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「どんな浪漫に溢れた言葉よりも、さようなら、に愛を込めて」

個人的なこだわりというか
なんとなく中学生ぐらいから決めてることがありまして

「一度さよならを言ったならもう振り返らない」

ということ
概念とか精神的なことではなくて
超物理的に

人はどうしてもお別れを飾りたくなるものでして
私も恋人と別れたら悲しむよりも先に
その時の感情を歌詞という形で昇華します
その後友達の家でバーガーキングを食べたりします

しかし物書いといてなんなんですが
結局、「ありがとう」「さようなら」
これらに勝る言葉はいまだに見つからない

今年の1月
祖父が亡くなりました

去年一年で急速にできることが減っていった祖父
最後に会った時ももう意識はなく
苦しそうに呼吸を必死にしていました

早く楽になってほしいけれど
1秒でも長くこの世界に存在してほしい

母から
「ちゃんと今までのお礼言わんと」
そう促されても
泣くばかりで言葉なんて出てこない
息も絶え絶えに。ただ一言
「大好きだよ」それしか言えなかった

なんでもない時にはこうやって
毎日毎日800字でも10000字でも
コメダ珈琲で粘りながら文章を書くこともできる

アルバイトのピーク時でひたすらピザを伸ばしながら
余興でやる漫才のネタを考えることができる

しかしいざという時
私は何を文章を紡ぐことができない

感情に体を乗っ取られてしまうから
言葉が言の葉としてバラバラになってしまい
一つの塊として存在してくれない

その結果
ありとあらゆる感情も全て
「さようなら」に託すことになるわけです

浪漫に溢れる愛の言葉
たくさんたくさんあります

「星が降る夜にあなたに会えた」
「あなたが嘘をつかなくても生きていけますように」
「君の夢よ叶えと願う」
「晴れた日の朝あなたのことが何よりも大切でした」

「I love you」の和訳になり得るものだと思っています
月が綺麗ですね、ももちろん素敵ですが

お別れに備えて準備して
お別れから時間が経ち、整理することができて
そうして出来上がった言葉は、とても美しい

だけどやっぱり私は
急なお別れに対してどうもできない

だから「さようなら」に
愛を込めます

なんせもうすぐ同期の卒業式なもので
私はもう一年大学に行くんですがね




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