
深い人間関係ってどうやって築く?その根っこにある心理とは?
こんにちは!マインドコーチの䅈泉寺です。
今日は、「深い人間関係が築けない」問題について、じっくり話していこうと思います。
人とのつながりが薄いと感じること、ありますよね。「友達はいるけど、表面的な会話しかしていない気がする」「なんか孤独だな…」「本音を話せる人がいない」――こう感じている人は、意外と多いものです。
でも、それはあなたのせいではありません。非常に多くの人が悩みつまづく内容でもあります。
今の社会や私たち日本人の持つ特性、さらにはこれまでの教育環境に根っこがあるんです。
少し深掘りしていきましょう。
資本的な人間関係の広がり
まず、現代社会において人間関係はどんどん「資本的」になってきています。「資本的」とは何か?――要するに「お互いが役に立つから関わる」という打算の上で成り立つ関係のことです。
例えば、仕事で必要だから取引先の人と仲良くする。
SNSでは、いいねを押してくれる人にお返しする。
趣味のコミュニティでは、仲良くしておけば情報やスキルが得られる。
そんな感じです。
もちろん、こういう関係がすべて悪いわけじゃない。でも、そこに本当の「信頼」や「安心感」が生まれにくいのも事実です。
「自分が役に立たなくなったら、関係が終わるかもしれない」そういう不安が、無意識に心の中に根付いてしまうんですね。
この無意識な「資本的な人間関係」が広がる背景には、資本主義社会の価値観が深く染み込んでいるからです。
「効率」「利益」「成果」が何より大切にされる世の中で、人間関係さえもその延長線上に置かれるようになりました。
つまり、「役に立つか立たないか」が重視されすぎているのです。
日本人のセロトニンとの関連性
「セロトニン」――これは心の安定や安心感をもたらす神経伝達物質です。
しかし、日本人はこのセロトニンを受け取る「セロトニン受容体」の型が、S型と言って、東アジアの人々と他の人種で異なる可能性が示唆されている研究はあります。
セロトニン受容体は脳内で神経伝達物質セロトニンと結びつき、気分や感情、社会的行動に大きな影響を与えます。
セロトニン受容体の数や機能は、遺伝的要因に影響され「長型(L型)」と「短型(S型)」がセロトニンの取り込み能力に影響を与えます。
短型(S型)を多く持つ人は、セロトニンの取り込みが少なく、ストレスに敏感な傾向があります。
一部の研究では、東アジア(日本人を含む)の集団が他の民族と比べて、短型(S型)の割合が高いことが報告されています。
これが、日本人が感情の調整において特有の傾向を示す一因と考えられることもあります。
つまり、基本的に「不安を感じやすい」性質を持っているんですね。
人は不安を感じると、自分を守ろうとします。本音を出して傷つくくらいなら、表面的に合わせておいた方が安全。
そうやって「表面的な人間関係」が作られていきます。
また、日本の文化は「和を大切にする」「空気を読む」ことが美徳とされてきました。
これは素晴らしい価値観でもありますが、裏を返せば「自分の本音を抑えて他人に合わせる」ことが当たり前になっているということです。
私も日本を離れるまで、相手に合わせることは空気を吸う様に当たり前だと思っていましたが、いざ個人主義の国に住むと、自分の意見を重視してくれる社会の空気感は大切だなと思います。
「言いたいことがあっても言えない」――こうした我慢の連続が、深い人間関係を築く障壁になっているのです。
競争が当たり前の教育環境
そして忘れてはいけないのが、私たちが育ってきた「競争が当たり前の教育環境」です。
テストの点数で優劣がつけられ、順位がつけられ、他人と比較され続ける。
そんな中で、「自分の価値は他人より上か下か」でしか測れないようになってしまった人は多いのではないでしょうか。
この価値観が大人になっても抜けず、人とつながろうとする時も、「この人に勝てるかな?」「負けたくないな…」と無意識に感じてしまうことがあります。
人間関係が「競争」になってしまうんです。
でも、よく考えてみてください。
心から信頼し合える関係に「勝ち負け」は必要でしょうか?
もちろん、そんなものは必要ありません。本当に深い人間関係は、お互いの弱さや欠点を出し、それでも「一緒にいること」を選び続けることから生まれるんです。
どうすれば深い人間関係を築けるのか?
じゃあ、どうすれば本当のつながりを築けるのか?
