えっ、皆既日食?わたしじゃないの
これはおとつい、夜が更け、リビングで窓外をぼんやり眺めていたときに浮かんできた詩だ。
4月8日、この町に皆既日食がやってくる。やってくるっていう表現は正確には正しくないのだが。だって、皆既日食はたまたま、太陽と月と地球が一直線に並ぶだけのこと。どこからもやってはこない。
でも、気分としてはやはり、「やってくる」が正しい感じがする。クリスマスのサンタクロースとか、コンサートや音楽フェスみたいな、ちょっと胸が高鳴るイベントと似ている感じといえばわかってもらえるだろうか。
最初は、なんだか町が大変なことになるみたいだって話から始まった。
今回のものは、皆既日食の中でも完全性が高いらしく、アメリカ人はみんな大興奮している。楽しみにしているのだ。
なかでも、この町は完全な皆既日食が観察できるエリアの一つと言われている。なので、ほうぼうから人が押し寄せてくるらしく、予想では15~50万人の見物人がやってくる、と言われている。ずいぶん適当な予想だけど。
大きくない町なので、そんなに人が来たら、大混乱になるに決まってる、とみんな恐れている。町はそれなりの準備をしているらしいが、実際、どんな事態になるのかは誰にも予想できていない。
それでも、まあ、どうにかなるだろう、と、思っているふしがある。なるようになるさ、といったところか。アメリカ人っぽい。
いったいどうなるのか、私も自分の目で見てみたい気もする。
ところで、この詩は、皆既日食が見たいから帰るよ、と、さらっと言った私の息子、オレオの言葉が発想の元になっている。彼は大学生のとき、皆既日食(完全ではなかったが)を見た。その時、誓ったそうだ。これからは皆既日食は必ず、見るのだと。
母親のわたしに会いたい、とは一言も言わないけどね。まあ、いいんだけど。FaceTimeでしょっちゅう話してるから、ずっと会ってないとは思ってないんじゃないの、って夫は言うけど。
今、彼は東京に住んでいるが、どうやら4月に休暇を取って、帰ってきそうな気配である。まだ、確定はしていないけどね。
P.S. 「皆既」って馴染みのない言葉だが、「既」には「食べ尽くす」という意味があるので、「皆既」だど、全部食べ尽くす、って意味になる。ちょっと怖いですね。
それから、2017年の皆既日食のとき、直接見ないようにって散々言われていたのに、トランプ大統領が直接見ていたっていうのが大きな話題になりました。なんとも、とほほ。
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