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貯める以外のお金の用い方

お金には賞味期限がありません。
ですので、時間を掛ければ、いろいろなお金の用い方が出来そうなものですが、これがなかなか上手くいきません。

お金の用い方において、人類はまだ発展途上にあります。
何しろ100年くらい前までは、(飢えずに)ご飯を食べていくことで精一杯だったため、お金の用い方を考える余裕などなかったわけです。

とりあえず日銭が出来たら、無駄遣いをせず、少しでも貯めておく。お金とは稼ぎ、使い、貯めておくものだ。「それ以外に何がある?」というのが、大方の庶民にとっての実感だったのではないでしょうか。


以下、複数のお金の「用途」を書き出してみます。

<お金の用途について>

1.消費する(その人の性格が出ます)。
2.貯める(普遍的なニーズあり)。

3.自己投資する
(たとえば資格を取得する。プログラミング言語を学ぶ。海外に留学する等)。

4.商品として貸し出す
(お金を貸して利息を得る。これを生業にすれば5.になります)。
5.ビジネスに用いる
(会社を設立する。設備投資、運転資金等にお金を用いる)。

6.有価証券等の投資に充てる
株式、債券、投資信託などに投資する(一般的に「投資」と呼ばれる行為)。

7.社会に還元する(各種団体、法人、自治体等への寄付)。
8.個人に贈与する(親族、知人等にお金を譲る)。
9.相続させる(使い切れなかったお金を次世代に引き継がせる)。


お金の用い方には多様性がある。これを知ることが第一歩です。そうすれば、お金の「多意性」に気付きます。つまり、「お金の意味合いは実にさまざまに分かれる」という発見です。

あなたのお金は自己のために用いてもOKですし、他者のために使ってもOK。同じ自己のために用いるケースでも、消費という即物的な効果を求めるのか、(その効果が出るまで)5年も7年もかかるような、自己投資、ビジネス、有価証券への投資を選ぶのか、それもあなたの自由。常に選択肢があるわけです。

勿論あなたが「ほかの」お金の用い方を発見してもOKでしょう。実際、使う(消費)だけで一生を終える人もいます。また資産の大半を寄付する人もいるでしょう。あなたのお金ですから、その用い方は縦横無尽にあってよいのです。


お金を冷めた目で眺めると、わたしは「巡るお金」と「巡らないお金」に区別されると考えます。実は上記1~9の中で、2.の貯める以外は、どれを選んでもお金は巡っていくのです。

「消費」がもっとも分かりやすい例でしょう。あなたがお金を使えば使うほど、そのお金は誰かの所得(儲け)となり、羽が生えたように世の中を巡っていきます(ただし、消費過多になると、あなたの生活が立ち行かなくなる可能性がありますが・・)。

また、「寄付」や「贈与」や「相続」では、お金の所有権は他者に移転しますが、そこから(やはり)他者の意思によってお金は巡っていくわけです。

お金の用い方には「学び」の側面があります。同じ消費を選んだとしても、選択肢があることを知って選んだ場合と、貯める・消費するしか知らない中で(消費を)選んだ場合とでは、その意味合いが違ってきます。


あるいは、一人の人間の中でも、年代によって、お金の用い方が変わるケースがあります。若い頃は「消費」のみに充てていた人。それが年を重ねるにつれ、「貯める」と「使う」のバランスに留意するようになり、やがて「自己投資」や「寄付」に目覚めるようになる。といった例です。

もし可能であれば、―あなたの満足のためにお金を用いるのは大前提として―、同じ「用いる」でも、長く縦横無尽に「巡り続ける」お金のほうが使い甲斐があるや。という意識は持ってもよいと思います。

結局のところ、それはあなたのお金でありますが、扱い方によっては限りなく公(おおやけ)のお金に近づいたりもします。それがお金のふしぎなところでしょう。


お金の多意性を予め知っておくことで、例えば投資信託に50万円投資する場合でも、「ここは消費ではなく投資なんだ」とか、「この50万円は寄付ではなく投資でいいんだ」と、自分の気持ちを再確認する機会にもなります。

最後に、もっとも厄介なのが2.の貯めるでしょう。お金が貯まれば貯まるほど、保持者自身の満足度は上がりますが、「貯める」は世の中に巡らないお金の典型例なのです。

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カン・チュンド
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