【はがきサイズの短編】君のおいしい顔が好き!テーマ:戀
こんにちは!そしてお待たせいたしました!高木梢です。
今回、素敵なフォロワーさまにお題をいただきました!!
テーマは、「戀」です。
恋の旧字体で、「いとしいとしというこころ」と読めると知ったとき膝を打ちました。
かっこいいし、なんだかわくわくする、綺麗な意味だなと思いました。
そんなフォロワーさまが執筆されている小説が、こちらになります!
前作『女子工生』の登場人物・清文と、ひかえめな女子社員・小紅がゆっくりと距離を縮めていく様子が、すごくすごく良いのです。
『女子工生』は工業高校の生徒たちの物語で、(私もまだ読み途中なのですが)こんな青春がしたかったー!と言いたくなっちゃいます。
そんな素敵な作品のタイトルの由来になった「戀」がどういう意味なのか、私なりに考えていたらこんな時間になってしまいました!!
お待たせしてすみませんでした!でも書いていて超楽しかったです!
お題をくださったフォロワーさま、ほんとうにほんとうに、ありがとうございます。
「吉野、これあげるよ。」
昼休みに一人でスマホを見ていたら、前の席の山内がきらきらのメロンパンをふわっと渡してきた。あたしははっとした。
「これ、購買でいつもすぐなくなるやつじゃん!いいの?」
「もちろん。」
わーい!あたしは砂糖がたっぷりかかった黄色いメロンパンにかじりついた。おいしい!
山内は、にこにこしながら大きな焼きそばパンを頬張る。なんだか、孫を見るおじいちゃんみたいだ。
背が高くてずんぐりしていているのに、雰囲気がほんわかしているからくまちゃんみたいで、とっても話しやすい。
「野球部が合宿で休みだから、購買空いていたんだ。吉野、メロンパン一番好きって言ってたからさ。」
「おじいちゃん、ありがとうございます。あれ、この間もチョココロネくれたよね?何かお返しするよ。」
「いいって。吉野って食べ物あげたくなるんだよな。入学式のとき、茶髪だし怖い人かと思ったらすごい笑いながらジャムパン食べていたよね。」
「茶髪は地毛です。それに、幸せそうとかにしてよ。」
「えー、今だってさあ…いたた」
あたしは、山内に軽い天罰を下した。
「わかった、明日はわらびもちデニッシュを捧げよう」
「そんなに貰ったら悪いよ。山内はどんなパンが好きなの?」
「購買?焼きそばパンとか、からあげサンドかな。エビチリサンドも好きだな。」
「エビチリいいよね!もしかしてえび好き?」
「うん。えび天とか超好き。」
「うちの近所のスーパー、天むすがすごくおいしいの。よかったら、明日持ってこようか?」
「…いいの?やったー!吉野、ありがとう。」
嬉しそうな顔につられて、思わずあたしも笑った。山内といると、たまに友達とは何か違う感覚になる。不思議だな。
次の日の朝、天むすを買いに行くとあたしの大好物のメロンパンクッキーがあった。
好きになってくれるかな。
一緒に食べようと思って、買い物カゴに入れた。
野球部員たちが合宿から帰ってきて、クラスメイトに「あいつらまだ付き合ってないの!?」と叫んだのは別の話。
Fin
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
素敵なお題、画像をお借りしました。
心からの感謝を込めて💐💐💐
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