一月二三日
去年を朝日の裏側に、置いてきて二三日。
夜は回るのが早くなって、雨を目にする時間が増えて、寒さは足早に空を駆ける。
暗く、うるさく、冷たい夜。肌を擦って灯る熱を、この胸に抱き締める。
明日、死んでいてはくれないか。この夜がいつまでも朝を拒んではくれないか。あの雨がとめどなく世界を溺れさせてはくれないか。その寒さが私の鼓動を絞めてはくれないか。
お望みだらけの俺をきっと、振り払うように朝が来る。
朝がまた、俺を私にする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?
去年を朝日の裏側に、置いてきて二三日。
夜は回るのが早くなって、雨を目にする時間が増えて、寒さは足早に空を駆ける。
暗く、うるさく、冷たい夜。肌を擦って灯る熱を、この胸に抱き締める。
明日、死んでいてはくれないか。この夜がいつまでも朝を拒んではくれないか。あの雨がとめどなく世界を溺れさせてはくれないか。その寒さが私の鼓動を絞めてはくれないか。
お望みだらけの俺をきっと、振り払うように朝が来る。
朝がまた、俺を私にする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?