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『みんなの日本語』【第18課】は注目すべき重要な転換点①

今日は、昨日の記事が長くなるため省略した、『みんなの日本語第18課』の学習内容を、もう一度、ご存知の皆様とご存知ないみなさまにも分かりやすい形で、全体の構成と第18課の意義について短く解説いたします。【1,177字】


 みんなの日本語は、初級から中級へと学習者を導くために、全50課にわたって基本的な文法や語彙、会話表現を体系的に学べるよう設計されています。


 初期の課においては、シンプルな肯定文や疑問文、助詞の使い方など、基礎となる表現を中心に学習され、日常会話の土台を作ることが重視されております。

 しかしながら、たとえ全課を修了されたとしても、最初に学習した基礎的な表現は、実際の日常会話で、しつこいくらいの毎日の何度も何度もの繰り返して、十分に使われる機会が少ない場合、記憶として薄れてしまう可能性が高いのです。

この点において、『第18課』は重要な転換点となっていると思います。

『第18課』では、これまでに習得された基本的な語彙や文法の知識を前提に、実際の生活シーンでより実践的に用いられる表現が導入されます。

 具体的には、動詞のて形に「もいいです」を付けることで、許可を求める表現や、逆に相手に許可を与える表現が学習されます。


 ご存じのとおり、たとえば、ペンを借りる際に、

「このペンを使ってもいいですか?

と尋ねるといった表現は、単なる文法のルールを超えて、実際のコミュニケーションで相手に丁寧にお願いするための具体的な手段となります。


 また、同じ文法パターンを応用し、「〜てはいけません」という禁止の表現も取り上げられております。

 美術館や博物館など、ある行動をしてはならない場面で掲示されるルールを例に、学習者は許可と禁止という対比的な表現の違いを体感しながら、実際のシチュエーションで使い分ける能力を養うことができます。


 さらに、『第18課』ではこれらの文法事項を用いた会話例やロールプレイが多く取り入れられており、

例えば、部屋の中で窓を開けたいときに

「窓を開けてもいいですか?

と尋ね、相手から「いいですよ」と返答を得るといった具体的なシーンがシミュレーションされます。

 このような会話例、アナログで講師が、楽しさを交えた実践的な練習を通じ、学習者は自らの表現を確認し、実際のコミュニケーションに応用する力を身につけることが期待されているのです。

 日本語の初学者や、実習生にとって、重要な転換点が『第18課』になります。

 特に、私たち日本語教育にたずさわるメンバーは、この基本中の基本となる『第18課』の深い存在理由を強く感じることで、楽しく教える転機ともなるのです。

 このような教育方針の背景には、初期の反復学習で構築された基礎知識を前提としつつも、実際の会話や現場で即戦力となる表現を習得することで、記憶の定着と応用力の向上を図りたいという構成、制作者の強い意図があると私は感じています。

 『第18課』で学ぶ内容は、すでに習得された基本表現に対して、より具体的かつ実践的な使い方を付加するものであり、学習者が実際の生活や職場で自信を持って日本語を運用できるようになるための合理的な指導法として位置付けられていると思います。


 以上のように、『第18課』は、基礎知識を実践的なコミュニケーションスキルへと発展させるための重要なステップであり、これまでの学習内容を再確認する機会としても意義深いものであります。


 実際のシーンで「〜てもいいです」や「〜てはいけません」といった表現を使いこなすことにより、学習者は単なる文法の暗記から脱却し、より実用的な日本語運用能力を身につけることができるのです。

最後までお読みいただき本当にありがとうございます。



『良い人良い思い出を心に残そう』🙋🏼
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