【遠藤周作】クリスマス前に読みたい本、ベスト3
来月の今頃には、
街はクリスマス真っ盛りでしょう。
私はただの仏教徒で、
クリスチャンではないのですが、
なぜか昔から、
イエス・キリストには
興味がありました。
小学生時代も、
図書館に行ったら、
イエスの伝記を借りては、
よし、僕もイエスみたいに
世界や隣人を大事にしようと
ひそかに誓ったり、
超単純なバカですが(笑)、
映画でも、イエスを描く作品は
ついつい観たくなる。
とはいえ、信仰しようとは
思ったことは一度もないんです。
単純に、イエスを
社会改良家だと信じています。
芥川龍之介は『西方の人』で
イエスやキリスト教そのものを
「芸術」として愛していると
記しています。
また、遠藤周作にも、
3冊のキリスト教解説書があって、
長く読まれていますね。
冬が迫る11月末になると、
私の中では、
『クリスマスキャロル』でもなく
『ホームアローン』でもなく、
遠藤周作のキリスト教解説本を
読みたくなります。
『イエスの生涯』新潮文庫
『キリストの誕生』新潮文庫
『私のイエス』祥伝社文庫。
この3冊は、
特に、イエスを
か弱い生身の人間として書いた
『イエスの生涯』は
とても面白くて、
イエスや聖書を見る目が
180度変わりました。
聖書で記述される奇蹟のような
出来事も、歴史学的に分析し、
実際にどんなことが起こったか?
遠藤さんは、
聖書歴史学の研究家や
自分自身の推理で、
謎を次々に解決していきます。
聖書の奇蹟は基本、全て、
実際に起きた至って現実的な
現実ばかり、だったと
遠藤周作は解き明かしてくれます。
この『イエスの生涯』は
発売後、キリスト教関係者から
かなりバッシングがあったらしい。
頭の硬い人というのは、
どんな世界にもいるのかな?
今なら、炎上?だったかな。
それにしても、
スタバの店内が
クリスマス仕様になってきたら、
遠藤周作『イエスの生涯』
『キリストの誕生』
『私のイエス』を読みたくなります。
ちなみに、『イエスの生涯』の
冒頭を少しご紹介します。
吸い込まれるような文章です。
「彼の容貌を私たちは見たこともない。彼の声を私たちは聞いたこともない。今から語るイエスはどんな顔をされていたのかも私たちは知らぬ。」
イエスも生身の人間だったと、
遠藤周作は一貫してそう信じ、
書いていったのがすごい勇気が
いったにはちがいないですね。