSaaS・システム提案の波が収まってきたように思える。今後企業は自社で利用するサービスの整理や活用・定着に重きを置くのでは、と考えた際に再度ポストセールス職についたうえで提案やプロジェクトマネジメントスキルを磨く選択肢も有効ではないか

  • 社内での異動の選択肢もあるが、自社以外のプロダクトも経験して対応の幅を広げたい

  • 相変わらずプレゼンテーションやドキュメンテーションスキルは中途半端であるため、これらのスキルが求められるポジションがあるなら行きたい

ぼんやりこのようなことを考えているときにたまたま飲みに行った外資ITの諸兄の一人から「よかったら仲良いエージェント紹介しようか?」と言われトントン拍子に話が進み、無事に総合コンサルティングファームの門戸を叩くことができました。


持つべきものは友人、そしてTwitterアカウント

#外資ITに感じること


#みんなおいでよ外資IT というハッシュタグをよく見る時期はありましたが、正直現在の外資ITだと簡単には言えなくなったと感じています。
私が数年前に転職したときのような未経験者採用をする企業は減り、一年前からのレイオフの波はまだ消えておらず経験者でも企業を選ばないと入れない時期になっています。
(私の前職でも優秀な営業達がいた一方で、サポート職や経営企画からの未経験転職をしたものの一度も目標達成できずにレイオフされていったローパフォーマーが一定数いました)
一方で、挑戦する人達にとっての魅力は多くの外資IT企業においてまだまだ健在していると感じております。内資企業よりも高い給与水準や努力の過程で得られるスキルセット・経験、企業や製品群をうまく選択できれば広いテリトリーのなかでエンタープライズ企業への大規模提案も挑戦可能です。
ただ、昔と比べより明確に思うのは何かしらの武器を持った上でトライするほうがベターということです。
たとえ未経験者でも何かしらの柱を持っている人は他のスキルや経験獲得のための苦労・努力にも耐性があり、また社内外でも重宝されやすいため比較的新しいフィールドでもうまく立ち回れている印象です。SIerやSaaSでのIT経験・別業種での営業経験など種々ありますが、これからもし外資ITへ新たにトライされる方は職務経歴を整理するときに自分の長所も明確に表現・意識できるようになるとうまくいくかと思います。

#おわりに

色々と書きましたが、外資ITに所属したことで様々な経験や出会いがあり自分の社会人としての幅を広げられた数年間でした。自分からまた外に飛び出してしまったこともあるので、また次の会社でも何かしらを得られるように頑張ります。 (最近数年ぶりに終電帰りが続いており、早速ポストセールスに戻ってきた洗礼を受けていると感じています。体力つけないと…)

最後にTwitter(X)のアカウントを貼っておきます。仕事の愚痴が多いですが、よければフォローしてもらえると幸いです。
興味ある方はオフでの飲みもぜひ!

いいなと思ったら応援しよう!