カン・チュンド@お金は召使い

関心:お金 投資信託 DIE WITH ZERO 1級ファイナンシャル・プランニン…

カン・チュンド@お金は召使い

関心:お金 投資信託 DIE WITH ZERO 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

最近の記事

商売(しょうばい)も投資(とうし)も卑しいこと?

「商売」ということばがあります。 この言葉を聞いてどんな印象を抱きますか?「ずる賢いような印象」を多少なりとも持ってしまいませんか。 お金を儲けること(=商売)に対して、どこか後ろめたさを感じるのは、日本の精神文化が影響しています。 江戸時代、世の中を支配したのは武士でした。武士の規範では金銭的利得を求めるのは卑しいこととされました。この部分が昇華し、清貧であることが尊ばれるようになります。 翻って「職人」(しょくにん)という言葉はどうでしょう(どんな印象を抱きますか?

    • 重たいお金と軽いお金

      ここに1億円のお金があるとします。 同じ1億円でも自分で働き積み上げた1億円と、誰かから引き継いだ1億円では、当人が感じる肌触りや重たさが異なります。 自分で積み上げた1億円はより重たいお金でしょう。それに比べると引き継いだ1億円はやや軽いお金にならざるを得ません。 まずは「重たいお金」のお話から。 仕事を頑張ってそれなりの資産を築いた人は、懸命に働き、お金を無駄遣いしてこなかったから、お金が積み上がったわけです。 ですので、それなりの年になっても「なかなかお金を使えな

      • 地方暮らしの勧め(東京月80万円と愛媛月25万円の暮らしを経験してみて)

        お金は大事です。しかし、人生で必要なお金の量は、どの程度の「生活費」で生きていけるかで変わってきます。ですので、今保持する預金の量を「周りと比べて少なすぎるのでは?」と心配し過ぎる必要はありません。 人はふつう、仕事を求めて大都市圏に住まいます。大都市はたしかに便利ですが、生活コストが高くなります。同じ広さの住居、同じ内容の食料、冷暖房もその他家電も揃っているとしましょう。 私ならWiFiさえ確保できれば、地理的環境を気にしません。 いや、むしろ積極的に「地方」を選ぶで

        • 母親のお金を盗んで散財した小学生はわたしです

          わたしの母はすでに他界していますが、今でも申し訳なく思っていることがあります。それは小学生の頃、母親の財布から何度もお金を盗んだことです。 母親の財布はいつもタンスの上に置かれていました。 わたしがお金を盗むのは母が留守のときですから、財布が家の中にあるというのもおかしな話ですが、おそらくこの財布は大きなお金(紙幣)専用のものだったのでしょう。 小学校4年生のわたしは、タンスの上に手が届く身長になっていました。映像的に云えば、わたしの視線がズームインされた財布に釘付けにな

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        • 佐々木さん
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        • 華村さん
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        記事

          お金が無いと心配、でもお金があり過ぎても心配

          誰しも「たくさんお金があればなぁ」と願っています。したがって「お金が無いと心配」という気持ちはよく分かります。しかし「お金が多くあっても心配」とは一体どういうことなのでしょう。 実は上記症状は、年を取れば取るほど、発症しやすくなります。 〇お金が無い   〇お金がそこそこある   〇お金が多すぎる ここで、75歳のAさんに登場いただきます。 Aさんにとって「お金が無い」のは致命的です。これはなんとか避けないといけません。次に「お金がそこそこある」という状態はどうでしょ

          お金が無いと心配、でもお金があり過ぎても心配

          お金の価値を未来に持って行くのは案外むずかしい

          「インフレ」とか「物価上昇」という言葉は、どちらかというとネガティブな用語として用いられます。しかし、襟を正して言うなら、「人類の歴史はインフレーション(物価上昇)の歴史」そのものです。 突然ですが、「新潟貯蓄銀行」ってご存じでしょうか。 同行では1915年に大正天皇即位の記念預金として、ナント「100年定期預金」が作られました。金利は年6%の複利でした。 年6%の複利って、どのくらいお金が増えるイメージかというと、当初預けた元本が10年で約1.7倍になる計算です(けっこ

          お金の価値を未来に持って行くのは案外むずかしい

          いざとなったらNOと言える、それがお金を増やすことの効用

          「手元の預金額がやっと1500万円になった!」 はい、それはたしかに凄いことです(嬉しくなって当然でしょう)。しかし、冷めた言い方をすると、「15,000,000」はオンライン上の数字にすぎません。 お金(数字)が増えたからといって、あなたの日常が急に変化したり、あなたの生き方が変わったりするわけではありません。 そもそも人はなぜお金を増やそうとするのでしょう。自分のお金が増えることで、具体的にどんな効用が得られるのでしょうか。職業柄(ファイナンシャルプランナー)、そん

          いざとなったらNOと言える、それがお金を増やすことの効用

          貯める以外のお金の用い方

          お金には賞味期限がありません。 ですので、時間を掛ければ、いろいろなお金の用い方が出来そうなものですが、これがなかなか上手くいきません。 お金の用い方において、人類はまだ発展途上にあります。 何しろ100年くらい前までは、(飢えずに)ご飯を食べていくことで精一杯だったため、お金の用い方を考える余裕などなかったわけです。 とりあえず日銭が出来たら、無駄遣いをせず、少しでも貯めておく。お金とは稼ぎ、使い、貯めておくものだ。「それ以外に何がある?」というのが、大方の庶民にとって

