詩 「星無の満月」
満ち足りた月
見上げるとそこにいるけれど
上を向かなければ
アンタの姿は拝めない
ポケットに手を突っ込んで
シケモクを噛み潰しながら
裏通りを彷徨う
アテもないまま
良い感じに座れる場所に着くまで
吐き捨てた煙草は
そよ風に飛ばされる
なんて自由なんだろう
そんなぼやきは
暗い闇の中に吸い込まれていった
あの月は幸せなのかな
ずっと独りなのに
そんな弱音だって
誰にも聴かれる事はない
もう一本煙草をつける
紫煙がアタシをそっと満たした
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?