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『ダメ絶対音感』をご存知ですか?

いにしえのアニメオタクが持つと言われる『ダメ絶対音感』について説明してみようと思います。
長くなると思いますが、よろしければ読んでもらえると嬉しいです。

1   ダメ絶対音感とは

『ダメ絶対音感』とは、「声優」の声を聞き分ける能力である。
アニメやCM、洋画の吹き替えなどの声から瞬時に誰の声か判断できるという、生きていくために特に必要のない能力のことを言う。
どの程度の能力から『ダメ絶対音感』があると言えるのか決まりなどはないが、「若本規夫」や「田村ゆかり」、「能登麻美子」などの超有名かつ特徴的な声の声優を聞き当てても、『ダメ絶対音感』とは言えない。一説では「喜多村英梨」あたりを判別できるかが境界線と言われる。
  〔以上、ニコニコ大百科より〕

ニコニコ大百科(ニコ百)の定義を書いていて思ったのですが、「喜多村英梨」さん(愛称:キタエリ)へのイジリがヒドイなと思います。
もっとも、なぜキタエリさんなのかは理由があるのではないかと思います。
この『ダメ絶対音感』という言葉(概念)がどこから産まれたのかにヒントがあります。

『ダメ絶対音感』は、久米田康治先生が週刊少年サンデーに連載していたマンガ「かってに改蔵」が初出です。

「かってに改蔵」は、メタネタ、時事ネタやパロ要素をふんだんに盛り込んだ、オタク向けブラックコメディマンガです。基本的に一話完結で話が進みます。
主人公の「勝改蔵かつかいぞう」は色々なネタについて独自の見解に基づき解説します。
「改蔵」からの話を受けて、ヒロイン(ツッコミ・ヤンデレ・多重人格・サイコパス・オチ担当。愛用武器:モーニングスター)である「名取羽美なとり うみ」が、強烈なツッコミや暴走をするのが大まかなストーリーです。
大概のオチは、「羽美」によって「坪内地丹つぼうち  ちたん」が酷い目に遭わされます。

連載終了から数年して、「かってに改蔵」はアニメ化(OVA)されましたが、キタエリさんは「羽美」のCVをされました。

『ダメ絶対音感』という言葉を産み出した「かってに改蔵」リスペクトから、ヒロイン役にあやかって、ニコ百では「キタエリさんが境界線」と書いているのだろうと思います。

完全に後付けじゃないかとは思います。また「羽美」の狂気性を考えると、ニコ百の記事を書いた人はなかなかの命知らずだと思います。

キタエリさんの名誉のために言っておきますが、キタエリさんは有名声優です。どんな作品に出ているかはWikipediaをご覧ください。アニメに詳しくなくても、一度は聞いたことがある声だと思います。
声優になる前は子役であったため芸歴が長く、ライブ活動に熱心な方と認識しています。徳島県でufotableが主催する「マチ★アソビ」というイベントへの参加率の高さから、期間限定ユニットのメンバーとして「徳島観光大使」にもなっていました(キタエリさんは生まれも育ちも東京です)。

「かってに改蔵」の連載終了後、久米田先生は週刊少年マガジンに移籍しましたが、マガジンで連載した「さよなら絶望先生」がヒットします。
「かってに改蔵」の時は、マンガ内で自虐ネタにするほど絵柄の変化が激しく、パターンの確立にも時間がかかりました。
「さよなら絶望先生」は、「かってに改蔵」により培われ完成したフォーマットと安定感のある画力が素晴らしく、視点の鋭さで勝負していて面白かったです。
時事ネタがあるので古くて分からない箇所もあると思いますが、興味がありましたら「かってに改蔵」と「さよなら絶望先生」を読んでみてください。

久米田先生は直近では「かくしごと」もアニメ化されていて、才能がすごいなと思います。私は久米田先生が原作をされた「じょしらく」のアニメも好きです。

シャフトが制作した「さよなら絶望先生」のアニメシリーズも見ましたが、好きなOPは「空想ルンバ」「林檎もぎれビーム」「人として軸がぶれている」です(ニコニコ動画にあるMAD「人として軸がもぎれていルンバ」が文化的すぎて好きです)。
「さよなら絶望先生」のアニメの続きを私は見たいです(アニメで完結まで見たいけど炎上するか…)。

君が想う  そのままのこと  歌う誰か  見つけても
すぐに恋に落ちてはダメさ
「お仕事でやってるだけかもよ」

『林檎もぎれビーム!』『林檎もぎれビーム!』

だけど  想い  止められぬなら
信じ  叫べ  合言葉(あいことば)
共に  歌え  全て変わると
変われ!  飛べよ!  飛ぶのさ!
「変わったあなたを誰に見せたい?」
「ないがしろにしてきたヤツに!」

