イッサイナツメの実が、今年は思いのほか「鈴なり」に成った。 とはいっても、まぁ18粒なのだけれど。 そんなささやかな数ではあるけれど、これまでと比べるとなかなかの取れ高なのだ。 かれこれ10年くらい前からある木だが、背丈は70cmほどしかない。 ほかの樹木と違って春先には芽吹かず、しばらく裸木のままでいるが、夏になる少し前に俄かに葉が繁りだす。 それがナツメ(夏芽)という名の由来らしい。 目立たない小さな花がぽつぽつと咲き、例年結実するはそのうちの2〜3粒程度。 その実を
以前、実家で借りていた畑でキアゲハの幼虫を見かけたことがあった。 フェンスで囲われた耕作地から家に戻ろうとしたとき、柵の主柱にずんぐり太った幼虫がぴたりと縦にはまり込んでいるのが目に入った。 なんでまたこんな葉っぱのないところに…と気になり、どこかの枝にでも移そうかと思ったけれど、どこに置いてやればよいのかもわからない。 迷いつつもそのまま一旦家に戻り、夕方になる少し前にもう一度見にいってみると、幼虫はいなくなっていた。 移動した?と探しかけたときに、丸まった枯れ葉のよ
夕方になると、ぽぽっと咲き始める。 水遣りの際に少し葉が揺れただけで、ふわりと軽やかな芳香が立つ。 香りもいろいろなタイプがあるけれど、オシロイバナの粉っぽい軽さは結構好きだ。 ジャスミンは、オイルのような質感がうっすらと混ざった空気の層が重なっている感じ。 ノウゼンカズラは、湿度のある蜜っぽさで粘性の重みがある。 季節ごとに金木犀やらクチナシやら沈丁花やらあるけれど、それぞれの香りに伴う皮膚感覚があるように感じる。 嗅覚は脳神経にダイレクトに通じているので、それぞれ
朝、アゲハチョウの幼虫が柚子の苗木のプランターからいなくなっていた。 前蛹になるにはまだ少し早い気もするし、排泄物の痕跡もない。 周囲を探してみると、となりの鉢を載せている簀の上にいた。 餌を求めて出ていったらしい。 そうはいっても、アゲハが食べるような植木はもうないし、水遣りで濡れてしまうのもどうかと思い、箸でつまんでもとの苗木に戻してみた。 黄色いツノを出し、妙なニオイを撒き散らしながら怒っていたが、やはりお腹は空いていたらしく、わずかに残る葉を刮ぐように食べ、葉
キエーロで生ゴミ処理をするようになって、1年ほど経つ。 掘った穴に野菜くずや茶殻、コーヒーのかす、植木の葉や花殻を入れ、水をじょぼぼっと注いで混ぜ、土を被せる。 1〜2日したら、乾いている上の土をどかし、湿って固まった生ゴミ混じりの土にスコップを突き立て、ざくざくと混ぜる。 その際、ほんの一時異臭がするが、それでガスが抜けるのか、混ぜているうちににおわなくなる。 空気を含ませるつもりでよーく混ぜておくと、次からは掘ってもにおいはしないし、分解の進みも早くなっている気が
今朝ベランダを見てみると、アゲハチョウの幼虫が無事に隣の苗木に移動していた。 すごいじゃん… でもまぁ、彼らにとって餌を求めて動くのは本能なのだろう。 柚子の苗木はまだ幼く葉数も少ないけれど、幼虫がうまく渡っていかれれば、蛹になるまでの摂取量としては足りるのではないかと思う。 苗木はあと3本。 …食べ尽くされたあとは、大事にするからね。
台風の影響で悪天候が続いていた中、2匹目のアゲハチョウが5齢幼虫になっていた。 体長は3cm程度。 前回の幼虫と比べると、身体も小さいし、色も鮮やかさに欠けている。 今回は、世話らしいことは何もしていない。 元からあった柚子は、乾いて硬そうな葉がわずかに残っているだけで、餌用の葉っぱも与えていない。 代わりに、前回のときに注文した苗木をプランターに植えておいたが、幼虫が隣の苗木まで移動できるのかどうかは不明。 とりあえず割り箸を渡してはみたけれど、これを伝って別の木
