実は時代遅れ!「やられたらどう思う?」は子どもに伝わらない!?【保育の豆知識】
私の4つ上の従姉には、我が家の第一子ちゃんと同じ年の娘がいる。2歳児クラスの3歳。
ある日、従姉から連絡がきた。
「どうしても貸してって言う前に人のおもちゃを強引に取っちゃうの。やられたら嫌でしょう?と声をかけているんだけど…」
と、友達同士の関わりに悩んでいた。
これ、保護者からもけっこう相談される。2~3歳児クラスで多くて、1歳児クラスの後半でも受けたことがあったかな。
私たち大人世代って
「自分がされて嫌なことは人にしてはいけません」
って学んできたんだよね。
だから、自分の子どもたちにも
「それ、自分がやられたらどう思う?嫌でしょ?」
という声かけになる。自分たちが言われてきたから。
あんまり知られてはいないけれど、まだ2~4歳前半くらいの子どもにとって「自分」に置き換えて考えることは、とーーーっても難しいこと。
数字を理解していないのに、足し算や引き算を教えているような状態。
自分にとっての「快」「不快」はわかるけど、人の「快」「不快」はまだよくわからないし、自分の行動を自分の感情に置き換えて考えるのは複雑怪奇だったりする。
じゃあ、どう子どもたちに伝えるのかというと、シンプル。
「いや、やめて、と言われたことはやらない」
これに尽きる。
「いや」
「やめて」
このワードが相手から出てきたら即座にやめる。自分が楽しくても面白くても絶対にやめる。
保育園現場でもそんなふうに言葉をかけることが多い。少なくとも私の周りはそう。我が家の子どもたちにも伝えている。私はこれを徹底することで「いじめ」の種は小さくできると信じている。
自分が楽しいと思っていても、相手にとってやめてほしいことがあること。
自分が気が付かないうちに、相手にいやな気持ちにしてしまっていること。
そういうことが、なんとなく自分の中に積み重なっていれば、いじめでよく聞く「自分はされても嫌だと思わないから(だからやった)」とか「相手も楽しいと思っていると思った」と勘違いすることが減ると思う。
それには、子どもたちが自分の気持ちを言葉にして相手に伝えられることも大切なんだけど、その話はまた別のnoteで書こうかな。
相手の立場になって物事を見ることは、けっこう難しいことで(大人だって苦手な人もいるよね)、4歳児クラスの後半~5歳児クラスでやっとそれなりの解像度で相手のことを考えられるようになると言われている。
絵本を通して学んだり、人との関わりを通して知っていく。
そんなわけなので、1歳~4歳前半の子どもたちにとって「自分がやられたらいやでしょ?」という言葉はほぼ伝わっていない。(年中さんくらいから、相手の気持ちを考える声かけはしてもいいかもしれないけど、理解度はあまり高くないと思っていいかな)
「自分がされたらいやでしょう?」と言葉をかけていて、なかなか伝わらないな~と感じているママやパパがいたら、
「いや、やめて、と言われたことはやらない」
と伝えてみるのを試してもいいかもしれない。
従姉の娘ちゃんは、シンプルな声かけの方が響いて、「やだよ~はやらないよ!」と従姉に話すようになったって!娘ちゃんが成長したこともあるけど、友達との関わりも良好になったとか。
お試しあれ~~~
明日もいい1日になりますように。