さぁ行こうぜ  絶望のわずかな 「こっち側へ」
きっとシャングリラだよ   君となら
合言葉 『林檎もぎれビーム』
「どこへ行ったとて同じだろうか」
「あなたはずっとそこにとどまってるの?」


2   見出し画像について

見出し画像は、「ゼロの使い魔」の主人公「ルイズ」です(ルイズの名前は長いので省略します)。
ネット上では「ルイズたん。はぁはぁ」コピペが有名かもしれません。

「ゼロの使い魔」(ゼロ使)は、ライトノベルです。
作者のヤマグチノボル先生はとても文才のある方でしたが、ゼロ使の連載中に癌のため急逝されました。ただ、遺稿となるプロットが残されており、ゼロ使は完結まで見届けることができました。

ゼロ使のアニメ化で「ルイズ」のCVをされたのが、声優の「釘宮理恵」さん(愛称:くぎゅ)です。
釘宮さんは、「灼眼のシャナ」の「シャナ」や「ハヤテのごとく!」の「三千院ナギ」のCVもされていたので、「ツンデレ系ヒロイン」の声と言えば「釘宮理恵」という風潮が一時期ありました。
大量の「釘宮病患者」が産み出され、ニコ動の公式アニメで釘宮さんがCVをされるキャラが写し出されると、「釘宮病患者」が発症し、「くぎゅううううぅぅぅぅ」という弾幕コメントが大量かつ引っ切り無しに流れて面白かったです(アニメを見るのには邪魔なので、私はNG登録していました)。
『ダメ絶対音感』を使わなくても、キャラで釘宮さんと分かる感じでした。
その中で、この風潮に大きな影響を与えたのが、アニメ「銀魂」です。釘宮さんが「神楽」のCVをされて、「声優」としての演技力をいかんなく発揮しました。「神楽」を見ることで多くの「釘宮病患者」は正気に戻ったのではないかと思います。
有名声優さんでも『ダメ絶対音感』を更新する必要があるような声の出演を見るのは楽しいです。

ちなみに、私は「釘宮理恵」さんをアイマス(アイドルマスター)の「水瀬伊織」で知りました(ハガレンのアルの時は「中の人」に関心がありませんでした。アルの声を演じる際には、鎧の中から声が出ている感を出すため、口に空き缶を当てて収録していたそうです)。
「水瀬伊織」はツンデレ系お嬢様アイドルです。
16年目の今でも釘宮さんは「水瀬伊織」のCVをされていますが、大切に演じているのが分かって、好感を持てます(「プライヴェイト・ロードショウ」という曲が伊織の可愛らしさが表れていて好きです。『その科白、笑うのがいいね~』)。

私が最近見ているアニメだと、「田村ゆかり」さん(愛称:ゆかりん。ニコ動では「般若」とたまに言われてましたが、私はNG登録していました)が、「ダイの大冒険」でハドラー親衛騎団のクイーン「アルビナス」のCVをされていて、こういった演技もするんだと思いながら見ています。
私には声の演技としては「にぱー☆」と「スターライトブレイカー」の印象が強いです。あとはライブでの『世界一かわいいって今日も言ってね♪』『世界一かわいいよ!!』『どーもありがとっ』『うおおぉぉぉ!!』のコール&レスポンスが印象に残ってます(ゆかりんファンは「王国民」と呼ばれていました)。
まだ先の話ですが、「マァム」との一騎討ちでの「アルビナス」の独白シーンが楽しみです。


3   ダメ絶対音感に必要なこと

私は「サクラ大戦3」というゲームにハマって、「エリカ」のCVをされた「日髙のり子」さんを始めとする声優さんを、色々なアニメのEDのスタッフロールで探しているうちに、自然に声優さんの声を聞き分けることができるようになりました。

有名な話だと思うのですが、「日髙のり子」さんは元々アイドルでした。ただ、アイドルとしては芽が出ず、「声優」に転身しました(いわゆる「アイドル崩れ声優」の先駆けです)。
転身して日が浅く「声優」として右も左も分からない状態であった時に、あだち充先生の漫画「タッチ」のアニメ化に当たって、ヒロイン「浅倉南」のCVに抜擢されます。「タッチ」のアニメ制作陣が、今は演技力に乏しいけど将来的な見込みがあると判断し、抜擢したのです。
非常に強いプレッシャーの中で、アニメ現場では厳しい演技指導がされたそうです。日髙さんが何かのインタビューで言ってましたが、キャッチャーの「松平孝太郎」のCVをされた「林家こぶ平(現在の林家正蔵)」さんと日髙さんは、いつもリテイクばかりで居残り組になり、励ましあっていたそうです。
日髙さんは、今の「声優」としての自分があるのは、「タッチ」での厳しい演技指導で鍛えられた演技力がその後の基礎になったからだと言っていました。


