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レニングラード


昨日、NHK交響楽団の定期公演を聴きにNHKホールへ出かけた。

曲目はショスタコーヴィッチの交響曲第7番ハ長調作品60「レニングラード」
一曲のみ。
80分近くある大曲だ。

指揮者 トゥガン・ソヒエフ

2022年のロシアのウクライナ侵攻を受け、「ヨーロッパでロシア音楽・芸術家が "キャンセル文化" の犠牲になっていること」「愛するロシアの音楽家たちと愛するフランスの音楽家たちのどちらかを選ぶという不可能な選択を迫られたこと」を理由として、ボリショイ劇場とトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の音楽監督を辞任した

Wikipediaより抜粋


交響曲第7番【ショスタコーヴィッチ】

第二次世界大戦のさなか、ナチス・ドイツ軍に包囲されたレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で作曲され、戦争をテーマとした交響曲として知られる。音楽の内容はきわめて壮大であり、ナチスのファシズムへの反感もあって、初演当時から共産圏はもちろん、非共産圏においても高く評価されていた。しかしそこにはソ連のプロパガンダを強く感じさせるものもあり、そうした影響から「壮大なる愚作」とも評価される。
1970年代後半に出された「ショスタコーヴィチの証言」でこの作品について「スターリンによって破壊され、ヒトラーによってとどめを刺された」レニングラードを意味する、と書かれたころに評価が変わり始めた。

Wikipediaより抜粋


レニングラードはショスタコーヴィッチの故郷だ。
異常な状況下でこの交響曲は作曲されている。

第一楽章の途中から「侵略の主題」と言われるスネアドラムのリズムが延々と続く🥁
ラベルのボレロを連想させるものだ。
迫り来るスネアドラムの音が怖くて私も思わず息を殺して聴いてしまう。
スネアドラムを叩く打楽器奏者のプレシャーは半端ないだろう。

高度な演奏技術が必要なこの曲だが、さすがN響は安定していて上手かった。


言論統制のある政治体制の意向と自分の信念との板挟みの中で書かれたこのレニングラード交響曲。
今の時代も戦争の歴史は繰り返されている。
音楽の受け取り方は人それぞれだが、戦争の悲惨さを私たちに思い起こさせるためにある曲だとつくづく感じさせられた。


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