          貯める以外のお金の用い方

          1998年、野村證券明石支店で学んだこと

          少し昔話になります。 1998年の暮れに初めて証券会社に行き、投資信託を買いました。わたしにとって「投資デビュー」の日です。 当時すでに、FP(ファイナンシャルプランナー)として仕事を始められたらなと思っていたので、内心、証券会社がどんなアドバイスをしてくれるかに興味がありました。 机をはさんで向かいに座った野村證券の営業マンは、カラー刷りのパンフレットをいくつか並べて「演説」を始めました。 直近の世界情勢や、ユーロ誕生のインパクトや、日本株の反転シナリオについて、確信

          1998年、野村證券明石支店で学んだこと

          シンプルな投資はたった30秒の会話で語り尽くせます

            秋の訪れが感じられたその日、わたしは28階のレストラン街に行くために、 1階でエレベーターを待っていました。 そのとき偶然、高校時代の同級生、五反田くんに会ったのです。 「えっ? なんで!」 「つうか、久しぶり。」 私たちは握手を交わしました。 彼も28階のレストラン街に行くと言います。 五反田くんはわたしの予想通り、親父さんの中古車販売店を継いでいました。わたしがファイナンシャルプランナーの仕事をしていると言うと、少し興味を持った様子で、 「でもさ、投資って

          シンプルな投資はたった30秒の会話で語り尽くせます

          お金の価値 = お金そのもの × お金の保持者

          私はすでに老齢に近い年ですが、高校二年の時に家出をした経験があります。実家は神戸なのですが、国鉄と近鉄電車を乗り継いで、なぜか名古屋にまで出ました。 知り合いは皆無で、何がしたいという目的もありませんでした。ただ「ここではないどこかへ」という気持ちに憑かれていたのです。その時の所持金は3万3千円ほどでした。 私は名古屋の中心部、栄の地下街を歩きながら、とある喫茶店の前でアルバイト募集の貼り紙を見つけます。家出の状態を続けるために、私は取りあえず働こうと思ったのです。 そ

          お金の価値 = お金そのもの × お金の保持者

          あなたは映画「わたしのお金どうしよう?」の監督さんです

            お金は、あなたが「何に」「どれだけ」「エネルギー」を費やしたかという、行動(消費)の履歴を示す指標になります。   お金の用い方を一生ベースで俯瞰すれば、それはそのまま、あなたの生き様を表す一端となるでしょう。   もしかするとあなたは、映画「わたしのお金どうしよう?」を監督する人なのかもしれません。    タイトル「わたしのお金どうしよう?」   主役・・あなた 脚本・・あなた   シナリオ(脚本)の中身は?   〇どんなふうにお金を調達するのか 〇いつ、何に、どれくら

          あなたは映画「わたしのお金どうしよう?」の監督さんです

          私的なお金と 公的なお金

          金(カネ)というストレートな言い方はしません。 私たちはわざわざ「お」を付けて「お金」と言います。お金は大切なものです。それはどんな時代になっても変わりがありません。 人にとって衣食住は欠かせませんが、どれもお金がないと用立てることが出来ません。「お金」は安心の砦であり、暮らしを支える重石です。“お金は命の次に大切なもの。”この形容は決して大げさではないと思います。 ところで、私たちがいつも「お金」のことを考えるかというと(それが)そうでもありません。仕事が忙しい時など、

          私的なお金と 公的なお金

          20年の歳月は国も個人も豊かにします

          わたしの母は1946年生まれ、わたしは1968年の生まれです。 わたしと母は22歳しか年が離れていません。たった22年しか違わないのに、わたしと母親はあまりにも境遇が違っています。 わたしが生まれた年(1968年)、日本は西ドイツを抜いてGNPで世界第2位に躍り出ました。まさに、高度経済成長の只中にありました。 母が生まれたのは終戦直後です。外国籍で、早くに父親を亡くしており、祖母が女手ひとつで家族を養うことは当時、想像を絶するほど困難であったはずです。 考えてみれば、

          20年の歳月は国も個人も豊かにします

          お金で悪戦苦闘する4人

          本日登場する人物は以下の4人です。 <登場人物> Aさん Bさん Cさん Dさん Aさん、Bさんはそれぞれ1万円を持っていました。Aさんは競艇場(ギャンブル)に行き、その1万円を2時間でゼロ円にしてしまいました。いっぽうのBさんは1万円でニワトリと簡易小屋を買い求めました(これからニワトリを育てて、卵を得ていくつもりです)。 次にCさんの具体例です。 Cさんは3年かけて貯めた300万円でインドネシアに語学留学(2年間)し、インドネシア語を習得しました。そして日本に帰国

          お金を主語にする私たち

          お金は大事な道具の一つです。生まれてから死ぬまで付き合うことになります。私たちはお金との付き合いが濃いために、しばしばお金を「主語」にしがちです。 ・お金「が」大事。 ・お金「が」要る。 ・お金「は」万能。 ・お金「は」裏切らない。 どれも簡潔な言い方です。上記4つの例文はいずれも、お金「が」あれば大丈夫。という意思表明に聞こえます。 実際、お金があれば、さまざまなハード、―具体的なモノやサービスや経験―を買うことが出来ます。しかし、ソフトの部分、―暮らしの中身そのもの