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COREAGE

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『COREAGE-コレアゲ』 ★  モノからはじまる SHORT STORIES  ★ 眠りにつくまでの間に・・、待ち合わせの時間に・・お読みいただけると幸いです。 ★ 毎週土…
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記事一覧

chapter.7 電子マネーとアブラサス

chapter.7 電子マネーとアブラサス

「沖田リーダー、また出張ですか?」

ロッカールームにガラガラと音を立てて入って来るその手には、見慣れたリモワのスーツケース。

学生時代、ラグビー部の主将だったというその体の前では、ビジネスサイズのそれは、なんだか子供用に見える。

「おおよ。
今週はインドネシアの工場の視察な。」

沖田チームリーダーは手際よくスーツケースをロッカーに収めると、陽に焼けた浅黒い顔で振り返った。

出張が多いのは

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chapter.6  エッグスタンドは、朝焼け色に染まって・・

chapter.6 エッグスタンドは、朝焼け色に染まって・・

「卵の調理法ってさ、沢山あるよねー。
オムレツでしょ、ポーチドエッグ、スクランブルエッグにサニーサイドアップ。
そしてこれ。ボイルドエッグ。
それはさ、生命の源である卵に、人が最大の敬意を払っている証拠だと思うんだよね。」

テーブルの上にはイングリッシュフルブレックファストか?と思うくらい、豪華な朝食が並んでいる。

「……。
朝っぱらから受験生叩き起こしてなに語ってんだよ。姉ちゃん」

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chapter.5  ボンボンショコラは誰のため?

chapter.5 ボンボンショコラは誰のため?

高田先輩が近づいてくる。
厳つい顔に似合わない愛想笑いを浮かべながら、足早に…

(あぁ、今年もそろそろバレンタインか。)

私はデスクの上のカレンダーを見ながら、心の中で呟く。

「悪い。今年も頼む」

先輩はそう言って白い封筒をキーボードの脇から滑り込ませると、何事もなかったように去っていった。

(どれどれ今年はどんなチョコでしょう?)

白い封筒の中には、「サダハルアオキ ボンボンショコラ

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chapter.4  猫が喜ぶ、猫の舌

chapter.4 猫が喜ぶ、猫の舌

動物病院の待合室は好きじゃない。
ここにいる動物たちは皆んな怯えてて、落ち着きがない。
ずっと鳴いてる子もいる。

ここは完全予約制だから、それ程長く居るわけじゃないけど、僕はいつも来た途端に帰りたくなる。

まぁ、今日は予防接種の日だから、僕を含めた飼い主たちは、いつもよりは落ち着いていられるんだけど…。




待合室の中に居るのは、僕を含めて3人と3匹。
この病院は猫と犬の予防接種の時間

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chapter.3  新人くんと『デルフォニックス』

chapter.3 新人くんと『デルフォニックス』

「あ、佐伯さん、派遣の契約更新しないって本当?」
廊下ですれ違いざま、部長が心配そうな声で聞いてきた。

「ええまぁ、はい。
ちょっと家の方がゴタゴタしてまして、暫く仕事はお休みしようかと…」

「困るなぁ。困るよ佐伯さん。
君がいないとうちの部署、仕事回らないよー。」

「いやいや、誰にでも出来る仕事じゃないですか。」

「誰にでも出来ないでしょ、うちの仕事は…。

商品は雑多。
お客さんとの契

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chapter.2 『ダブルウォール』の その先は?

chapter.2 『ダブルウォール』の その先は?

「あかりちゃん、靴下、ここ置いとくよ。」

少年は少女の脱ぎ散らかした靴下をキチンと畳んで部屋の隅に置く。

「うん。分かった」

少女はコントローラーを握りしめたまま、振り返らない。

「あかりちゃん、ランドセルはここに掛けとくね。」

「分かった」

少女はまだ振り返らない。

「あかり、おやつ持ってきたわよー。」

「あぁもう、分かったってば うるさいなぁ!」

そう言って振り返った瞬間、少

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chapter.1  ライカとメビウスの輪

chapter.1 ライカとメビウスの輪

「人を探してるの。」

女友達は言った。

「もう5年も探しているんだけど、なかなか見つからなくて…」

聞けば、捜索している相手はネットの中に居るという。

「そりゃ難しいでしょうよ。」

膨大なデータと検索ワードが溢れるインターネットの世界。
その中でお目当てをサーチするのは一見たやすい事の様に思える。

ただ、ヒトに関しては別だ。

ヒトはモノと違って成長もすれば変化もする。
まして、ネット

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