菜花と釜揚げしらすのペペロンチーノ
「パスタも奥が深いよね」
友人が呟いた。
イタリアンシェフのそれとは全く別次元ではあるものの、私たちのような素人家庭料理人でさえも拘り始めるとパスタの奥深さを知る。
形状、長さ、太さ、ブロンズorテフロン製法による仕上がりの違い等々、世界には約500種類以上のパスタが存在すると言われている。
それらさまざまなパスタとソースとの最適な相性や組み合わせもある。パスタに欠かせないにんにくも潰すのか、スライスするのか、細微塵or粗微塵にするのか。ソースによってベストがある。
茹で湯の塩分濃度はパスタを引き上げフライパンに戻してから、どんな具材とどのようにマッチさせるかによって違ってくるし、フライパンでのソースとの絡ませ方によってパスタの茹で時間も調整しなければならない。ソースに適したオリーブオイルも都度替えることが望ましいそうだ。
いやあ、そんなの面倒くさいと思えば、売り場で手に取ったパスタを表記通りの時間で茹で、適当な具材を投入し適当な調味をしても食べられない程の失敗作にはならないし、市販のパスタソースを和えてもいいし、友人は最近の冷凍パスタがなかなかのクオリティだと嬉しそうに言う。
近年、手軽なパスタ関連商品や完成品の種類が多種多様に進化し続け、向学のために売り場で時折足を止めることがある。
奥の深さとはつまるところ人それぞれの拘り具合であり、興味関心や探究心、好奇心、熱量、その時々自分の持てる時間や労力によって変わっていいし、掘り起こす作業をこの辺でいいと思うなら奥は覗かない、もう少し或いはもっともっと掘り下げたい、掘り進めたいと思うならツルハシを置いて掘削機を導入すればいい笑
走りの菜花が手に入ったので、釜揚げしらすと共にペペロンチーノを今日はいつもにも増してアバウトに、そして拘らずにパパッと作った。
釜揚げしらす(を味見して)の塩分を引き算して調味さえすればいい塩梅になる。菜花のほろ苦さに麦焼酎水割りがいい感じに合う。