なぜ、いま化学調味料愛好会なのか?
ある晩秋の日の昼下がり。他に客のいない町中華屋の一隅でテーブルを囲んでいた4人のライターは、コロナ対策の換気のため開け放たれた窓から吹き込む風に肌を刺されながら、互いに体を震わせつつコップを傾けておりました。
「お待ちどおさま~」
早い、安い、うまいの町中華ですから、寒風とビールに震える間もわずか、チャーハン、餃子、ワンタンメンなどが力強い湯気を上げながら次々と運ばれ、テーブルを所狭しと埋めていきます。箸と蓮華が交差する食卓を囲んで、しばしの間、各々沈黙したままフウフ