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うつを叩かないで

YouTubeでこのようなことを言っている専門家がいた「うつ病への対処や予防は様々あるにもかかわらず、それを怠ってうつ病であり続けるのは本人の責任である」。

これは果たして正しいのだろうか?

https://note.com/kulambom21/n/nabc7e2b0c16c

私も考えてみました。


WHO

Contributing factors and prevention

Depression results from a complex interaction of social, psychological, and biological factors. People who have gone through adverse life events (unemployment, bereavement, traumatic events) are more likely to develop depression. Depression can, in turn, lead to more stress and dysfunction and worsen the affected person’s life situation and the depression itself.

Depression is closely related to and affected by physical health. Many of the factors that influence depression (such as physical inactivity or harmful use of alcohol) are also known risk factors for diseases such as cardiovascular disease, cancer, diabetes and respiratory diseases. In turn, people with these diseases may also find themselves experiencing depression due to the difficulties associated with managing their condition.

Prevention programmes have been shown to reduce depression. Effective community approaches to prevent depression include school-based programmes to enhance a pattern of positive coping in children and adolescents. Interventions for parents of children with behavioural problems may reduce parental depressive symptoms and improve outcomes for their children. Exercise programmes for older persons can also be effective in depression prevention.

https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/depression

寄与する要因と予防
うつ病は、社会的、心理的、生物学的要因が複雑に絡み合って引き起こされます。失業、死別、トラウマなど、つらい経験をした人は、うつ病になりやすい傾向があります。うつ病になると、さらにストレスや生活機能の低下を招き、本人の状況と病状を悪化させる悪循環に陥ることがあります。

うつ病は身体的な健康と密接に関係し、互いに影響し合います。運動不足や過度の飲酒など、うつ病に影響を与える多くの要因は、心血管疾患、がん、糖尿病、呼吸器疾患などの病気のリスク要因でもあります。逆に、これらの病気を持つ人は、病状を管理することの難しさから、うつ病を発症することもあります。

予防プログラムは、うつ病を減らす効果があることが示されています。効果的な地域での予防策としては、子どもや青少年が前向きに対処する力を養う学校ベースのプログラムがあります。行動に問題を抱える子どもの親への介入は、親のうつ症状を軽減し、子どもの状態を改善する可能性があります。高齢者向けの運動プログラムも、うつ病予防に効果的である場合があります。

Claude 3.5 Sonnetで和訳 → Gemini Advancedで確認 → Claude 3.5 Sonnetも納得 


和訳の仕方

英語のページも、Google翻訳でサイトごと訳すと、だいたい読めます。

iPhone/iPadはSafariで翻訳出来ます

WHOとは?


日本うつ病学会

 うつ病や双極性障害で苦しい日々を送らざるを得ない方々は、残念ながら増加傾向にあります。そして、これらの疾患に対する注目は、かつて無い程高まっています。社会全体におけるこの疾患への理解が増し、当事者や周囲の方が早期に不調を察知したり、適切な対応を受けられるようになることで、一人でも多くの方が不幸な結末を迎えること無く、リカバリーの状態になっていただけたらと願っております。本学会の活動がその実現に貢献できるよう、引き続き取り組んで参る所存です。

https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/about/aisatsu.html


慶應義塾大学・特集記事(2021年)

うつ病の原因にノルアドレナリンが関与していることは示唆されていましたが、実際に患者さんの脳内でどのような変化が起きているのか、それまでわかっていなかったのです。(後略)

https://www.med.keio.ac.jp/features/2021/7/8-81494/index.html

発見するまで分かっていなかったと説明されています。


厚生労働省

しかし、そうした情報の中には、かなり偏向した内容のものもありますから、注意が必要です。いくつかの出所が異なるものを読み比べてみるのもよいでしょう。また、いくら詳細な情報であっても、それだけで心の病気の診断がついたり、最も適した治療法がわかったりするわけではないことにも留意してください。
(太字は引用者による)

https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad004/

うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。しかも、うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。早めに適切な治療を受けることが必要です。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html


複数の異なる情報源の専門家の意見では

患者さんの自己責任のような発言は見かけませんでした。

そこから言えること

予防方法は天ぷらを揚げる時に席を外さないとか、体調が悪い日にハンドルを握らないとか、色々あります。けれど、火災保険や自動車保険が必要なのは、予防法を守らないこと以外にも原因ありますよね。一つの原因で説明するのは乱暴。

次に、うつ病などの当事者はパワーダウンしており、反論出来ないこともあります。病気で苦しんでいる方が、反論できない可能性を想定せず、自己責任論のようなことを展開するのは卑怯です。

また、心を壊すほどの負荷を経験した時に、どんな心身の疾患が出るのか人によるはずです。予防をしていれば、全て防げるのでしょうか。


公平世界仮説というバイアス

そこで、「世界が公正である」という自分の信念を守るために、本来なら被害者とみなされるような個人を、「努力が足りない」「自己責任だ」などと一方的に非難し、責任を押しつけようとする行動が生じます。これは、公正世界仮説に基づく被害者非難だと言えます。

https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_s/s_19.html


結論

情報源を共有して反論しておくことで、うっかりミスなら言い過ぎだと思われるかもしれないし、悪質な方は反論しなさそうな相手を探すでしょう。

何より、一時的に今は反論するのが困難な方がこのnoteを目にして、少しでもストレスが減ることを祈っています。

病気で辛いのに、まるでその人の不安をなすりつけられるようなこと、理不尽ですよね。

noteを書くきっかけを下さった、くらむぼんさんに感謝します。

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