ここで大切になるのは、次の3つのポイントです。
1. 「役に立つ」から離れる
人間関係に打算を持ち込むのをやめてみましょう。
「この人と一緒にいて楽しいか?」「安心できるか?」――そういうシンプルな気持ちを大切にしてみてください。
2. 自分の本音を少しだけ出してみる
いきなりすべての本音を出す必要はありません。
でも、「実はこう感じてるんだよね」と少しずつ自分の本音を伝えてみましょう。それが信頼関係の第一歩です。
3. 相手のいい面を考えてみる
そんな常に善人みたいな心持ちでいられないって人もいるでしょう。これは相手のためではなく、自分の為という点がキーです。
人間の関係性において、まるで鏡のような瞬間があって、「鏡」とは、相手が自分の内面を映し出す役割を果たすという考え方です。
私たちは無意識に、相手に自分の感情や内面的な葛藤を投影し、それがまるで自分自身を見ているかのように感じることがあります。
例えば、自分が何らかの不安やイラダチを感じているとき、その感情が相手に投影され、相手の行動や言動に過敏に反応してしまうことがあります。
実際には相手がどんなことをしているかということよりも、自分の内面的な状態がその反応に影響を与えていることが多いのです。
例えば、他人の小さな言動に過剰に反応してしまうとき、それは自分の中にある未解決の感情や不安、怒りが反映されていることがあります。 (これはトラウマセラピーで見つける事ができます。)
また、相手の行動に対して醜聞を感じるとき、それも自分自身の弱さや隠したい側面が投影されている可能性があります。
私たちはしばしば、自分が認めたくない部分を他人に見つけると、それを批判したり避けたりすることで、その側面と向き合わずに済ませようとするのです。
こうした投影のメカニズムは、自己理解を深める手がかりにもなり得ます。
相手のどんな行動や言葉に特に反応してしまうのか、その背後にある自分の感情や未解決の問題を見つめ直すことで、より健全な人間関係を築けるかもしれません。
この「鏡のような関係性」は、単に反応のメカニズムにとどまらず、自分を知るための大きなチャンスでもあります。
相手を通じて自分の無意識的な部分に気づき、自己改善に繋げていけることもあるのです。
4. 弱さを認め合う
競争の中で育ってきた私たちは、つい「強くなければならない」と思いがちです。
でも、人は完璧じゃない。弱さや欠点を見せることで、相手も「この人は本当の自分を見せてくれている」と感じ、心を開いてくれるようになります。(慣れないうちは、どこまで開示してもいいかは悩みますが、それは次回のトピックスで。)
私の個人的な体験談ですが、友人の1人に芸術の博士号をとり、難関と言われるIVY leagueの大学の助教授になった人がいます。
彼女は中国出身。聞けば、一日のうち4時間の睡眠時間以外は寮で生活しながら勉強をしていたらしく、熾烈な競争社会を潜り抜けて来たいわゆる超エリートです。
好きを仕事にしている環境、SNSはいつもたくさんいいねが付き、また本人と話していても誰の悪口も言わず、人生の愚痴や不満は聞いたことがありません。
努力家な面を見て、私も見習わないとなーと思っていたのですが、ある時ふっと自分の人生が果たしてこれでいいのかと疑問を持つ様になった彼女は、今はスピリチュアルの世界にハマって、やっと本当の自分に出会えたと言っています。
聞けば、心の軸がずれた感覚でずっと過ごしていたけど、持ち前の努力と気合いで乗り越えていた様です。
それを開示してくれた時、私はとても嬉しい気持ちになりました。友人になって7、8年経ちますが、本当の気持ちをシェアしてくれた気がしたからです。
深い人間関係を築くのは簡単なことではありません。でも、人は誰もが孤独では生きられない生き物です。
打算や競争から少し距離を置いて、あなたがすこーしだけ(ここがミソ) 本音を出し、弱さを見せた時、その先にきっと、深い絆が待っています。
今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。
マインドコーチ䅈泉寺でした!
#深い絆
#心理学
#信頼構築
#コミュニケーション
#心のつながり
#自己開示
#共感力
#感情理解
#対人スキル
#関係性向上
#友情
#愛情
#信頼関係
#人付き合い
#心の絆
#人間関係の築き方
#心理的安全性
#人間関係の悩み
#人間関係づくり