著作権を侵害したら? 【著作権の基本 試し読み】
著作権違反により
中学生が逮捕されたケースもある
夏休み!
普段よりも、スマホやタブレットを触れる時間が増えるタイミングかと思います。だからこそ子どもも大人も「著作権」について学んでおきましょう。
『小学生のうちから知っておきたい 著作権の基本』(宮武久佳 著)より、
第一章「著作権ってなんだ?」より、「著作権を侵害したら?」を全文公開です。
違反をしたら罰金を支払う? 警察に捕まる?
インターネットで見た他人の著作物を無断でコピーして、ブログやSNSにアップすることは著作権違 反になることがあります。ネットのアカウントが止められるだけだったらいいのですが、警察に捕まったり、被害を受けた人から裁判に訴えられたりすることもあります。
実は、著作権違反で中学生が逮捕されたケースもあるのです。
刑法で罰せられるようなケースを「刑事事件」、被害者が相手から被害の請求をするようなケースを「民事事件」と言います。
刑事事件となった場合、最も重い罰則は「10年の懲役、1000万円の罰金」です。これは、他人の物を盗んだ場合と同じ重さです。
民事事件の場合、被害者の損害分を支払うことが求められます。
とはいえ、いきなりキミを「逮捕する」「訴えてやる」ということはないでしょう。その前に、権利者から「私のコンテンツを無断で使っていますね。すぐにやめてください」「著作権使用料金を支払ってください」などの通知があるものです。連絡があれば、ただちにその言い分に耳を傾けるべきです。この時点で、キミは保護者か先生とよく相談するのがいいでしょう。もしかしたら、権利者が間違っているかもしれません。いずれにせよ、ここからは大人同士の話し合いになります。
著作権のトラブルに遭うと……
著作権についてのトラブルにまきこまれないようにするためには、権利者とのコミュニケーションが大事です。トラブルが発生した場合、キミひとりでは対応できません。すぐにまわりの大人に知らせてください。
刑事上の罰則
著作権の侵害は「犯罪行為」にあたり、罰則規定があります。ただし、被害を受けた被害者が自分で訴えなければなりません。有罪の場合は、10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金が科せられます。
民事上の請求
著作権者が裁判所に訴えることで、以下のようなことを求めることができます
差止請求
著作権違反が起きそうな行為をストップさせる
損害賠償請求
著作権侵害をされたために損した分のお金を出してもらう
不当利益の返還請求
著作権侵害がなかったら得ていたはずのお金を出してもらう
名誉回復措置
失た名誉や信頼を取り戻す措置をとってもらう
はじめに
権利ってなに?【著作権の基本 試し読み】
著作権ってなんだろう?【著作権の基本 試し読み】
書誌情報
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