初めてのQA組織立ち上げ
今まで、IPO(Initial Public Offering)前準備(東証グロース市場:2022年4月3日までの東証マザーズ市場)シリーズ期の「スタートアップ」・「ベンチャー」数社のQA組織立ち上げに関わってきました。
SaaSビジネスであったためARRの数値や毎月のMRRの数値も気になり、Churn MRRも。
そもそも、どのような経緯で社内で「QA組織を立ち上げる」ことになったのか?
スタートアップやベンチャーでは、1つ目としてEXIT(IPOもしくはバイアウト)まで持っていくこと。
(VC:Venture CapitalやCVC:Corporate Venture Capitalからの資金調達だと特にリターンが大事になる)なので、IPOもしくはバイアウトまで持っていくプロセスの1つが事業としての品質プロセスです。
(資金調達ラウンドが「シリーズA」以降から「シリーズC」までは特に)
2つ目として、上場後(EXIT後)は、もっとエンドユーザーに対してのエンゲージメントを高める施策など。
上記は、それぞれの事業ベースになります。
続いては、プロダクト提供品質についての考え方に
ジョインしたスタートアップやベンチャー企業の「CEO」・「CTO」・「VPoE」との1on1で現時点での状況を聞くと理由の多くは
「現時点でのプロダクト品質が悪い」
「品質云々以前にテストがきちんとできていない」
「テストフローやリリース基準が無いため開発担当者やサポート担当者の個人判断でプロダクトをリリースしている」
「(3番に紐付きますが)新規機能リリースした後に既存機能が動かなくなった」
「不具合分析がきちんとできず、何度も同じバグが」
「開発領域のテスト、QA領域のテストと担保すべき領域が決まっていない」
「月を追うごとにChurn Rateが上がっている」
「案件の優先度がFIXしていないのでリリース対象が直前まで流動的」
「ブランチの運用ルールが決まっていなく開発担当に任せっきり」
「テスト自動化はしているが、日々のメンテナンスが追いついていなく数ヶ月そのまま放置状態」
そのため、UXやUIに問題があり、かつ仕様の詳細もない、また非機能要件も決まっていなく、結果、4XX番台(クライアントエラー)、5XX番台(サーバーエラー)となる。
(障害でシステムが止まってしまった場合は損害賠償にも発展する。)
※横の連携も取れていなく(仕様についても、開発マターで実装)となるケースも多々あります。
このような理由で、チームビルディングも兼ねてQA組織を立ち上げることになりました。
今でこそ、タックマンモデルでどう考慮すべきかできますが、 立ち上げを初めて経験した当初は勢いだけでどうにかしようとしておりました。
当時は、特に参考となるものがなく、手探り状態でした。
で、社内にQA組織を立ち上げてどこまでQA活動としてカバーできるのか、もしくは解消できるのか。こちらのページにも纏めております。
まず、今後の計画として組織型をホラクラシーとヒエラルキーのどちらにするか。
当然、カルチャーフィットやメンバーのスキルも考慮。
ふと思い出すと、私が関わったプロジェクトは全てヒエラルキー組織でした。
ヒエラルキー組織のメリットは、育成型や未経験の方でもジョインしやすい、報告ルートが明確であること。
当然デメリットもありますが、ここでは割愛します。
まずは、「QA組織立ち上げにどのくらいの期間を使うのか」そして「QAエンジニアの採用」と「QA活動の元となるドキュメント作成」に時間を割きました。
タックマンモデルに照らし合わせると、「形成期」になります。
QAエンジニア採用 (求人掲載、面接、内定)
当時、社内の開発エンジニアが20名でQAエンジニアが4名採用の計画でした。
結論:4月と5月は、結果が残せていない。6月でやっと9月入社内定を出すことができ内定受諾まで持っていけました。
求人掲載では、どんなスキルをお持ちで、どんな経歴の方が良いのか。
(品質活動のご経験が長いとかテスト自動化経験が必須とか、育成枠だど自分のキャリアを見据えているとか)
そのため、QA採用ペルソナが大事になります。
また、どの採用媒体を使うべきかが悩みます。
QAエンジニアは他の開発エンジニアと同じ媒体を使ってもなかなか母集団を作れないのもあり。
媒体はこちらに纏めております。
面接は、お互いお話しして価値観や観点が大事なのかなと。
また、プロダクトに興味を持って頂くことも大事かなと思っております。
担当プロダクトの理解
担当するプロダクトについて、どんな製品なのか。
抑えておきたい機能や、現状の課題点/改善点を把握しチーム目標の一つとして設定。
BtoB、BtoC、BtoBtoC、SaaS製品だと、導入企業数・同業競合は?
また今後の事業計画や具体的な数値なども含めた説明。
QA組織の方向性資料作成
次に、経営層(ボードメンバー)に、特にCTOに対して。
社内でどのようにQA組織の方向性を示すかプレゼンをしたり。
計画案の承認をもらった上で、進めました。
なんとなくこんな感じだった??
ロードマップをおおよそで作成(3ヶ月、半年、1年、3年、5年)し、ジョイン想定メンバー数でQAとしてのタスクを増やしていった感じですね。
当然、1名や2名では厳しいので。
開発部のメンバーにQAってこんなことをしますを周知
事業数値(ARR、MRR、NRR、Churn Rate)に触れ、どう改善するか。
ARRの成長率については、SaaS企業この数値が特に大事になります。
上記の事業数値を加味しながら、10枚ほどに纏めたQAプランを用意。
なぜSaaS企業にQA組織を置くべきかを語りつつ、メリット・デメリット。
メリットは、下記の6点(例でありますが)
デメリットも多少(これも例です)
プロダクトQAフロー作成
どこからQAが入るか(企画書のレビューであったり、単体テストのレビューであったり)、テストフローはどうするんだ?(計画書からリリースや運用、不具合分析)誰と誰が関わり、誰にレビューしてもらい、どのステータスになったら進めるのか。
JIRAチケットの切り方や、JIRAのステータスを更新した後、誰にアサインするのか?Slackで誰にメンションするのかなど。
プロダクトマネージャ、開発やインフラとどう関わり
プロダクトマネージャ、開発エンジニアやインフラエンジニアとどう関わるんだ?
定例会議は?
アジャイルであれば、スプリント計画、活動領域やMTGの設定、リリースなどなど。
何をゴールとするのか。
スピードと品質の考え方。
1案件トライアル
テスト計画を用意
テスト設計
テスト仕様書
ケースレビュー
テスト準備
テスト実施
リリース判定
リリース
①本番で簡単に確認(時間を決めて)