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【読書】星新一VS筒井康隆?思春期の出会いが一生を決める?

夏の文庫フェアが、
新潮、角川、集英社で始まりました。
星新一というショートショートの
SF作家に出会ったのは、
中学時代に、夏の文庫フェアにあった
『未来イソップ』が最初でした。

クセもなく、読みやすく、
でも、読み終わると、何かモヤモヤする。
なんなのだろう?
星新一は、読者に、
何かを考えさせてくれる作家です。
あまり細かく書き込んでないから
想像もたくましくなります。

一方、これまた、思春期によく出会い、
とりこにしてくれるSF作家に、
筒井康隆がいます。
筒井康隆さんは、
きめ細かく作品を書く人だから、
読者はわりと、作者の意図通りに
導いてくれるタイプ。
何かモヤモヤしたりはしない。
筒井康隆のぶっ飛んだ発想や皮肉に
やられてしまうのを素直に楽しむ。

本好きの間では、よくこの
「星新一VS筒井康隆、
あなたはどっち派?」的な会話に。
星さんはショートショートに
拘り抜いた、職人芸。
筒井康隆はショートから長編まで、
とにかく「人間の常識」を
ふっと脱臼外しのように
覆してくれる、発想の魔術師。

この二人のどちらと先に出会うかで、
SFミステリーを、
どういう風に捉えていくか?
決まってしまうところがあります。

もちろん、最初は何気なく
手にとって読んでいく訳ですが、
筒井康隆派になったからには
破天荒で型破りなSFをどんどん
読むようになるでしょう。

星新一さんからSFに入った人は、
シュールな作風の作品を
どんどん読むようになるでしょう。

思春期の読書で、
筒井さんから入るか、星さんから入るか?
後の人生が大きく変わってしまうのは
確かです。

思春期の若い人たちに
本を、それもSFミステリーを
おすすめするのは、実は
とってもナィーブなことなんですね。

そういえば、ひと昔前なら
「東野圭吾VS宮部みゆき」
「松本清張VS横溝正史」
「太宰治VS三島由紀夫」
など、本好きにはたまらない
対決テーマがありました。

今なら、
「相沢沙呼VS知念実希人」が
ミステリー好きには堪らないでしょうか。

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