詩書き紅音はかく語りき

詩書きの紅音(くおん)と申しますわ。  わたくしの感情のすべてを込めた詩を貴方にお届け…

詩書き紅音はかく語りき

詩書きの紅音(くおん)と申しますわ。  わたくしの感情のすべてを込めた詩を貴方にお届けいたしますわ。  貴方の感情を是非、わたしくしに”ぶっ壊”させてくださいまし。

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  • 紅音の詩

    わたくしの無料公開詩だけを集めたバックナンバーです。 詩だけを見たい方はコチラ

記事一覧

詩 「まじない」

 貴方の呪いのせいで  まだ私は縛られている  この美しい地球に  高度な文明に  貴方との営みに  命なんてどうでも良いと思った  孤独に苦しんで死ぬのだと思…

詩 「IDLE」

 あっ待って  行かないで  月に手を伸ばす醜悪な僕  地に伏して  夜を見上げて  あの歪な月に泣いた  君だったモノを胸に抱えて  自業を自ら抱えきれずに …

詩 「胸中」

 セックスと  シガーと  何もない夕暮れの雨  生まれたままの姿で  すべすべの首筋に反射する光は  何よりも純潔で  何よりも高貴で  触れたくて  でも穢…

人生で初めて油絵に挑戦した話【雑談】

 この前、人生ではじめて油絵というものを描いてみましたわ。  わたくし、絵心も美術の教養もなく、  それゆえ絵画を描く趣味はありませんでした。  しかし、ええ、…

詩 「浜辺の猫」(詩は無料で読めます)

 かつて私は小さい頃  浜辺で猫の最期を見た  誰もいない浜辺で  それはただぽつんといた  もくずに見紛うような  そんな儚くも  綺麗とは言えない猫だったけ…

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詩 「ガラム」

 キツめの煙草を咥える  火を付ける勇気もないのに  濡れたアスファルトの上で  肌寒さに震えながら  呼吸の味はサイアクで  ひどく臭くてひどく不味い  溜め…

詩 「あさつゆ」

 朝陽を吸う  遥か彼方から約束された  永遠のような幸せの日向を  冷たい春風に撫でられ  呼吸をする  世界でいちばん解放的で  世界でいちばん自由な  車…

詩 「星無の満月」

 満ち足りた月  見上げるとそこにいるけれど  上を向かなければ  アンタの姿は拝めない  ポケットに手を突っ込んで  シケモクを噛み潰しながら  裏通りを彷徨…

詩 「蝶が咲く」

 蝶が咲く  誰もいない荒野の中心で  黒い雲の天井と  涸れた川底に挟まれて  ただ一点    その蝶はダイヤよりも煌いていた  そのはばたきは  この雲のたっ…

詩 「まじない」

 貴方の呪いのせいで  まだ私は縛られている  この美しい地球に  高度な文明に  貴方との営みに  命なんてどうでも良いと思った  孤独に苦しんで死ぬのだと思った  幼少期から  そんな事を考えていた  でも現実はどうだろう  拒絶しても拒絶しても  貴方は私を包むのをやめない  独りで生きていける剛さを持った私を  他人と関わる社交性を捨てた私を  野生動物のように  全方位を威嚇して  虚栄の縄張りを作って  遥か彼方から寂寞に苛まれた

詩 「IDLE」

 あっ待って  行かないで  月に手を伸ばす醜悪な僕  地に伏して  夜を見上げて  あの歪な月に泣いた  君だったモノを胸に抱えて  自業を自ら抱えきれずに  ぼろぼろとソレは零れていく  拾おうとして  また零れる  澄み切ったワインにインキが一滴  それだけで穢れは広がっていき  二度と価値はつかなくなる  綺麗だったこの世界に  僕が堕ちてしまったから  その地面は汚れているの  この月は丸くないの  君はあの時どうして僕に  優

