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【文学】政治的な風刺小説はこれからだ

読書では、あまり得意ではない
分野があります。
政治小説。社会小説。
あるいは、社会風刺小説。
そう呼ばれる小説たち。

日本には、
良き政治小説家がいないのか、
良き政治小説読者がいないのか、
政治小説の名作はあまり
作られにくい風土らしい。

開高健の話では、 
日本で政治小説と呼べる名作は、
山本周五郎の
『樅の木は残った』が
珍しく成功した小説らしい。

強いて言えば、柴田翔の
『されどわれらが日々--』も、
社会小説と定義してもいいかな。

それが海外に目を転じると、
いっぺんして豊富になる。

ジョージ・オーウェル
『1984』や『動物農場』がある。
今だけでなく、今後にも
深い示唆がある名作だろう。 

他にも、ゴールディングの
『蝿の王』がある。
あれは、政治小説というか、
社会的な風刺小説だ。

もしかして、
今年最大の文学事件でもあった
ガルシア・マルケスの
『百年の孤独』も
ひとつの独立した村落の
栄枯盛衰を描いてましたね?
『百年の孤独』もまた、
大きな意味では、社会小説か。

社会小説として、
忘れていけない古典は
スイフト『ガリバー旅行記』もある。

あ、フェミニズム的なSF小説では
マーガレット・アトウッドの
『侍女の物語』もありましたね。

最近は、
島田雅彦『パンとサーカス』も
政治冒険小説とされていますが、
うーむ、ちょっと
こなれ無さ過ぎというか、
意欲は買いたいのだけれど。

まだまだ、日本には、
政治小説や社会小説が
定着していく過程でいえば、
緒に就いたばかりか。

いや、もしかしたら、
日本では、今後も政治小説は
成熟してはいかないかもしれない。

それにしても、
なぜ、政治小説、社会小説って
難しいのでしょうか?
いつか私が挑戦して行こうかな(笑)。

村上春樹の『1Q84』も、
もしかしたら、社会小説と
呼べるでしょうか?
呼べないかもしれない。

ただ、村上春樹『1Q84』の
おかげで、ジョージ・オーウェルの
『1984』が知名度があがり、
よく読まれるようになった。
その功績はあまりに大きい。

追伸
すっかり忘れてました。
村上龍に、政治小説がありました。
『愛と幻想のファシズム』。
名作でした。
村上龍は昔から、
やはり様々な取り組みを 
してきた人なんだなあ。

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