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八重洲ブックセンター閉店に思う、本屋さんの寿命。

今朝はまだ、あるニュースを見た衝撃で
他のことが考えられない。
東京八重洲ブックセンター本店が
来年、閉店が決まったというんです。
「飯田橋の小さな出版社の社長」
という方のnoteの記事です。

八重洲ブックセンターといえば、
紀伊国屋や三省堂とはまた違った
ブランド性があって、
学生時代から通ってきました。

調べてみたら、
1978年から開業している。
2023年の春に閉業するとして
その歴史は、45年間に及びます。
さすがに、もうご苦労様でした、
とねぎらう年齢だったのかな。

書店にどんな寿命があるかは
わかりませんが、
八重洲ブックセンター本店に
関する限りは、
「おじいさん」だったかもしれません。

1978年に出来た本屋さん。
一階は、東京駅付近の
ビジネスマンで溢れてた。
特に、昭和のビジネスに
特化した充実の本揃えでした。
そもそも八重洲ブックセンター自体が
鹿島建設が立ちあげた本屋でした。

鹿島がバックだから安心安泰だった!
そんな時代から、今は
たとえ大企業であれ、老舗企業であれ、
何があるかわからない、
バックの企業の大きさなんて、
大きな安心材料にはならない、
そういう時代になりました。

八重洲ブックセンターの閉店の
ニュースを見る限り、
感染病禍が大きな原因だそうです。
鹿島も、自社の本屋の窮地を
助けよう、そういう余裕は
今回はなかったらしい。

正直、あとだしじゃんけんみたいで
恐縮ですが、今年の初夏に
八重洲ブックセンターに行った時、
あまりの閑古鳥ぶりには、
びっくりしました。
人も繁栄期の10分の1もなかった印象。
特に、あそこは
漫画と文庫と新書が全部、
最上階なんです。
使い勝手からいうと悪い。
ビジネス書や専門書の
品揃えの凄さはわかるんですが、
それは高いお金でも領収書で買える
一流企業のビジネスマンしか
買ってもらう人のイメージに
なかったんでしょう?

これが、八重洲ではなく、
線路を挟んだ丸の内にいくと、
事情はぐっと変わります。
丸の内にある「オアゾ」の中の
丸善ジュンク堂に閑古鳥はいない。

大きな吹き抜けの店内には、
本があふれかえってる。
置き方、飾り方がまた洒落てる。
こちらは今も賑わっている。

1階から4階まで、
見せ方の工夫がされていて、
何時間居ても楽しいんです。

また新しい時代が来るでしょう。
今回のように、
感染病禍で客足が遠のく、
みたいなことではなく、
新しい禍(わざわい)が
起きるかもしれません。

本は生き物だなんて
たまに気障なこと思いますが、
本屋さんもまた、
生き物なのかもしれません。

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