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カラスの脳は小さいのに、なぜあんなに賢いのか?: 鳥類の小さい脳の中には、実は複雑な神経回路が存在している

カラスなどの一部の鳥類は、脳のサイズは小さいのに、なぜあんなに賢いのでしょうか?
鳥類は、基本的に頭のサイズが小さいため、脳もとても小さいのですが、それにも関わらず、道具を使ったり、抽象的な概念を理解したりすることまでできます。
最近の研究では、鳥類の小さい脳の中には、哺乳類の大脳新皮質に似た複雑な神経回路が存在しており、その特殊な神経回路が、霊長類なみに賢い行動をすることを可能にしていることが明らかになってきています。

鳥類の脳はピーナッツ一粒ほどに小さい:でもとても賢い

鳥類の脳は、ピーナッツ一粒くらいのサイズで、ヒトやサルなどの霊長類に比べると、とても小さいです。

脳の大きさは小さいのに、彼らは、目的を達成するために道具を器用に使用することがあります。

カラスが、箱に封じ込められたエサを、棒などを使って器用に取り出すような動画はよく見ますよね。

また、カラスや一部のオウムは、確率の概念を理解し、未来の行動を決定していることも明らかになってきています。

例えば、餌を得るために、一番確率の高い選択肢はどれなのかを判断し、未来の行動を決定することができます。

あの小さいの頭の中の、ピーナッツ一粒ほどのサイズの脳で、どうしてそのような高度な思考ができるのでしょうか。

鳥類も、ヒトやサルと同じような大脳新皮質という複雑な神経回路を持っている

従来は、鳥類の脳の中の、ほんの限られた一部の領域だけが、高度で複雑な行動を担当していると考えられていました。

しかし、最近の研究では、鳥類も、哺乳類の持つ大脳新皮質という構造に似た脳の構造を持っていることが明らかになりました。

大脳新皮質とは、 合理的で分析的な思考や、言語機能などの高次機能をつかさどる領域で、下等生物では小さく、高等生物は大きい傾向があります。

大脳新皮質の神経回路は、何層にも重なった層構造をとっており、さらにその層同士の神経回路がつながっていることで、3次元に複雑な神経回路を形成しています。

そのために思考や言語機能などの高次機能を担うことが可能になっています。

鳥類の脳の中にも、この大脳新皮質と似た、複雑な神経回路が実は存在しているのです。

また一部の鳥類の脳の中には、10億個もの神経細胞があることもわかってきています。

10億個の神経細胞は、サルとほぼ同じくらいの神経細胞の数になります。

あの小さい頭の中に、10億個もの神経細胞がつまっているのですから、カラスやオウムがあれだけ賢いのも納得ですね。

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紹介した動画

Why bird brains are more brilliant than anyone suspected
https://www.youtube.com/watch?v=H59GcPgXXv4&feature=emb_logo

That's One Smart Bird | Animal All-Stars
https://www.youtube.com/watch?v=7W7hEUGtv4U

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