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【作品情報まとめ】佐藤 究『テスカトリポカ』

第165回直木賞受賞作がついに文庫化!
「心臓破りの鈍器本」とうたわれる『テスカトリポカ』の関連情報をまとめてご紹介します!


■ あらすじ

心臓を鷲掴みにされ、魂ごと持っていかれる究極のクライムノベル!

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。

■ 試し読み

■ テスカトリポカとは

多神教のアステカ王国において信仰されていた強大な神の一人。
ナワトル語で「煙を吐く鏡」を意味し、闇を支配するとされる。毎年5月の乾季、この神をたたえる盛大な儀式がとりおこなわれ、生贄として少年の心臓が捧げられた、と伝えられている。アステカ王国では「夜と風」(ヨワリ・エエカトル)、「われらは彼の奴隷」(ティトラカワン)とも呼ばれていた。

■ 登場人物

バルミロ・カサソラ
メキシコ出身の麻薬密売人(ナルコ)。
特技とする残虐な拷問方法から<粉>(エル・ポルボ)の二つ名を持つ。
敵対組織との麻薬戦争でみずからの組織(カルテル)を滅ぼされ、復讐を誓う。

ひじかたコシモ
メキシコ人の母と川崎の暴力団幹部の間に生まれた少年。
無垢な心を持った暴力の化身。バルミロに見いだされる。

すえながみちつぐ
ある事件がきっかけで日本を追われた元心臓血管外科医。
バルミロと出会い、暗黒の資本主義ビジネスを共に立ち上げる。

すず
NPO法人〈かがやくこども〉の職員。元保育士。

パブロ
バルミロの傘下で働くナイフ職人。
コシモの職人としての非凡な才能を見抜く。

■ 担当編集者の推しポイント

想像を絶する暴力の嵐! 登場人物は悪党ばかり! しかし決して目が離せず、息つく暇もなくページを繰ってしまうのは、アステカの神々の力によるものかも。読後あなたはきっとこう呟きます。「われらは彼の奴隷ティトラカワン」。

■ 受賞・ランクイン歴

受賞

  • 2021年7月14日(水)「第165回直木三十五賞」受賞(主催:公益財団法人日本文学振興会)

  • 2021年5⽉14⽇(金)「第34回山本周五郎賞」受賞(主催:一般財団法人 新潮文芸振興会)

ランクイン

  • 2021年12月3日(金)『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 第2位

  • 2021年11月25日(木)「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇 第2位

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書評・レビュー

■ 書誌情報

書名:テスカトリポカ
著者:佐藤 究
発売日:2024年06月13日
ISBNコード:9784041146187
定価:1,188円(本体1,080円+税)
ページ数:704ページ
判型:文庫判

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■ 著者プロフィール

佐藤 究(さとう・きわむ)
1977年福岡県生まれ。2004年に佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。’16年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。’18年、受賞第一作の『Ank:a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞および第39回吉川英治文学新人賞のダブル受賞を果たす。’21年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木三十五賞受賞。


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