Jinn

ジブリとエヴァが好きな大学1年生

Jinn

ジブリとエヴァが好きな大学1年生

マガジン

最近の記事

あるときまで雨が嫌いだった。靴の中が濡れてグチュグチュいうのが、何にもまして不快だったからだ。それだから、梅雨なんていうのは本当にどうしようもない季節だと思っていた。 中学三年生の、ちょうど今頃の季節だった。 「好きです、付き合ってください。」と言った僕の耳は赤かっただろうか。 緊張が途切れた瞬間帰ってきた蒸し暑さに、階段の手すりの冷たさは心地よかった。 その日、彼女は階段の下で聞き耳をたてていた友人と帰っていった。 川沿いの桜並木に、ところどころ紫陽花が混じる帰り道を一緒

    • 誇張とかじゃなく、黒波さんと第3村の話めちゃくちゃ長くなるしめちゃくちゃ時間がかかりそう……

      • 大学の授業を通して段々と次に書くものに必要な知識が身についてきてます。 まだしばらくかかりそうなのでもうそろそろ授業には見切りを付けて描き始めないとですね。

        • 「ねえ、空良はさ、桜って好き?」 いつも通りの帰り道、脚は止めないまま、答える。 「桜って植物の?まあ好きか嫌いかで言えば好きだけど。」 「じゃあさ、桜が一番『綺麗だ』って言われる季節っていつだと思う?」 始まった、いつものテツガクだ。コイツが一度このモードに入るとめんどうくさいのは十五年も一緒にいれば嫌でも覚える。そのくせ、無視したり適当にあしらったりすると怒って肘鉄ときている。これも二回目には覚えた。 「さあ、春じゃねぇの。」 「正解!じゃあ理由は?」 理由

        • 誇張とかじゃなく、黒波さんと第3村の話めちゃくちゃ長くなるしめちゃくちゃ時間がかかりそう……

        • 大学の授業を通して段々と次に書くものに必要な知識が身についてきてます。 まだしばらくかかりそうなのでもうそろそろ授業には見切りを付けて描き始めないとですね。

        マガジン

        • eva
          5本

        記事

          僕が葛城ミサトを嫌いであり、好きにならなくてはいけない理由

          僕は葛城ミサトが好きではない。 詳しく言えば、「シン・エヴァンゲリオンの葛城ミサト」が好きになれない。 もともと僕は葛城ミサトという魅力あるキャラクターは嫌いではなかった。むしろ好きだった。 それがなぜかどうして、あの正義のキャラクター(ゲンドウを悪とするなら)としてシンエヴァで描かれた葛城ミサトが嫌いになってしまったのか? シンエヴァを映画館で観た後、帰り道も、家に帰ってからも、なぜ自分がここまでミサトさんが好きになれないのか、ぼんやりとはあるものの、その明確な理由は見えて

          僕が葛城ミサトを嫌いであり、好きにならなくてはいけない理由

          東京はもうないよ

          アメリカの空港で僕は東京行きの便に乗ろうと足を進めていた。 なんてことはない。ただ旅行に出かけて帰るだけだ。 帰ったらまず誰にお土産を渡そうか、そんなことを考えながら歩いていると1人の老人に話しかけられた。 「お若いの、どこに行かれるのかな?」 まだ予定の時刻まではたっぷりある。僕は足を止めて老人の質問に答えた。 「いえ、行くんじゃないんです。帰るんです。東京へ。」 「ほぅ、東京とな。はて帰ると言っても東京はもうないが……。」 「東京がない?そりゃまたどういうことです

          東京はもうないよ

          春が来る度に

          いつもの帰り道。 最近は自転車が壊れたせいで歩いて帰るいつもの帰り道。 いつもの自販機。 コインを入れてボタンを押すとココアを吐き出すいつもの自販機。 いつもの帰り道のいつもの自販機、なんのことはない日常。 今日は少し違う帰り道。 いつもの帰り道いつもの自販機。 自販機からココアが消えていた。 なんのことはない。 ただそれだけのことだけど、僕にはそれが何かとても大事な事のように思えた。 「もうそんな季節か」 取り出した120円をサイフに戻しカバンに入れなおす。

