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おかき
2023年1月23日 01:10
去年を朝日の裏側に、置いてきて二三日。 夜は回るのが早くなって、雨を目にする時間が増えて、寒さは足早に空を駆ける。 暗く、うるさく、冷たい夜。肌を擦って灯る熱を、この胸に抱き締める。 明日、死んでいてはくれないか。この夜がいつまでも朝を拒んではくれないか。あの雨がとめどなく世界を溺れさせてはくれないか。その寒さが私の鼓動を絞めてはくれないか。 お望みだらけの俺をきっと、振り払うように朝が
2023年1月13日 12:29
幸せは小さく分けて冷凍保存。イメージとしては製氷器。手のひらで小さく溶けゆくのを見るのも、熱く煮えたぎった心のコップにひとつまみするのも良い。 あまりに保存が長すぎると、凍らせていたことを忘れてしまうから。1日1個、必ず使うようにしている。使いすぎたってまだまだある。ただ、入れすぎては日常が薄まってしまう。 過剰摂取とその後の希薄化に揺られながら、待望のやおいうどんに手を付ける。 今日は少
2022年10月31日 03:38
冬の夜はミントの味がする。三日月、ベランダ、室外機。履けないサンダルほっぽいて、あたためた牛乳に一口。夜空に向かって吐息をぽつり。君と話した夜のミント、知らない味に知ったかぶり。あの日と同じ三日月で、感じるのは揺れる室外機だけで。冬の夜はミントの味。1人の夜は、なんの味。
2022年10月22日 02:26
友とは人生を豊かにするけれど、友とは人生に必須な訳ではない。ただ、泣くのはいつも、友の事。
2022年8月25日 00:16
月はまだいるか。なんて考えて捨てる夜。 早とちりの秋雨か、門限破りの梅雨なのか。分かるのは明日、いやもう今日か。 きっと夜を巡って,来る朝には雨だろう。 雲の向こうにまだ、あの月は居るだろうか。 ……みたいな。 そんな空想の予定を入れてみる。お蕎麦と髭剃りの間が良い。 意味の有無は問わないで、人は無意味に意味を持たせられる生物なんだから。 無意味含めて
2022年7月26日 22:20
薄く,軽やかに。私から剥がれていく。それは、爪痕を残すための白い爪とか。または、自分を守っていた卵の殻とか。時の流れに振り落とされた、幼さとか。心の中で細々と輝いていた、未来とか。大人になれなかった僕が、剥がれたか。はたまた大人になる私が、剥いだのか。考えている間に、それは白く色褪せる。前は何色だったのか、分からなくなる。色を探して、考えていた意味を失くす。何をきっかけに考えた