経営改善の専門家が今まで受けてきた500社以上の経営相談を基に、多くの会社で起こり得る問題とその対応策について、具体的なエピソードを交えて解り易くお伝えします。 ■ご相談内容 「部門間の情報共有が機能していない」「店舗スタッフの顧客対応力」が当社の強みだと思っています。 人手不足の中、店長の高い接客スキルや商品コーディネート力で、店舗部門の売上は伸び続けています。 しかし、ファッション業界はいかに売れる商品を先行して仕入れ、タイムリーに提供できるかが肝です。 そのために卸部
経営改善の専門家が今まで受けてきた500社以上の経営相談を基に、多くの会社で起こり得る問題とその対応策について、具体的なエピソードを交えて解り易くお伝えします。 ■ご相談内容 「半人前の長男に事業承継」当社はサービス事業で創業し、現在では複数のグループ企業を有して多角経営を行っています。 創業社長である私が65歳を迎えたことや健康不安も出てきたことから、そろそろ長男(現専務)に2代目を譲ろうかと考えています。 しかしながら長男は今まで主に現場指揮を行ってきた為、経営の全貌
経営ビジョンに基づき経営を実践することを「ビジョン経営」と言います。 経営者が自身の会社が目指す将来像やゴールを掲げることで、経営者も従業員も企業が経営上目指すものがはっきりと分かるため、同じ方向を向いて仕事をすることができます。 ビジョン経営の実践は、①経営理念の確認、②経営ビジョンの設定。③経営戦略の設計、④評価指標(経営数値)の設定、⑤アクションプランの策定、の5つのステップで構成されます。私はコンサルティングの場面で、このステップを整理し、場合によってはフォーマッ
戦略的経営は全ての組織にとって重要なものですが、中小企業の持続的な生存・成長のためには特に欠かせないものであると言えます。戦略的経営を核に、リスクとチャンスを見極め、リスクを最小化しつつチャンスを創出し最大化していくことが求められます。中小企業にとっては、リスクとチャンスを見極めることこそが、生存のための基本だといっても過言ではありません。以下の観点でその理由を解説します。 ■限られたリソースの活用中小企業は、大手企業と比べると資本やリソース(人材含む)が限られています。そ
戦略とはもともとは「戦(いくさ)」に勝利する術として、闘争における技術のことを戦略と言っていました。その後次第に軍事的な意味合いだけにとどまらず、闘争が伴うあらゆる場面において目的を達成する際の方策や策略のことを戦略と言うようになりました。 経営戦略とは経営における戦略であり、経営で勝利するための術を示したものになります。経営戦略の構成要素は、①ドメイン(事業領域)、②資源展開、③競争優位性、④シナジー(相乗効果)となります。 ■ドメイン(事業領域)企業が経済活動を展開する
中小企業の経営戦略において、リスクとチャンスは欠かせない要素です。急変する市場において事業を継続するには、リスクを冷静に評価し、チャンスを見極める力が重要です。 不確実性が高まる昨今、中小企業ならではの強みを活かし、変化する市場環境にどのように適応し、チャンスを見極めるかという点に焦点を当てながら柔軟性とイノベーションについて考えます。 ■市場変化に適応するために必要な能力とは市場は常に変化しており、企業の規模に関わらず、その変化に適応する能力が求められます。 特に、現代の
原材料費やエネルギー費、労務費等が上昇する中、あらゆるものの値上げが続いています。納入先企業に対して値上げ交渉が進まず、利益が確保できない企業が多くいらっしゃいます。今回は、値上げ交渉の良い方法について考えてみましょう。 ■価格交渉の状況中小企業庁が発表している資料から、中小企業の2023年9月調査結果の価格交渉の状況をみてみました。 ここでも問題点として、「交渉資料を準備できない」、「価格改定の時期が数年に1度」等の理由で、機動的な価格交渉が出来ていないことが挙げられて
中小企業の経営戦略において、リスクとチャンスは欠かせない要素です。 急変する市場において事業を継続するには、リスクを冷静に評価し、チャンスを見極める力が重要です。最新の事例と具体的な手法を交えつつ、中小企業の戦略的経営について考えます。 企業はリスクを適切に管理し、事業に与える影響を最小限に抑えるべく戦略を練り一定の基準を周知させなければなりません。 過度なリスクテイクは企業に重大な損失を与える可能性を内在しており、事業の方向性を誤ると、それはリスクテイクと言うよりは「ギャ
