シェア
辛名 類
2020年11月26日 13:15
私の父は私が30歳の時に61歳で食道がんと上咽頭がんで亡くなった。最期は長年住んでいた町の山の上のホスピタルで穏やかに迎えた。7月末の暑い夏の日の事だった。父を語る上で必要なアイテムが幾つかある。それは背広と万年筆と包丁とウイスキー。今で言うスーツじゃなく背広。ハイボールじゃなくニッカの角瓶をロックに近い水割りで呑んでいた。晩年にはアル中だったのか、癌の痛みを和らげる薬だったのか、水のように呑
2020年11月2日 19:52
初めて心療内科に通うきっかけとなったのが内科の通院に行く矢先だった。家の外へ出たら変な匂いがした。咳き込んだ事から過呼吸となり、到着した内科の先生から心療内科の通院を勧められたことがきっかけだった。当時過呼吸になった原因はいくつかあった。それ以前に住んでいたアパートの上階の騒音問題、友達との絶交、父の他界、購入したマンションで母と祖母との同居暮らしの始まり。とまぁ、ストレスはそれなりにかかっ
2020年11月6日 17:53
子供は居ません。何度口にしたことだろう。時として残酷にもその一言で自分で自分の胸の内を切り刻む行為にも似ていた。あの人にもあの人にも、あんな人にも子供が居るのに何故私は母親になるという道へと導かれなかったのだろう。神様が居るとして、なんと無惨で残酷な運命を背負わせるのだろうかと思った事もあった。一時期は妊婦を見て殺意を抱いた。現代に本当に妊婦へのいじめがある事にゾッとしつつも、あの時の私だった