読書感想文・備即書忘録030:『 日本史を暴く 』 著:磯川道史
読書感想文・備即書忘録030
『 日本史を暴く 』
著:磯川道史
概要
この本は、従来の通説を覆す新たな視点から日本の歴史を憂慮した刺激的な1冊です。
本書の最大の特徴は、著者が豊富な史料を精緻に読み解き、これまであまり知られていなかった歴史の側面をはっきりと認識している点で 、従来とは異なる解釈を提起しています。
特に印象的なのは「戦国の怪物」と呼ばれる織田信長の新たな側面を憂いている点です。
この視点は、信長という上の歴史人物に対して大きく変わる可能性を秘めています。
本書は、幕末の志士たちの活動についても新たな光をあてています。
例えば、坂本龍馬の活動の裏側にあった複雑な政治的思惑や、彼の暗殺の真相について、従来の英雄とは違う視点から分析しています。
著者の磯田氏は、禁止通説を否定するだけでなく、なぜそのような通説が生まれたのか、広まったのかについても考察を加えています。
『日本史を暴く』の意義は、私たちが当たり前のように受け入れてきた歴史観に疑問を投げかけ、より多角的な視点から歴史を見る必要性を提起している点にあります。
こういう動きは、社会の諸問題を考える上でも重要な示唆を与えてくれます。
新たな解釈の中には、検証が必要なものも含まれており、読者は、一定な批判的な視点を持って冷静に考えながら読むことが求められます。
総じて『日本史を暴く』は、日本史に関心を持つ全ての人々にとって、新たな視点と深い洞察を提供する刺激的な一冊だと言えます。
著者の大胆な解釈は、読者に歴史の見方を再考させ、より豊かな歴史観を育むきっかけを与えてくれます。
この本は、沈黙歴史書としてだけでなく、私たちの「歴史」というものをどのように捉え、理解すべきかを問いかける哲学書としての側面も持っています。
新たな視点から物事を見る重要性を教えてくれる点で、現代を生きる私たちにとって貴重な示唆を与えてくれる一冊だと言えます。
感想
この本は、これまでの歴史の見方に新しい視点を投げかける1冊です。
どうやって、新しい発見をするのかを教えられる内容です。この本から、私たちビジネスマンも学ぶことがたくさんあります。
磯田氏は、古文書などの一次出典の資料を大切にし、そこから新しい発見をしています。
これは、私たちが勉強したり、仕事で調べ物をしているときも同じで、自分なりに考え、それがどういう意味を持つのかを深く読み解くことが大切です。
また、ビジネスの世界でも、データを使ってなんとか分析しますが、そのデータだけに頼りすぎると、失敗して重要なことが多いのです。
この本では、歴史上の人物を一面的に評価するのではなく、多面的に見ることの大切さが強調されています。
例えば、歴史上の英雄でも、時代や状況によって評価が変わることがあります。
同じように、私たちも上司や先輩、同僚や家族のことを一面的に見るのではなく、いろんな角度から理解することが大事です。
ブランドや企業のイメージも時代とともに変わるように、私たちの考え方や評価も変わることがあります。
そのため、多面的に物事を見る力を身につけることが、これからの社会で使えるスキルとなります。
歴史は常に変化しています。そして、歴史上の人物たちもその変化に適応して生きてきました。
私たちも、これからの時代に起こる変化にどう対応するかが問われています。
それでも、新しい環境やルールに柔軟に適応する力が必要です。
例えばマーケット(市場)が常に変わるように、私たちも社会の変化に対応して、自分を成長させていくことが大切です。
新しい技術や情報を取り入れたり、変化を恐れずに新しい挑戦をすることが重要です。
『日本史を暴く』から得られる学びはビジネスマンにとっても役に立つことが多々あります。
1)批判的思考力(ディベート能力)を身につけること
歴史の事実をそのまま信じるのではなく、いろいろな角度から考えてみることが大切です。これは、日常生活でも仕事でも使える力です。問題や出来事を多面的に考えることで、より深く理解することができます。
2)情報の正確さを大切にすること
情報がたくさんある現代社会では、正しい情報を「現場」「現物」「現実」の3つを揃えて見つけ、その「現場情報×現物情報×現実情報=出典情報」をどう活かすかが大切です。
3)多面的な見方を養うこと
人間や出来事を一つの側面だけで判断しないことが大切です。上司や先輩、同僚との関係でも、相手の良いところや背景を冷静に、尊重することが大切です。
4)変化に適応する力を養うことの
歴史の中で起こった社会の変化を学ぶことで、私たちも将来起こる変化に対応する力を身につけることができます。変化に対して柔軟に対応する力が、これからの社会に必要になります。
磯田道史氏の『日本史を暴く』は、歴史を新しい視点で語ることの大切さを教えてくれる本です。
一般論に振り回されることなく「現場情報×現物情報×現実情報=出典情報」を得ることで、多面的に物事を考える力を養うことができます。
歴史と情報に対して疑問を持ち、そこから新しい発見をする姿勢を大切にし、将来に向けて成長していく力を身に着けていきましょう。
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