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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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#レシピ本

金曜日のcookbookランキング

#111 50のカレーと50のビール新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 3月第3週のランキングをお伝えします。 正確にいつだったかは忘れてしまったのですが、10年近く前、誕生日プレゼントにニューバランスの576を買ってもらいました。 高い技術を誇るイギリスの職人が手がけたUKモデルの黒にひと目惚れして、当時表参道にあったセレクトショップで買ってもらったんだよなあ。 それから10年、国内外のあちこちを一緒に旅した576がだいぶくた

料理本は読者の「食の言語」を育てるものでなければならない

The 2019 Piglet 第1回戦第2試合『At My Table』vs.『Between Harlem and Heaven』2018年に発売されたcookbookのなかから、ナンバーワンを決めるトーナメント戦「The 2019 Piglet」。 その実況中継を昨日から始めています。 本日の1回戦第2試合では、ナイジェラ・ローソンの『At My Table: A Celebration of Home Cooking』と、アレクサンダー・スモールズ、JJ・ジョンソ

料理本は頭脳よりハートに訴えかけなければならない

The 2019 Piglet 第1回戦第1試合『Bottom of the Pot』vs.『The Flavor Matrix』今年もまたやってきました! cookbookナンバーワン決定トーナメント「The 2019 Piglet」を、本日から実況中継していきたいと思います。 え? Pigletっていったい何?というひとは、まずは先日書いたストーリーをご覧くださいね。 さて、開幕戦となる1回戦第1試合では、ナズ・デラヴィアンの『Bottom of the Pot:

合い言葉は、アヒルちゃん

「Piglet」歴代優勝作品の横顔 その2Food52が毎年開催している、料理本トーナメント「Piglet」の歴代優勝作品をご紹介しています。 昨日は2009年の第1回から、2015年の第7回の優勝作品までをご紹介してきました。 今日はその続きと、今年2019年大会のジャッジを務める15人をご紹介したいと思います。 どうぞ最後までご覧ください! *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

食と文体は一致するもの

「Piglet」歴代優勝作品の横顔 その1始まる、始まると煽っておきながら、なかなか始まらない料理本トーナメント「Piglet」の実況。 時差があるんです! この記事を書いているいまも、まだ3月になったばかりなんです。 ということで、今日は10年目を迎えるPigletの、過去の優勝者たちを紹介する記事を読んでいきたいと思います。 ぼくが実況を始めたのは2017年からなので、一度こうしてちゃんとまとめてみたかったんですよ。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧く

金曜日のcookbookランキング

#110 お金のかからないヴィーガン料理を新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 3月第2週のランキングをお伝えします。 書かなければならない原稿がたまっているのですが、昨日はまる一日お休みをいただいて、インプットのための外出をしてきました。 まずは東京都写真美術館へ。 志賀理江子さんの個展《ヒューマン・スプリング》は、圧巻のフォト・インスタレーション。 志賀さんの写真のタイトルのつけ方が、実作のなかから掬い上げたことばだったり、

雄鶏から生まれた子豚ちゃん

The Pigletの趣旨とルールをおさらい3月5日からいよいよ始まった、ナンバーワンcookbookを決めるトーナメント戦「the Piglet 2019」ですが、各試合の実況を始める前に、このPigletがどういうものなのかを、一度おさらいしておこうと思います。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

The Piglet 2019が始まるよ!

それは最強の料理本を決定するトーナメント戦子ブタのシーズンが今年もやってきました! ククブクで毎年実況中継をおこなっている、フード情報サイト「Food 52」のcookbook最強決定戦「the Piglet」が、今年もいよいよ始まります。 Pigletがどういうイベントか知らないという初めてのかたは、昨年のククブクのストーリーをご覧くださいね。 2019年のPigletは昨日3月5日から始まっているですが、その前に、今年出場する16冊のcookbookを紹介する記事を

ぼくのりょうりのさんしゅるい

「ヴィーガン」「簡単」「おもてなし」が選べるニューヨーク・タイムズ紙の元料理記者、マーク・ビットマン。 記者を辞めてからはcookbookを書くかたわら、食の啓蒙活動にも務めている彼のことは、ククブクでも何度か取り上げました。 「コカコーラとフライドポテトはヴィーガン料理だ」という彼の発言に、目の前の霧が晴れたような思いをしたひとも多いんじゃないかと思います。 そんなマークが、先月2月に新しいcookbook『DINNER FOR EVERYONE』を発売したので、今日

「レジェンド」がいっぱいいすぎて困る

地元で愛される本物のレジェンドのcookbookライターという職業をしていると、「このひと、ことばを安く使うなあ」って思うことがしばしばあります。 政治の世界はもちろん、CMのコピーや食レポなんかでもそういう「安い」ことばを目にしたり、耳にしたりするたびに、こういうひとは自らがことばの価値(そして自らの信用)を貶めていることに気がついていないんだろうなあと残念に思うんです。 だってみんな「大ヒット上映中」が「映画館でやってます」くらいの意味でしかないこと、もうわかってるじ

金曜日のcookbookランキング

#109 飛び込むのに年齢なんて関係ない新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 3月第1週のランキングをお伝えします! いよいよ3月になりました。 今週は、魚屋さんで安い半身の金目鯛を見つけたので、それを使ってアクアパッツァを作ることにしました。 金目鯛のアクアパッツァといえば、以前に静岡県の下田で旬の金目鯛を買ってきて調理したのを、このククブクでもお伝えしましたよね。 われながら写真がよく撮れてるなあ。 今回は時間がそんなにな

Can you see? 動物油脂には魅力がいっぱい

ラードやシュマルツを活用するcookbook今日、2月28日はキリスト教の祝祭日のひとつ「脂の木曜日」。 断食期間である四旬節を前に、今日はごちそうを食べておきましょう(食材を片付けておきましょう)という日で、ポーランドでは油たっぷりのポンチキが食べられたりするんですね。 そこで今日は、2018年11月に発売されたcookbook『The Fat Kitchen: How to Render, Cure & Cook with Lard, Tallow & Poultry

かつてすべての肉類は4本足で歩いていた

狩猟のエキスパートによるジビエ料理のcookbookもうちょっと季節が遅いですが、日本でもだいぶ「ジビエ」が浸透してきましたよね。 昨年5月からは農林水産省による「国産ジビエ認証制度」も始まり、9月には最初の認証施設として、京丹波町にある京丹波自然工房さんが認証されたことが発表されています。 日本では「ジビエ料理」「ジビエ肉」などと呼ばれているこの狩猟肉ですが、アメリカでは「game meat」あるいは単に「game」と呼ばれているんですね。 今日はそんなゲームミートに

オットレンギ、食べるを語る

シドニー・オペラハウスでの対談から最近、またククブクでヨタム・オットレンギを取り上げることが機会が多くなっている気がします。 その理由は「時短」「ベジタリアン/ヴィーガン料理」「パレスチナとイスラエル」という、いまのフードシーンを象徴するいくつものアスペクトを、彼が持ち合わせていることにあるんだと思います。 そんななか、オーストラリアでおこなわれた講演会に彼が登壇した時のようすが、英・ガーディアン紙のウェブ記事に掲載されていましたので、今日はそれを読んでいきたいと思います