今回は人間の魅力について考えたいと思います。 この人に言われたらなぜか、真剣にやって見ようという気になる人、この人と協働している間になぜか仕事が上手く進んでしまう人。 あなたの周りにもそのような社長さんいらっしゃいますね。 中小企業の社長に期待される資質「人を引き付ける魅力」について考えます。 中小企業の社長に期待される資質は多岐にわたりますが、特に「人を引き付ける魅力」はリーダーシップの中心的な要素です。以下に、社長に期待されるいくつかの資質を述べます。 ■ビジョンと情
経営環境の変化に伴うリスクは、企業が直面する重要な課題の一つです。このリスクは、外部環境の変化によって引き起こされるもので、企業の戦略や経営に大きな影響を与える可能性があります。 2024年の経営環境が起こすリスクについて考えてみます。 ■2024年の環境変化を振り返るまずは、この1年間でどのような環境変化があったのかを振り返ってみましょう。 (1) 国際紛争の激化 (2) インフレの急進 (3) 深刻な人材不足 (4) ChatGPTなど生成AIの拡大 上記のように、外部
昨今、賃金引上げが日本経済において重要なトピックとして注目を集めています。 特に政府からは、企業に対する賃金引上げ要請が強化され、経済成長と消費拡大を促すための一環として位置づけられています。 一方で、賃金引上げは中小企業にとって、単なるコスト増加にとどまらず、リスクとチャンスの両面を持つ重要な経営課題です。 ここでは、賃金引上げが中小企業にもたらすリスクとチャンスについて解説します。 ■賃上げの背景賃金引上げの背景には、経済的・社会的要因が複合的に絡んでいます。 まず、日
コロナからの環境変化や原材料高騰、賃上げ等、中小企業を取り巻く環境は常に変化しており、リソースが十分でない中小企業にとっては、これら変化に対応できていない現状だと考えられます。 そのような中、金融機関からの借入金が過大となり、それらの返済負担が大きく、財務に問題を抱えている企業が多く存在します。そのようなときに、経営改善計画等を策定する手助けとなるのが「経営改善計画策定支援事業」です。 ■経営改善計画策定支援事業のあらまし厳しい経営環境に置かれた中小企業事業者に対して、認定
企業を取り巻く脅威である風水害、地震、感染症等の災害が発生した場合に備え、従業員の安全を確保し、自社にとっての重要事業を継続することが不可欠となります。 災害による被害を最小限に抑え、早期の事業復旧を図るために、あらかじめ社内体制や行動を決めておく計画が必要です。これをBCP(事業継続計画)といいます。 2024 年4月には介護事業所におけるBCP(事業継続計画)対策の義務化がスタートします。すべての介護事業所が対象となるため、まだBCP(事業継続計画)を策定していない介護事
中小企業の経営戦略において、リスクとチャンスは欠かせない要素です。急変する市場において事業を継続するには、リスクを冷静に評価し、チャンスを見極める力が重要です。最新の事例と具体的な手法を交えつつ中小企業の戦略的経営について考えます。 ■中小企業の賃上げに向けて先日の首相会見でもありましたが、デフレからの脱却のチャンスを活かし、新たな経済ステージへ移行する鍵は「中小企業の賃上げと稼ぐ力の強化(生産性向上)」です。そのためには①適切な価格転嫁、②賃上げ支援、③人手不足対応の強化
貴社は10年後の自社の姿を描けていますか。そのために今何をするべきか社内で認識を一致させて実行していますか。 いきなりの質問ですが、今回は、大きく環境が変化するなかで中小企業の戦略策定に有効なバックキャスティング手法の重要性について解説します。 ■経営環境の変化経営戦略の策定において、未来を見据えた戦略がますます重要視されています。特に、生成AIの登場をはじめとした急速な技術革新や市場の変化は、企業の将来像を予測することを困難にしています。 中小企業は大企業に比べて、資金
企業経営において、環境の変化は避けられないものであり、その変化に適応することが成功の鍵となります。特に、経営環境の変化に伴うリスクにどのように対応するかは、企業の存続と成長に直結します。本コラムでは、経営環境の変化に伴うリスクとチャンスを探り、特に金融機関との関係をどのように構築し、維持するかについて考察します。 ■銀行との付き合い方の基本中小企業の経営者が銀行と上手に付き合うためには、銀行員の思考回路や重視するポイントを理解することが重要です。銀行員は日々多くの事業者と接