私はこの声を聞き分ける能力は何なんだろうと思っていたところ、「かってに改蔵」の単行本を読んで『ダメ絶対音感』だということが分かりました。

おそらくアニメ好きであれば、お気に入りの声優さんに限ってなら、『ダメ絶対音感』を身に付けている方もいるのではないかと思います。


私は最近の深夜アニメをあまり見ることができていなかったため、最近の声優さん(特に若手や新人の方)には疎かったのですが、「たべるんごのうた」ブームを通じて「アイドルマスターシンデレラガールズ」(デレマス)に強い関心を持ったことで、デレマスに出演している若手声優さんなら分かるようになってきました。

今年もボイスアイドルオーディション(VIA。ボイス選挙)の結果、1位「浅利七海」のCVに「井上ほの花」さん、2位「西園寺琴歌」のCVに「安齋由香里」さん、3位「八神マキノ」のCVに「二ノ宮ゆい」さんが新たに起用されました。
どの方も声質は各アイドルに合っていると思います。VIA曲「Let's Sail Away!!!」がどんなものになるか、コミュでの3人(+ゲスト)のやりとりも含めて、楽しみに待っています。

ボイス選挙を勝ち抜いた「アイドル」は、多くのプロデューサーやファンから大なり小なり『この「アイドル」に「素敵なボイス」が付いてほしい』と投票された結果、入選しています。
1年たって「素敵なボイス」だと振り返ることができるような活躍を期待しています。

昨年ボイスが付いた「辻野あかり」のCVをする「梅澤めぐ」さん(愛称:めぎゅし)のように、デレステやモバマスで色々な出番を1年間与えられて、「モノにする」よう演技指導されるのかなと思います。今年の3名は実績のある声優さんなので、バランス良く出番が与えられるのではないかと思います。
「声優」になって数ヶ月のド新人で何も実績がなかった「めぎゅし」は、どれだけリテイクになったのか分かりませんが、「あかり」を「モノにしてる」と思います。1年を通して見ましたが、違和感なく合ってると私は思います。
歌はご愛敬で「あかり」に歌ウマなイメージはありませんが、丁寧に歌う印象を持ちました。ライブは頑張って取り組んでいるのが分かり、パフォーマンスも上達しています。
「めぎゅし」は「辻野あかり」の「素敵なボイス」だと、私は思っています(「りんごろう」さんのボイスはより精進が必要だと思いますが、「りんごろう」さんは設定が雑なのでモノにできる気がしません…)。

なお、昨年同じくボイスが付いた「砂塚あきら」と「桐生つかさ」のCVは、どちらも成長途上の人気若手実力派声優の方(歌唱力あり)なので、心配するほうが失礼かなと思って見ていました。
「あきら」のCVをする「富田美憂」さん(愛称:とみー)が、「めぎゅし」にアニメのアフレコのやり方を教えて、演技のアドバイスをしていたエピソードが好きです。
「つかさ」のCVをする「河瀬茉希」さん(愛称:ちゃんまき)が、「めぎゅし」が出るVTRやライブを見て、なぜか後方保護者面して泣きながら的確な解説をしているのは面白かったです。


新人や若手の声優さんが、どれだけ「声優」として成長できるかは、本人の意識と努力次第だと思います。アイマスを通じて、お互いを意識して表現力を高めあえるような声優仲間に多く出会うことができたのなら、財産になるのかなと思います。

「アイドル」の魅力をより発揮させるために、「中の人(声優さん)」が持っている「演技力(表現力)」を見ることができるのも、アイマスの良いところなのかもしれません。
ただ、「演技力」は一朝一夕では身に付かず、一つの役では幅が広がらず限界があると思うので、色々な役をやって継続するのが大事なのかなと思います(何事もですが、気負わずに「習慣」で取り組み続けて、少しずつ「結果」を積み上げるのが強いです)。

「この声優さんの他の役(声の出演)も知りたい」と思えるようなリスペクトを持つことが、『ダメ絶対音感』に近づく第一歩だと私は思います。

4   最後に

ぜひアニメやゲームが好きな方は、『ダメ絶対音感』を身に付けてしまうほど、お気に入りの声優さんをたくさん見つけてください。
『ダメ絶対音感』は、生きていくのに特に必要のない能力ですが、アニメやゲームが好きで生きていくのをより楽しくさせる能力だと思います。

