【読書感想】 姑獲鳥の夏
私、大変な勘違いをしておりました(´・_・`)
タイトルから推測するに、ホラーだとばかり…。
ややホラーですが、完全なミステリーでした。
とうとう手を出してしまった百鬼夜行シリーズ٩(๑>∀<๑)۶
姑獲鳥の夏 京極夏彦
え〜、ワタクシ、これから読もう❗️とする本は興味さえあれば内容をあまり調べず、下手をすればタイトルや装丁だけで読んでしまう悪いクセがありまして。
その上このシリーズは、Twitterのみんな大好き鈍器本として超有名。
まず『姑獲鳥』から、妖怪?怪異?を連想しました。
次に『夏』から「今が読み時」「ホラー」を勝手に連想しました。
故に『姑獲鳥の夏』は『ゲゲゲの◯太郎』のような、
妖怪大戦争的な人外と陰陽師(ここは知ってた)との壮絶なバトルファンタジーものかと勝手に推測しておりましたっ…‼️
大変申し訳ありませんでしたっ(。>﹏<。)
半分まで読んでも、
「いやぁ〜、まだ姑獲鳥出てこないなぁ…」
3分の2まで読んでも、
「おぉっ、これからバトルかっ❓
でもまだ姑獲鳥出てこないなぁ。
なかなか焦らすねぇ〜」
などと、心の中で訳の分からないツッコミをしていた自分が恥ずかしい……(-∀-`; )
姑獲鳥を題材にしたミステリーでした^ ^
私の今月のホラー、ホラーミステリー小説を読む!という趣旨から、こちらはホラー要素のあるミステリー枠にハマるかなと…(^_^;)
でも、全然怖くないです。
めちゃめちゃ面白かった‼️
まず、個性的なキャラ達。
京極堂は眩暈坂を登った先にある古書店。
そこの主が、中禅寺秋彦。
普段、京極堂と、屋号で呼ばれる。
彼は、
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
と言い、全ての現象を証明していきます。
話し方が一癖あるのですが、言ってる事に無駄がない。
最後には必ず最初の話と関連付いていて、とても分かりやすいです。
彼の言う
「この世に面白くない本などはない」
と言う持論が好きです^ ^
榎木津礼二郎は「薔薇十字探偵社」の探偵。
旧華族の家柄の出。
彼も京極堂と並ぶ個性的な人物で、人には視えないものが視える。らしいですよ。
これについても京極堂はちゃんと納得できる説明してくれます💕
他にも主人公の関口や京極堂の妹、刑事の木場など頼もしく有能な方々が出てきます。
次に何が面白いって、会話の内容が濃い。
本筋の内容も勿論面白いのですが、私はこちらにとても魅力を感じました。
冒頭から、主人公関口と京極堂の会話に聞き(❓)入ってしまう。
人を馬鹿にした口調を除けば、京極堂と行きつけのバーで飲みたい💕と思わせるおじさまだ。
いや、バーは行ってくれない。居酒屋かなぁ。いや、京極堂の奥の部屋で出涸らしのお茶か…(^▽^;)
京極堂と関口の会話の一部、
二重スリット実験やシュレイディンガーの猫などの有名な量子力学のアレですが、事件の関与も、観測した時点で未来が変わるのなら、何も知らずに解決した場合は、結果も違う…と。
事件での干渉の事を考えた事がなかったので新鮮でした。SFではよく出てきますが。
こうなると想像が膨らみますねぇ。
楽しくなっちゃいます^ ^
京極夏彦さんの作品は全部そうなのかな❓
科学的に説明してくれるから非常に分かりやすく、疑問が残らず凄くいい。
呪いとは、洗脳や暗示など心理的なモノです。
分かっていても、ひょっとしたら…と思ってしまう。
今月ホラーばかり読んでいるからか「呪い」のあれこれについていつもより考えた気がします(^_^;)
この作品は全体的に、じっくり読みたい小説という印象。
切羽詰まったような急かせかした感じは全くなく、ゆっくりじっくり味わう感じ。
一つずつ丁寧に解決していって、ラストは綺麗に収束。
限界を感じた時の人間てすごいですね…( ¯꒳¯ )。。。
情報量が多いので、1冊読んだだけなのに5冊くらい読んだような満足感‼️
シリーズ次巻は、傑作と有名の『魍魎の匣』だぁ‼️
文庫本の厚みを見ると、手をつけるのに怯んでしまう…^^;
でも絶対読むぞ‼️