【サスペンス小説】その男はサイコパス 第22話
水樹の言った内容は、大方は知也の推測通りだった。細部までは予想できなかったが、時道翁に恨みを持った者は、確かに警備会社にいた。
「警備会社に叔父さんがいるのか」
「そうだよ」
「時道爺さんの息子でなく、お前の父親の弟なんだな」
「そう」
水樹の父親は入り婿だ。時道老人の実子ではない。
「爺さんに何か恨みを持っていそうなんだな」
「一応は。あんな恐ろしい事件を起こすほどとは思えない。でも警察からは何でもいいから少しでも心当たりがあれば話してくれと言われた」