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みすゞの詩と植物スケッチ vol.⑰~⑲
⑰「港の夜」(金子みすゞ)/オオバノイノモトソウ
シダ植物が好んで住む場所はたいていは陰性なジメジメした環境です。田舎の道を行く、毎朝の通勤途中に少し回り道をして旧道を通ることにしていました。そこには昔の鉄道が通っていた岩のトンネルがあり、その出入り口の切り立った岩場がシダの宝庫となっていたからです。雨水が滴り落ちる下には、このオオバノイノモトソウやベニシダ、サカゲイノデ、ジュウモンジシダ、リョウメンシダなどが密生し、きれいな緑の空間をつくっていました。そこで車を停めて一息いれるのが朝の僕の癒しの時間となっていました。
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⑱「バラの根」(金子みすゞ)/オオイヌタデ
家の隣のがけに毎年1mほどのオオイヌタデ大きく育っています。イヌタデはかわいい感じがして休耕田などに密集してかわいいややピンクよりの赤味がかった花穂をつけますが、オオイヌタデの花の色はもう少し紅紫色に近い地味なでも力強い感じがします。乾いた崖で生き延びるために、オオイヌタデにはイヌタデにはないたくましさが必要なのかもしれないですね。
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⑲「繭と墓」(金子みすゞ)/キランソウ
乾いた校庭のすみに地面をはうように生えていました。はうように・・・という言葉がぴったりとくるようなへばりつき方です。全体に葉や茎にも毛がびっしりとあることが分かります。その中で小さな花が鮮やかな青紫色を見せてくれます。それがとってもきれいに映えて見えました。僕にとっては雑草と言えない何か特別感を持たせる存在です。
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★「みすゞの詩と植物スケッチ」は【マガジン「金子みすゞさんの詩と草花スケッチさんぽ道 500への一歩」】にまとめて集録されています。