なお、類似するものとして、テレビで流れたBGMが何のアニメのサントラか瞬時に分かってしまうということがあります。これも「かってに改蔵」では「ダメ絶対音感」とされていました。
知っているアニメだと、こちらのほうが難易度は低いと思います。
Twitterを検索すると、同じ『ダメ絶対音感』に目覚めた者のツイートで答え合わせができて便利です。

最後にアイマス関係について、私の妄想による駄文を書こうと思います。
昨年のSHOWROOMの「VR星井美希」やデレマス9周年の「VRこっひ」はとても可愛かったです。ライブ配信にも関わらず、表情変化や立ち居振舞いもよくできていて、声優さんの実力にも魅せつけられました。ああいうVTuber風の配信動画を、私はまた見たいです。
個人的には、「ミリシタ」や「デレステ」のゲームアプリでも視聴できないかと思います。

VTuber風の配信動画ではライブ感がウリになるので、細かな脚本を書けないため声優さんの負担が大きいかもしれませんが、そこはプロなので大丈夫でしょう。
長時間配信をしなくていいです(「アイドル」の本業への支障がないように数十分の年数回で十分)。
ゲームが上手じゃなくていいです(「アイドル」は下手で当たり前。指示するのではなく見守るべき)。
配信画面に映っている「アイドル」が可愛いければ、「正義」です。
もし実現すれば、ニコニコ動画の「アイマス」カテゴリーでも質の高い「切り抜き動画」がランキングに台頭するのではないかと妄想しています。

デレスポで実装されたVRLIVEは、思ってたのとは違いました。バーチャルだけどリアリティを感じさせるのに、VRゴーグルは必ずしも必要ではないと思います。
VRLIVEは有観客でのリアルライブができないことへの埋め合わせなのかなと思いました。
6周年曲の「星環世界」じゃないのかと思いましたが、有観客でのリアルライブが結局できなかった埋め合わせとして昨年のVIA曲「Brand new!」なのかなと思いました。観客目線によるライブでのステージ演出を見せたいように思いました(舞台袖のP目線もあります)。

なお、「配信」と言えば「砂塚あきら」ですが、あきらちゃんは多くの個性を持つので「配信」にあまりこだわる必要はないと思います。「マスク」も今はあまり着けてないです。
あきらちゃんは自分が楽しく好きだと思っている物事をシェアして、今まで興味なかった人が興味を持ってやってくれることを喜ぶタイプだと思います。自分の「配信」でなくても、楽しくなるようなツッコミ(コメント)をしてくれると思います。
良いツッコミが思いつかなくても、「夢見りあむ」以外には『◯◯チャン(サン)はそれでいいと思うよ』とボケ返しをできるのが強いと思います(あきらちゃんのボケ返しにツッコミするのは「りあむ」かプロデューサーですが、「りあむ」は『○○ちゃん…尊い…』とボケを重ねてくることがあるので読めません)。


「辻野あかり」役をされる「めぎゅし」が、デレマスの福岡ライブ公演(有観客ライブ)後にTwitterにあげた文章を読みました。
好きな作品(コンテンツ)に「素敵なボイス」を届けてくれる声優さんへ、私なりに感謝とエールを伝える文章を書きたいと思って書いたのが、この文章です。

ときどき落ち込んじゃって  逃げ出したくなったり
チャンスも オーディションも 掴めなかったり
その時  君の笑顔  私のパワーになって
もう一度  頑張れる勇気 くれるの
・・・
誰もがシンデレラ   夢から今目覚めて
はじまるよ  新たなストーリー 描いたら
掴もう! My Only Star  まだまだ遠くだけど
光降り注ぐ   明日へ向かうために
・・・
心にシンデレラ   私だけじゃ始まんない
変われるよ  君の願いと リンクして
誰かを 照らせる☆(スター)  いつかなれますように
動き始めてる   輝く日のために
(もう1回♪)
お願い!シンデレラ   夢は夢で終われない
叶えるよ   星に願いを かけたなら
みつけよう  My Only Star  探し続けていきたい
涙のあとには 「また笑って」「スマートにね」「でも可愛く」
進もう!

私は声優さん目当てでアニメを見ることはありませんが、好きなアニメ等で1話だけのチョイ役でも、お気に入りの声優さんが出られて良い演技をされているのを見ると、幸せな気持ちになります(EDのスタッフロールを見るのが楽しみになります)。


『ダメ絶対音感』について上手に説明できたかは分かりませんが、好きなアニメ等を通じて、お気に入りの声優さんを見つけて、ぜひ『ダメ絶対音感』に目覚めましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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