詩 「胸中」

 セックスと  シガーと  何もない夕暮れの雨  生まれたままの姿で  すべすべの首筋に反射する光は  何よりも純潔で  何よりも高貴で  触れたくて  でも穢したくなかった  抱かれている私は  きっと涙を流していて  傷をつけられたはずの貴方が  その太陽のように  笑っているのはなぜだろうか  もうすぐ真っ暗になる部屋で  何もせず  何にも邪魔されず  赦されるなら  この首根っこが折れるまで  ずっと抱きしめて欲しかった

人生で初めて油絵に挑戦した話【雑談】

 この前、人生ではじめて油絵というものを描いてみましたわ。  わたくし、絵心も美術の教養もなく、  それゆえ絵画を描く趣味はありませんでした。  しかし、ええ、なんといいますか、  白いキャンパスを汚すというのは、  その……  すごく、良いですね。  背徳的でゾクゾクします。  純真な生娘を、  大きな手で握り潰してしまうような。  入院中の末期患者を、  マスターベーションに使うような。  そんな感じがするんです。  純白のキャンパスが言っていましたわ。  「汚さ

詩 「浜辺の猫」(詩は無料で読めます)

 かつて私は小さい頃  浜辺で猫の最期を見た  誰もいない浜辺で  それはただぽつんといた  もくずに見紛うような  そんな儚くも  綺麗とは言えない猫だったけど  私は幼心に  何にも負けない美しさを感じた  月の灯りを頼りに  人のアスファルトで爪を削りながら  よろよろと頼りない足取りで  最期の場所に向かう  果たしてその砂浜は  思い出だったのか  憧れだったのか  それとも未開の地だったか  その猫がなぜそこを  選んだのかはわ

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詩 「ガラム」

 キツめの煙草を咥える  火を付ける勇気もないのに  濡れたアスファルトの上で  肌寒さに震えながら  呼吸の味はサイアクで  ひどく臭くてひどく不味い  溜め息ついて棒を折る  舞い散る茶色の粉末が  風に紛れて消えるのを  それを見ているアタシは一体  どんな顔をしてるんだろ  褪せた金髪が夜をたなびく  勝手に夜は更けてゆく

詩 「あさつゆ」

 朝陽を吸う  遥か彼方から約束された  永遠のような幸せの日向を  冷たい春風に撫でられ  呼吸をする  世界でいちばん解放的で  世界でいちばん自由な  車がぽつぽつ通るだけの  静寂の朝  いつか真っ白な翼が芽吹いて  どこまでも飛んでいけそうな  そんな輝きに満ちた地球に  眠気も渇きも昨日の悪夢も  全部全部吹き飛ばして  ここにただ一人  私がいるぞと宣誓をして  また一日が始まる  史上最高の私と  大いなる希望を抱いて

詩 「星無の満月」

 満ち足りた月  見上げるとそこにいるけれど  上を向かなければ  アンタの姿は拝めない  ポケットに手を突っ込んで  シケモクを噛み潰しながら  裏通りを彷徨う  アテもないまま  良い感じに座れる場所に着くまで  吐き捨てた煙草は  そよ風に飛ばされる  なんて自由なんだろう  そんなぼやきは  暗い闇の中に吸い込まれていった  あの月は幸せなのかな  ずっと独りなのに  そんな弱音だって  誰にも聴かれる事はない  もう一本煙草をつけ

詩 「蝶が咲く」

 蝶が咲く  誰もいない荒野の中心で  黒い雲の天井と  涸れた川底に挟まれて  ただ一点    その蝶はダイヤよりも煌いていた  そのはばたきは  この雲のたった一欠片さえ  晴らすことは出来ないけれど  その美しい蒼を持ってしても  二度とこの地に水は湧き出ないけど  その蝶はもう  同胞を見つける事は出来ないけれど  誰もいない果ての地に  その蝶は可憐に健気に飛ぶのだ  無意味であると知っていて  無価値であると知っていて  生まれた場