【現代思想】現実は、いつも単純化できる訳ではない、単純化で台無しにすることもある
本を読みながら、
叫びたくなるほど賛同するなんて
4年に1回もない珍しい体験を
最近、私はすることができました。
紹介させてください。
「現代思想を学ぶと、
複雑なことを単純化しないで
考えられるようになります。
単純化できない現実の難しさを、
以前より『高い解像度』で
捉えられるようになる…。」
うわ、ホンマ、そうわやあ。
文字や言葉を使うのが上手い、
いわゆる頭がいい人がいるでしょ。
悪い意味で!(笑)頭がいい人たち。
すぐ簡単な比喩にして、
自分上手いこと言ってるなと
ドヤ顔になってますね(笑)。
そうして、単純化したことで、
大事なことを失ったことには
気づかない人たちもいる。
だけど私は、こんなにも
スキっとした言葉にできなかった。
いつも、ホゾを噛むばかり。
ああ、こんな風にガツンと
言ってやりたかったあ!
解像度。大事ですね〜。
この本はこう続けます。
「世の中には、単純化したら
台無しになってしまう
リアリティがあり、
それを尊重する必要がある
という価値観あるいは倫理を、
提示しておきたい…。」
そうなんです。
もう涙が出そうです。
本当に。
さらに本文は続きます。
「大きく言って、現代では
『きちんとする』方向へ
色んな改革が進んでいます。
これは僕の意見ですが、
それによって生活がより窮屈に
なっていると感じます。
きちんとする、
ちゃんとしなければならない。
すなわち、秩序化です。
秩序から外れるもの、
だらしないもの、逸脱を
取り締まって、ルール通りに
キレイに社会が動くようにしたい。」
ああ、なんて巧みに言語化する
チカラがある人なんだろう!
上記の文は、
哲学者・千葉雅也さん。
タイトルは『現代思想入門』
(講談社新書、990円)
今、毎日生きてる中で
至るところで、
きちんと化、つまり
秩序化、クリーン化に、
私たちは追い詰められてるなあ。
こうした状況下では、
優等生になるタイプが、
シンプルなルールや規則を作り、
それが世界の掟になる。
文字や言葉を要領よく使い、
一見、うまく生きている
と感じてしまう。
そんな人、確かに
最近よく目にする…(笑)。
それにしても、
千葉雅也さんの
言語化するチカラは凄いなあ。
哲学者だから、これくらい
朝飯前なのだろうか。
私がここ数年、ずっと
モヤモヤしていた現象を
このくだりは、ズバッと
言葉にしている。
もう脱帽ですね。