【読書?】読みたいけど、読みたくない本!?
読みたいけど、読みたくない本?
読みたい。
でも、読みたくない。
そんな本ってありませんか。
たとえば、
はなはだ情けないですが、
別れたばかりの彼女が
愛読していた本って、
傷心の回復度にもよりますが、
私はなかなか読みたくない。
別れた恋人を思い出してしまうから。
皆さんはそんなことないですか?
それから、
西村賢太の私小説。
車谷長吉の私小説。
それから、
種田山頭火の句集。
尾崎放哉の句集。
これらはどれも、
見習ってはならない(笑)人間が
実に魅力的に書いてある。
こんな生き方でも
いいなら、もうこれからは
怠惰に生きてしまおうか?
そんな悪魔のささやきが
作品から聞こえてしまうから、
なるだけ読む機会は
ふだんは減らしてますが、
ちょっと読み始めると、
ぐいぐい中に引きこまれますね。
仮に、車谷長吉を
朝出かける前に読んだら、
きっと会社に行く気持ちが
萎えてしまいそうで怖い。
それくらい、
車谷長吉や西村賢太の私小説は
魅力的なんですよね。
なんだかアレみたいですね。
落語の「まんじゅう怖い」みたい(汗)
さて、本題。
この記事で書きたい一番の本は
色川武大『狂人日記』です。
色川武大は、
ナルコレプシーという
睡眠に異常をきたす精神疾患を
抱えていました。
そんな彼が、
知りあいの知人の日記を元に
幻覚や幻聴に悩まされる
精神疾患の患者の闘病生活を
まるで私小説かのように
書きました。
それが『狂人日記』です。
色川武大の作品は
あらかた読み、惹かれ、
好きになりましたが、
『狂人日記』だけは
どうも怖くて読めません。
でも、色川武大の中では
『狂人日記』が最高傑作だ
という声が高い。
というか、
絶対に最高傑作でしょう。
色川武大好きなら、
読まないでいるのは、
大きなあやまちでしょう。
でも、やっぱり読むのは怖い。
なぜ怖いんだろう?
私も発達障害という精神疾患を
抱えているからでしょうか。
でも、こんなおかしな話もない。
どんなに好きな作家の
最高傑作であれ、
作品に引っ張られてしまうのは、
精神的に独立心を
持っていないからではないか?
まだ、メンタル上、
未成熟なんじゃないか?
それはどうなんでしょうね?
それから、
これは個人的な好みの話に
すぎないのですが、
昔から、
夢野久作は前から気になってるのに、
なかなか読めないでいます。
なんだか文体に品がないというか。
まあ、他人に品なんて
言えたくちじゃないですが(笑)。
それに、日本三大奇書の
名高い作品『ドグラ・マグラ』を
読まずして死ぬのは、
それはそれで悔いが残る…。
我慢してでも読むべきか?
いや、諦めて読まずに死ぬべきか?
読みたいけれど、
読みたくない本って
こうして考えだしてみると、
意外に発見があって、
一考の価値はありますね。