『世界の端から、歩き出す』(ポプラ文庫ピュアフル)販促〜消えてしまった京都のお店・1
いつまでも同じ本の販促ばかりするのもアレですので、今日は別の本の販促を。
2作目、『世界の端から、歩き出す』(ポプラ社ピュアフル文庫)。
以下より、ちょっとだけ試し読みできます。
冒頭部分で「ファンタジー?」とか「あやかし系?」とか思われる方が多いようですが、実はこの後はその要素はほぼありません(笑)。
こちら、京都が舞台です。
物語内の年代は、2008年頃を想定しています。
この為、話の中に、今はもう存在しない店が登場します。
その内のひとつがこれ、ごはん屋げんき。
主人公が、叔父に最初に夕飯に引っ張っていかれる店です。
こちら、七条大宮の西南角にありました。
今はもう建物すらありません。
学生さんとサラリーマン狙い撃ちの、がっつり油っぽい定食が人気の店でした。
ちなみにこの店、名物がありました。
それは食べ物ではなく、人形。
店の外に謎の子供型人形がいたのです。
結構、でかかった。
小学3年生くらいのサイズ感。
リアルな出来だった。
汚れてた。
幼児に見せたら泣くレベルでコワかった。
「夜散歩してるのを見た」という噂があった。
名前もついていたのですが、それは忘れてしまいました。
いつも店の前で椅子に座っていたのですが、それがある日、消えました。
なんと、盗まれてしまったのです。
店の外には手書きの紙が貼られて、「子供のように可愛がっていました、ショックです」「きっといたずらで持っていかれたんだと思う、とがめはしませんからどうぞ夜にでもこっそり返してください」という感じの、悲愴なお願いメッセージが綴られていました。
かなり長いこと貼ってありましたが、悲しいかな、戻ってくることはありませんでした。
どう考えても骨董品的価値のある代物ではないし、子供のおもちゃにできるようなあいらしさはゼロだし(すみません>お店の方)、犬や猫がくわえていくにも巨大すぎるので、確かに誰かがいたずらで持っていって適当にぽーい、とどこかに捨ててしまったんだろうなあと思います。こころの無いことです。
お店は2013年に閉店し、その後西大路へ移られました。
でもどうも、今はこの店も無いようです。
右京区にごはんや元気、てお店あるみたいですが、ここが後継なのかな??
ちなみにごはん屋げんきからちょっと南下した辺りには、「何が入ってもすぐつぶれるお店」がありました。
ひどいと一年保たずにつぶれる。本当に入れ替わりが早かった。
周囲の別の飲食店は続いてるのに、何故かそこだけが入れ替わる。
そんな有様なのに消えても消えてもすぐ次が入る。そして消える。
何故だろう。何かがあるんだろうけど、判りません。呪いですね。
せっかくなので美味しいお店も。
在りし日のごはん屋げんきのすぐ南、麒麟亭。
ちょっとお高いんですが、お肉がおいしいんですよ。
昭和の古い建物も風情があります。看板も素敵です。
今はランチタイムのみの営業のようです。
お近くにお越しの際はぜひ。
……あれッ、全然自分の本の販促になってない。
まあいいか。
次も「物語に出てくるけれど今はもう無い店」やります。
また次回。