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【作家の本棚】米原万里をうちのめすような凄い本とは?

米原万里さん。
ロシア語通訳から作家になり、
知力と胆力と豪気さで
ファンが多かった。
平成を代表するエッセイストといえば
やはり米原さんでしょうか。

旺盛な知性と理性と執念には
どの本を読んでも、
凄いなあと嘆息してました。

そんな米原さんはどんな本を
読んでいたでしょうか?
そこでピッタリの本があります。
『うちのめされるようなすごい本』
文春文庫。初版は2006年。
惜しくもその年に米原さんは、
病で亡くなってしまう。
もっともっとその才能を
魅せてほしかったですね。

『うちのめされるようなすごい本』は
意図したかどうかわかりませんが、
あくまで読書日記という体裁の
エッセイ集で、米原さんが
うちのめされた本を紹介した訳ですが、
読んでるこちらとしては
闘病の真っ最中に
こんなに本を読み、愛し、
時に皮肉を語り、また愛したことが
伝わり、米原さんの読書欲に
うちのめされてしまいます(笑)。

さあ、彼女はどんな本に
うちのめされていたのか?
ご紹介させて頂きます。

ただし、量が膨大なので、
ロシア関連は外すことに致します。

沼野充義編『東欧怪談集』
オリバー・サックス
『手話の世界へ』
星野博美『謝々!チャイニーズ』
デュマ『三銃士』
今川勲『犬の現代史』
丸谷才一『恋と女の日本文学史』
藤原正彦『心は孤独な数学』
新美敬子『旅猫三昧』
西江雅之
『ヒトかサルかと問われても』
姫野カオルコ『整形美女』
辺見庸『不安の世紀から』
井上ひさし『東京セブンローズ』
斎藤美奈子『読者は踊る』
小谷野敦『軟弱者の言い分』
東海林さだお『ダンゴの丸かじり』
小沢昭一『散りぎわの花』
アンネ『アンネの日記』完全版
スタンレー・コレン
『犬語の話し方』
司馬遼太郎『ロシアについて』
堀武昭
『愛と差別と嫉妬で覚える英語』
桐野夏生『グロテスク』
植島啓司『頭が良いって何だろう』
岸本葉子『がんから始まる』
南伸坊『本の人々』
上野千鶴子&鶴見俊輔
『戦争が遺したもの』
恩田陸『ドミノ』
奥田英朗『最悪』
大塚ひかり
『源氏の男はみんなサイテー』
河合香織『セックス・ボランティア』
横田増生
『アマゾン・ドット・コムの光と影』
ジャック・ロンドン『白い牙』
藤田紘一郎
『寄生虫博士のおさらい生物学』
有田芳生『私の家は山の向こう』
大石静『4つの嘘』
田丸公美子
『シモネッタのデカメロン』

これもほんの一端です。
米原万里はいわゆる時代の
流行りの文学やエッセイには
全く頓着も忖度もしないで、
自分の知的好奇心のみを頼りに
本や現実や自分や世の中を
シャベルのように掘削していました。
そんな彼女の読書ラインナップに
猫や犬がよく出てくるのが
米原さんの人間くささですね。

私は一度だけ、出版社の廊下で
米原さんと通り過ぎたことがあります。
心では、あ!米原さんだ!と
ワーワーなっていました。

米原さんは特にそんな大柄な
訳ではないはずなのに、
その歩き姿はゆっくりと、
かつ、威風堂々としていて、
とても大きくみえました。

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