【歌舞伎】上州土産百両首(2024年6月歌舞伎座)
2024年6月、歌舞伎座4階の一幕見席から観劇しました。「これから、こういう方向で歌舞伎などを観ていきたいな。」と方向性で考えることがありましたので、記録を残します。
■上州土産百両首
記録を残す演目は、『上州土産百両首』です。昼の部1つ目の演目で、95分と短めでした。幼馴染の男性二人の人情噺です。
(1)あらすじなど
正太郎は頼れる兄貴分、牙次郎はドジな弟分という役柄です。それぞれ、中村獅童さんと尾上菊之助さんが演じられていました。余談ですが、十二月大歌舞伎に上演予定されている『あらしのよるに』と同じキャスティングです。
私は、獅童さんの舞台を観るのは初めてでしたし、何より菊之助さんが、こうしたドジな役を演じられるのに驚きました。X(旧Twitter)でも、牙次郎を演じる菊之助さんについてのつぶやきがあり、納得しました。4階席からだったので、表情などは勿論わからなかったのですが、観ることが出来て良かったです。
冒頭の写真は「包丁」で検索し、Tbkaoさんの画像を使用させて頂きました。兄貴分の正太郎は、途中板前として身を立てます。
(2)川村花菱について
原作は山本周五郎(1903〜1967)あたりなのかな、などと(私は勝手に)思っていたのですが、作・川村花菱(1884〜1954)、演出・齋藤雅文でした。Wikipediaと筋書から少し引用します。オー・ヘンリーの原作は読んでみたいです。
私は、姫が、後半で鬼に変わる『紅葉狩』の演目から歌舞伎に入りました。これはこれで楽しい演目なのですが、今後、どういった点に注目して観劇していったらよいか、悩みどころでした。
今回、川村花菱の『上州土産百両首』に興味を持って観劇し、明治以降の作家や演出家の作品、(比較的)細かい心理描写を扱った作品などに注目してみるのも面白いかもしれないなと思いました。
今回、一幕見席で観ましたが、価格が安い席でもよいので、歌舞伎鑑賞も細く長く続けていきたいと思いました。また、最初は価格が高めでもよく見える席で観て、慣れて来たら後ろの席でもよいのかなと、個人的に思いました。
以下、余談を2つ書きます。
■余談①:『乳姉妹』について
上記の中で、菊池幽芳の『乳姉妹』と記載しながら、子どもの時に見たテレビドラマの『乳姉妹』に通じるのかな、と考えたりしました。少しだけ、Wikipediaなどネット検索で調べたところ、以下のとおり異なるようでした。
菊池幽芳(1870年・明治3年〜1947年・昭和22年)の『乳姉妹』は、1903年(明治36年)に発表された小説で、同作は、1909年(明治42年)から1938年(昭和13年)まで、全13回映画化されたそうです。サイレント映画とありました。
テレビドラマの『乳姉妹』は、1985年・昭和60年に放送され、吉屋信子の小説『あの道この道』をベースとしています。
両作品は別の作品ですが、「乳姉妹」という言葉からも分かるように、腹違いの姉妹の物語で、二人の運命が交錯するという点では、共通点もあるようです。憶測で書くとまずいのでこれ以上は控えます。読書しないとまずいですね。
また、菊池寛(1888年・明治21年〜1948年・昭和23年)も頭に浮かんだりしましたが、また別の機会にします。話が飛びすぎて、すみません。
■余談②:襲名披露について
そして、このように「余談」などという形で最後に記載するのは、さすがにまずいと思うのですが、六月大歌舞伎では、萬屋の襲名披露がありました。歌舞伎美人のニュースから引用します。
こちらの舞台も、同じく一幕見席でいくつか観劇しました。また別の記事で書くことが出来たら投稿しようと思います。
〈おまけ〉
幕に記載がありましたので、記念に撮影しました。お洒落ですね。添付します。
■公演概要(六月大歌舞伎)
◇昼の部
・上州土産百両首
・義経千本桜、所作事 時鳥花有里
・妹背山婦女庭訓、三笠山御殿
◇夜の部
・南総里見八犬伝
・山姥
・新皿屋舗月雨暈、魚屋宗五郎
本日は以上です。