日本の文化と伝統を育み共に未来を築く—新しい日本の理念とビジョン
新たな絆が織りなす共生の時代~日本をもっと広くもっと深く【2,932字】
はじめに
日本の外国人在留政策は、現在、労働力不足を補うための移民受け入れ策が中心ですが、カナダやドイツ、スウェーデンといった移民政策を国の長期的なビジョンに基づいて明示している国々と比べると、具体的な数値目標や社会統合の長期ビジョンはまだ曖昧な点が多いのが現状だと思います。
1.日本の移民政策の現状と理念
日本の外国人材受け入れ政策には、「少子高齢化による労働力不足を補う」「経済成長を支える人材を確保する」「地域社会の活性化」という目的が含まれています。
しかし、明確な長期的ビジョンとして「どのような共生社会を目指すのか」という具体的な目標や数値的な指針は示されておらず、毎年の移民受け入れ数も特定の業種に限定されているのが特徴だと思います。
例えば、2019年に施行された「特定技能制度」では、5年間で最大34万人を上限に14業種での外国人労働者受け入れを計画していますが、この数値は短期的な目標に過ぎず、長期的な移民受け入れ数の継続や増加についての数値目標は示されていません。
2.日本の移民政策における長期ビジョンと数値目標
①特定技能制度
5年間で34万人の外国人労働者を受け入れる目標が設定されています。しかし、この数値は一時的な人手不足解消策であり、長期的に受け入れを継続するのか、さらに拡大するのかについての明確な方針は示されていません。
②高度人材の受け入れ
日本は高度なスキルを持つ外国人材の受け入れを拡充していますが、国としての年間何万人を目指すかといった具体的な長期目標はありません。現在は高度人材ポイント制度を通じたビザ発給が進められていますが、長期的な目標として「何人の高度人材が日本社会に定住するのか」という指針は明示されていません。
③地域社会の活性化
地方自治体による外国人受け入れプログラムの拡充が進んでいるものの、各地域ごとの定住者増加目標を打ち出している自治体は稀で、ばらつきがあり、全国的な数値目標やビジョンとしての統一はなされていないです。
地方創生としての外国人定住促進策の一環として「数万人の定住目標」を設定するなど、全国規模の長期計画が求められています。
④教育政策における「しつけ」「作法」のビジョンと外国人との共生
また、日本の教育政策における「しつけ」や「作法」の教育には、道徳教育を通じた礼儀や公共心、規律といった価値観の共有が重視されています。
現在、外国人児童生徒も増加する中、彼らが日本のしつけや作法に順応しつつ、自国の文化も尊重される教育環境が求められています。
特に、日本語教育や学習サポートを充実させる一方で、多文化理解を基盤にした共生教育のビジョンを打ち出し、「どのようにして共に生きる日本の社会を育成していくか」という方向性を教育の分野でも明確にする必要があると思います。
3.今後の日本の長期ビジョンと具体的な数値目標の必要性
現状、日本には他国のように「2050年までに総人口の○%を移民が担う」といった具体的なビジョンや数値目標がなく、全体的な移民政策の長期的な方向性が不明確な部分が多いといえます。今後、少子高齢化や人口減少が加速する中で、日本は次のような数値目標や指針を示す必要があると思います。
①人口維持または増加目標
例えば「2050年までに総人口1億人を維持するため、毎年20~30万人の移民を受け入れる」など、人口維持のための明確な受け入れ数を設定する。
②地域別の定住促進目標
地方への定住を目指す外国人の人数目標を設定し、人口が減少する地域での定住者数を明確化する。
③社会統合政策と教育支援
外国人児童の教育支援に関する数値目標を掲げ、「しつけ」や「作法」の教育において共生社会に向けた道徳教育や多文化教育のビジョンを明確化する。
④介護福祉分野
日本の高齢化率は2040年に約35%に達すると見込まれ、介護人材の不足が深刻化しています。外国人労働者を含めた介護人材の確保と、介護業界の質向上に向けた具体的な目標が必要です。
介護職員の数値目標については、厚生労働省は2040年までに介護職員を200万人以上確保する目標を掲げていますが、少子化による人材不足を補うためには毎年5万人の外国人労働者の受け入れを目標とする必要があると考えられると思います。
介護施設と在宅介護の支援充実については、2040年までに全国で少なくとも10万件以上の介護施設の増設が必要になると予測されます。また在宅介護支援も拡充することで、家庭介護の負担軽減を図る必要があると思います。
教育と統合支援の強化については、外国人介護職員の定着率を80%以上にするために、日本語教育や文化的適応サポートに年間500億円以上を充て、現場の雇用条件を厚くして安定化を促進することが求められます。
しかし、ここには医療業界の強い反対押し切って突破していかないと厳しい現実があると思います。
⑤医療分野
みなさまがご承知のように、医療分野も高齢化に伴い需要が高まっており、外国人医療従事者の確保が課題となっています。特に地方部では、医師や看護師の不足が顕著です。
医療人材の確保という課題には、2025年までに、看護師を年間2万人以上、医療技術者を年間1万人以上受け入れる目標が必要とされています。
特定技能や高度専門職ビザの枠拡大を通じて、海外からの人材を医療業界に参入させる方針が求められます。
地域医療体制の整備の課題については、地方の医療機関においては外国人看護師や介護福祉士の受け入れ率を30%まで引き上げ、地域格差を是正するための長期ビジョンが重要だと思います。
研修・支援プログラムの拡充を考えるとき、外国人医療従事者のスキル向上と定着を支援するため、年間300億円規模の予算で多言語対応の研修プログラムを整備することが必要になると思います。
⑥子育て支援と子ども政策
少子化対策として、外国人労働者の定住支援や子育て環境の充実が不可欠です。外国人を含め、子どもを安心して育てられる社会基盤の強化が求められています。
保育施設の充実については、2025年までに保育所定員を30万人増やし、保育士の数も毎年1万人を確保することが必要です。外国人保育士も積極的に受け入れ、子ども一人あたりのケア水準の向上を目指します。
子育て支援予算の増加については、年間5兆円規模の子育て支援予算を拡充し、外国人家庭も含む子育て世帯への手当や教育費の無償化を進めることで、子育てしやすい環境づくりを目指す。
外国人家庭へのサポートが一層望まれます。外国人家庭が地域社会に溶け込みやすくするため、母国語での子育て支援情報提供や相談サービスを全国に展開し、安心して子育てできる環境整備が必要です。
まとめ
こうした長期ビジョンを策定することで、日本が「共に生きる社会」を築き、国全体で外国人材を活用しつつ、社会全体の持続可能性を高めるための具体的な道筋が描かれる土台を作っていきたいです。
また、日本が「共に生きる社会」を築くためには、介護福祉、医療、子育て、少子化対策において、具体的な数値目標を掲げ、外国人材の受け入れや支援を包括的に行う必要があります。
特に、定住者の増加、地域格差の是正、家族帯同の支援を進め、持続可能な社会基盤を整えることで、人口減少に歯止めをかけ、日本全体の社会活力を向上させる道筋を描くことが期待されます。
秋も深まりました。今月もとてもお世話になりました。みなさま11月もどうぞよろしくお願いいたします。
『良い人良い思い出を心に残そう』🙋🏼
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