【詩】左心臓にまち針が刺さる頃
ルシフェルが心臓を半分くれよと囁く
僕はくれてやらないと断固拒否
ルシフェルが心臓にまち針をチクチクと刺してくる
せっせと一本一本抜いていくけれど
ルシフェルがニヤケ笑いしながら追加まち針
いつか心臓が壊れるんじゃないかと悲鳴を上げる
それは失恋のような類のものではない
僕はルシフェルと一緒に暮らしている
そろそろ出ていけよと怒鳴りつけてみても
まち針をチクチク刺してくるだけだから
ルシフェルを飼い慣らすためにスルーする
そう
僕に必要なのなスルースキル
僕はルシフェルの正体を知っている
ルシフェルは僕の右の心臓
月を眺めながら煙草をふかす
神様が泣いている
永遠の意味を知りたいなら地獄へおいで
希望と光が終わる前に派手に花火を打ち上げよう
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