読了『毎日読みたい365日の広告コピー』
こんにちは。ヒノカンです。
今日は、この本のことめっちゃ語りたいので目次機能を加えてみます。
台風一過し、すっかり日差しが秋らしくなりましたね。
夏が好きな自分としては非常に寂しいです。
秋が来て冬が来て、寒くなっていくので寂しい。
でも、クリスマスやハロウィン、正月とか様々な行事が巡って、コフレも楽しみだし、それはそれでワクワクかもしれません。
今回は、『毎日読みたい365日の広告コピー』という本を読みました。
なぜこの本を読んだかと言うと、
これは、深イイ(エモい)広告コピーをたくさんぎゅっと1冊まとめた本。
毎日、何かの日で、シーズン商戦があり、広告コピーが生まれる。だけど、そのシーズンが終わったら降ろされてしまう広告コピーは、商品を魅力的にみせること以外にも人生を震撼させる、言葉そのものが魅力的なものもあります。それらを、本としてじっくり読める、この一冊
まぁ、以前この記事を読んで、興味を持って買った経緯があります。
この本を作ったライツ社の大塚さんのインタビュー記事です。
この中の、
あるクライアントから依頼されて、何かを売るために考え出されたコピーなんだけれども、基本的に広告のコピーライターって、人の心を悪く動かしたいなんて思ってなくて、ちゃんと、人生のなかで大切なだなぁと思ったこととか、その人の視点で見つけた発見を言葉にしているはずで。
という言葉に、深く興味を感じ、この本を手に取ったのを覚えています。
思えば、日本語って、15文字くらいで、ビビッと心に響かせることができるって凄くないですか。
私は、書店のPOPを見るのが好きなんですけど。あれも何十万文字もある小説を15文字くらいで紹介する至難の業でできたキャッチコピーじゃないですか。
それを読んで、読者の興味を惹かせる。それって職人級の技だし、面白くないですか。
もっとクローズアップすると、短歌、詩、俳句など。古典の時代から、どれだけ無駄な文字をそぎ落として魅力的な文章を紡げるかが、日本語の技術として、芸術としてありますよね。
日本語のわずかな単語で、多くの意味を引き出す力。それが現代でアピールできる場所として、【広告コピー】があるんだと思います。
古来からの日本語の力をビジネスに・・・ってことか。
さて、この本の感想をば。
なんせ、365種類の広告コピーがあるんですよ。結構これは大変な量。作る方も大変だったんだろうなと思いながら。でも、1年分、全く飽きず1日中夢中になって読み切ってしまいました。
毎月ごとにページの色が変わるから、ページを見ていて楽しいし、
その日にまつわるキャッチコピーだから、「この日は〇〇の誕生日なんだ、〇〇の日なんだ」という雑学も学べるし、
広告コピーの含蓄にあったフォントで全て書かれているので、
飽きることがない・・・。
でも、365日分読み終えた後に、どれが一番良かったかとか忘れてしまいそうだったので、付箋を貼りながら、読んでました。
そしたら、めっちゃ付箋貼りすぎて、黄色の付箋がなくなるほど貼っていたと言う。読了した後に、付箋した場所だけを読み返すと、「あ〜〜〜好きだなぁ」と思うばかりでこれもとても楽しい。
そんな中から私が好きなのを2つ紹介。
ひとつめ
これは、駅の広告を見て「ハッ」と好きになったものでもある。やっぱり、当時も好きだったからこのページをめくっても、「ハッ」となった。
「結婚しなくても幸せ」と言うのは、少し意外性も感じられるけど、実際晩婚化で、結婚する人が減っている時代で、「おひとりさま」でも生きやすい時代に変化している。だけど、「"私”は、”あなた”と、結婚したい」と言う、限定性。この「私はあなたと」が抜けていたら、この広告コピーの魅力は消え失せてしまう。
(この時代の2017年よりも)恋愛の多様性によって、結婚対象が大きく広がって、事実婚など結婚の形も自由になって、無限な可能性のある中で、
世界中であなたひとりだけと結婚がしたいと言う、
もはやこれ、プロポーズの言葉やんけ(好き)
「ゼクシイを買ってね」と言うプロモーションよりも、「誰かと恋して結婚したいなぁ」と思わせる広告コピーです。素敵、ロマンチック。
私の心をときめかせてくれました。
ふたつめ
ま、この日は私の誕生日なんですけど、誕生日が真夏なもんで、真夏が大好きで、この本の中で一番真夏らしい広告コピーで、きゅん・・としました。
この広告は、張り出されている時を知りませんでした。
気になったから広告を調べたのですが、素敵ですね。写真の配置も。
でも、文字よりも、ビジュアルの方が目線にいきがち。この本が、広告の写真を載せず、文字だけをひたすら載せているのも、また魅力なのかもしれません。文字そのものが心に響く力を深く感じさせる、そんな気がします。
本来私の誕生日は全国でいっぱい花火が飛ぶんですけど(自慢。)花火大会で、天空に舞う花にみんな見上げて、指を差して、屋台の食べ物を頬張りながら、笑う。そんな夏の風物詩が大好きです。
花火をカメラに収めたいけど、シャッター速度とか設定するの難しいから、みんなカメラ越しに花火を見るけど結局、写真撮るより肉眼で見る方が良いと気付き、最終的にみんな見上げて花火を見ているのも、私はその人たちの動きを見るのも好きです。
しかし、今年は、花火大会が軒並み中止。
夏らしさが一つもないのがとてもさみしい。マスクをして、ソーシャルディスタンスを保つために、人との距離をおき、家にずっといる。
人肌が恋しくて、四畳半の部屋のなかでほぼ毎日終えて、気が狂いそうになってる私。夕方に散歩しているけどそろそろ、ルートの組み合わせが尽きてきた。大学も行けないし、毎年の夏の楽しみの青春18切符旅もできない。
スマホやパソコンで、作業するためずっと目線が下向き生活をしている。(それはコロナ禍じゃなくても日常かもしれない)
空を眺めるってことは、日常的にそうなかなかない。だけど、花火はみんなを上に向かせてくれる。上を向くと大輪の花が咲いて、心を上向きにしてくれる。そう思うとまた花火が好きになった。
あと、花火も、花火職人さんが、どう演出するか、どう花火を配置するか、めちゃくちゃ考えて作ってくださっている。その日本伝統文化を続けるために頑張っている人たちの努力にも頭が下がる。
ひたむきとしたむきって語呂が似ているのはわざと?だけど、下を向いて作業を熱心にしている人がいるから、私たちは、その人たちの素晴らしい技術で上を向くことができる。それって素晴らしいことだ。
花火を見て「素敵!」と思うだけでなく、「ありがとう」と今度から思わねばならないなと考えた、広告コピーでした。
あと、疫病流行と、災害で意気消沈した人々のために隅田川の花火大会が始まったのは知らなかった。
今、度々行われる、シークレット花火大会も、コロナ禍で笑顔が少なくなった日本人みんなにサプライズで笑顔を届けてくれた。同じ意味があるのかな、と思えた。
粋だなぁ。
来年はできるだろうか、りんご飴を食べながら花火を見ることがまた、できますように。
と言う二つの広告コピーを紹介しましたが、こんな感じで心に沁みる広告コピーが356個ある。大ボリューム。もし私が選んだ2つが心に沁みない方でも、365個の中だったらひとつは心に沁みるものがあるはず。
大変長くなりましたが、
思うことがたくさんある、とても良い本でした。
ぜひ、書店で見つけた、手に取ってください。そして読んでください!
『毎日読みたい365日の広告コピー』
ライツ社 1850円+tax
公式ページ