能登震災を受けて 政治家よ!防災の父「三年寝太郎」に学べ。
皆さんは三年寝太郎という物語をご存じですか?そして、その物語に込められた意味をご存じでしょうか。
私も自分の記憶の範囲で、物語を簡単に語りたいと思います。多少私の脚色が入っています。何せ小学生の時に読んで以来ですから。
物語
寝太郎は毎日猫のようにごろごろごろごろ、ぐうたらな生活をしていました。周囲の人たちは、彼の怠け者っぷりにほとほとあきれ返っていました。三年間もそうした生活をしていたので、彼は「三年寝太郎」という不名誉な名前をつけられてしまいました。
あるとき、村に鉄砲水が押し寄せてきました。すると、普段はぐうたらな寝太郎が珍しく起き上がり、のそのそと歩いていきます。
そして、崖の上にある巨大な岩のところまできて、それを下に落としました。ちょうどその崖の下に向かって流れ込んできた鉄砲水は、その岩によってせき止められ、村は災害を免れたのでした。
それからは、村の皆は彼に深く感謝し、彼のことを大切に思うようになりました。彼に食べ物を持っていったり、家の周りの草や木を刈ったりして、身の回りの世話を進んでするようになりました。
見えない裏話
三年寝太郎は、ただごろごろしていたわけではありませんでした。彼はごろごろしながら、頭の中でこのようなことを考えていました。
「この村でもし地震が発生したら、家は崩壊してしまうだろう。その時のために、まず~しておくようにしよう。この村でもし火事が起きたら、家は焼け焦げてしまうだろう。その時のために、~しておくようにしよう。この村でもし飢饉が発生したら、その時のために、~しておくようにしよう。この村にもし鉄砲水が押し寄せてきたら、その時はあらかじめ用意しておいた岩を落として、その流れをせき止めてやろう。」
彼は頭の中で、災害に備え、行動を頭の中で何度も念入りにシミュレーションしていたのでした。それは常人には考えもつかないほどの精緻さでした。彼は怠けているように見えて、自然現象をよく観察していました。そして人々の動きも、彼らにはウザがられないように自然とよく見ていました。
災害だけではなく、人のこと、村全体のことを、精緻なまでに考え抜いていました。
そこで、鉄砲水が発生したのです。三年寝太郎は用意していた大きな岩を、計画通り鉄砲水の前に落とし、災害を未然に防いだのでした。
しかもタダ!費用をかけずに救ったのです。
周りからみたら、3年間という長い期間、彼はほとんどゴロゴロと生活をして、無駄な時間を過ごしているように見えました。
ところが、彼はその3年間、みっちりと防災についての精緻な計画を立てていたのでした。
もし鉄砲水があのまま村に押し寄せていたら、1年間必死で育てた作物はみんな駄目になります。そして、村ではたくさんの人が死にます。土もだめになりますから、再生するまで少なくとも3年以上の月日がかかります。人が産まれてまた働けるようになるまで、最低10年以上はかかります。人手が少なくなり、余計に村は生産能力が無くなっていきます。
村がまた元通りになるまで、活気を取り戻すまで、最低10年以上はかかるでしょう。
彼は3年間という時間で、村の数十年間を救ったのでした。
政治家さん。時間の使い方はこうするのですよ!あなたたちも金や表面ばかりで人の関心釣ってないで、目に見えないところをもっと磨き上げなさい。むしろ政治家じゃない人間の方が、よっぽど立派なことができそうなものだ。三年寝太郎に税金預けたいわ!
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