朝、アゲハチョウの幼虫はいなくなっていた。 昨日の集中豪雨のときは、葉蔭でじっとしているのを確認したけれど… 蛹になる前にするという、ドロドロの排泄物の形跡はあった。 場所を探して、夜の間に移動したのだろうか。 周囲を探してみたが、蛹も骸も見つけられなかった。 まー、確かに雨風に耐えることを考えたら、ここでは不十分かもしれない。 どこか安全な場所で、無事に羽化してくれると信じよう。 餌用の葉を片づけ、ほとんど丸裸になった苗木を改めて見ると、何やら黒っぽい小さい虫が目
朝、食べかけの餌用の葉が何枚かあるのを見て、ひとまず胸を撫で下ろした。 ただ、やはり瓶に刺しただけの枝だと乾きやすく、葉の縁が丸まってきているものもある。 なるべく瑞々しさの残っている葉を、苗木の方に引き寄せておいた。 終齢幼虫になって5日目。 蛹になったら、10日〜2週間ほどで羽化するらしい。 出がけにもう一度覗いてみたら、定位置から移動して、下の方の葉をむしゃむしゃと食べていた。 夢中になって食べているときは体も伸びているので、5cm以上あるように見える。 体に
だんだん身を隠すための葉蔭が少なくなってきている。 じっと動かずにいるのを見ると、いよいよ蛹になる準備かと目を凝らしてしまうが、まだ糸は張っていない。 蛹になるときは、あちこち動き回って場所を決めるらしいので、この苗木から離れる可能性もある。 以前、実家の近くで見かけたキアゲハの幼虫は、土からだいぶ離れたフェンスで蛹になっていた。 最初は前蛹と気づかずに、幼虫がこんな葉っぱのないところで大丈夫なのかと思ったが、夕方再び様子を見にいったら、すっかり蛹の姿になっていた。
餌用の枝付きの柚子の葉が届いた。 しっかりと保湿された状態で届いたが、さすがに葉の先端は少し乾いていたので、水を張ったボウルにじゃぶじゃぶと浸してから瓶に挿した。 思っていたよりも枝が短く、アゲハの幼虫がこちらの葉も食べられるような位置にと考えると、同じ鉢の土に瓶をぐいっと埋め込むくらいしか思いつかない。 お気に召すかわからないが、ひとまずこれで様子を見てみよう。 幼虫は、頭を持ち上げた姿のままじっとしている。 後ろ姿が、空の向こうに祈りを捧げているように見えなくもな
窓を開けたらいつもの定位置にはおらず、少し上の方にある葉で、もぐもぐタイムの真っ最中だった。 葉を噛み切る音が、パリパリミシミシ。 ひとしきり食べると、葉蔭になる場所に戻って休憩し、しばらくするとまた移動して食べる。 餌用の葉は今朝発送してもらえたようなので、どうにか間に合いそうだ。 昨日よりも鮮やかな緑色になっている気がする。 アゲハチョウは年に4〜5回世代交代をするそうで、気温の高い時季の幼虫は、少し早めに成長することが多いらしい。 そろそろ蛹になる場所をどう
台風一過の朝、ベランダのアゲハチョウの幼虫の体が、斑模様ではありながらも薄く緑がかった色合いになっていた。 もしかして…と思いながら出かけたのだが、案の定、夕方には5齢(終齢)幼虫に姿を変えていた。 季節によって日数は前後するようだが、この姿で5〜7日ほど過ごして蛹になるそうだ。 現在の体長は約3cm。 蛹になるまでに、さらに1〜2cmほど成長するらしい。 この形態になると、当然ながら食べる量も格段に増える。 注文した苗木は2日後に発送予定なので、到着にはもうしばら
迎え盆の日に、ベランダにある柚子の苗木にアゲハチョウの幼虫がついていることに気がついた。 大きさは1cmくらい、縮んだ体躯に褐色と白の斑模様で、お世辞にも美しいとは言い難い。 羽化をする前のずんぐりとした緑色の体になるまでにはあと何回か脱皮を繰り返すらしく、それまでは鳥の糞に似せた姿で外敵から身を守っているのだそうだ。 柚子の艶やかな葉は、ところどころ虫食いとなっている。 苗木の高さはせいぜい20cm程度。 今はまだ幼虫の食べる分は賄えているようだが、いずれ苗木が丸裸