          春が来る度に

          新世紀エヴァンゲリオン旧劇場版の『気持ち悪い』とはなんだったのか

          初めに『 気持ち悪い 』 このエンドに衝撃を受けた人は決して少なくないでしょう。 そして、その意味を知ろうと様々な考察サイトや考察動画を漁った人もまた、決して少なくはないでしょう。 僕もまた、この一見すると「意味のわからない」終わり方に面食らった1人です。 そして、当然の如く考察を─それこそ貪るように─漁った1人です。 しかし、様々な考察を見てもイマイチ納得出来ないところやなぜそうなるのかといった疑問が浮かぶのみで、ずっと満足できる解釈を得られずにいました。 と言うよりも、

          新世紀エヴァンゲリオン旧劇場版の『気持ち悪い』とはなんだったのか

          ワインと泥水

          ある笑顔が素敵な女の子がいた。 その女の子は彼女が生まれた時に作られ始め、ずっと大切に熟成してきた樽のワインを持っていた。 ある時、心無い男が女の子のワイン樽に泥水を注いだ。 焦った女の子は注がれた泥水を除こうと、ワイン樽から何度もすくい上げたが、泥水はすっかりワインと混ざりあってしまっていてそれは叶わなかった。 ある人は言った。 「泥水が全て無くなるまでワインを捨てればいいじゃないか。」と。 またある人は言った。 「そんなことをしては例え泥水が全て無くなったと

          ワインと泥水

          ある日怪物が

          少年はある日ふと考えてみた。 僕はなんのために生きているんだろう。僕が生きている意味ってなんだろう。たまたま爆発が起きて生まれた広大な宇宙のちっぽけな星のちっぽけなたった1人の人間に一体なんの意味があるんだろう。 なんだかなんのために生きているのか分からないな。 そんなことを考えるのは僕が宗教を信じてないからなのかな。 そんなことを考えるくらい余裕が持てる生活を過ごせているからなのかな。 少年は今まであった地面が崩れ、地面の上にあったもの全てもが崩れて無くなってしまったよ

          ある日怪物が

          素晴らしき音楽

          20XX年 目まぐるしく進歩し続けるAI技術が新たな扉を開いた。 AIは人間の感情を揺さぶる音楽の情報を集積し、それはそれは素晴らしい1曲の音楽を作り上げたのだ。 その音楽を耳にしたものは皆、歓喜に満ち溢れ、悲しみに沈み、恐怖におののき、感涙にむせび泣き、そして勇気と幸福の言葉を口にした。 その音楽を聞いた時私はこう思ったのである。 「あぁ、なんと素晴らしい音楽なのだろう! ここに人間が入り込む余地は全くないだろう。 人類の叡智の結晶である人工知能が作曲し、歌い上げたこの素

          素晴らしき音楽

          洞窟

          男がいた。 男は財宝を見つけ出すことを生きがいにしていた。 男にとって財宝が手に入るなら他の物は何一ついらない、必要のないものだった。 男は職に就くのを嫌った。そんなことはバカのすることだと嘲笑った。 財宝を探す冒険に出るために両親を見捨て家を売って金にした。街の人には暴言を吐き暴力を振るい、親しかった友人すら裏切った。時には人殺しもした。 財宝を独り占めにするために冒険を共にした仲間も殺した。 男にとっては、それらはどれもいらない、必要の無いものだったからだ。 そして今、

          楽しみは

          『今日もだ…』 今日こそ早起きして寝顔をおがんでやろうと思ってたのに…。 彼を起こしてしまっては元も子もないから目覚ましを切っておいた時計の短針は5を刺している。 「おはよう、よく眠れたかい?」 「おはよ」 素っ気なく返す朝の挨拶。 「どうしたんだい? 朝からご機嫌ナナメだね」 「な〜んでもなわよっ」 そう言って私はもう一度まだ暖かい布団を頭から被って二度寝の体勢に入った。 時計の短針は8を指している。 まだしょぼつく目を擦りながら朝ごはんを食べる私の意

          楽しみは

          僕の立場から捉える自己肯定感と承認欲求のゲーム・snsとの関連性

          ・概要 僕の母親との話し合いや、fujiさんの配信から得られた情報をもとに、なぜゲームやsnsに依存しやすいのかということに対する僕の考えを書いていきます。 ・僕の立場 受験生、FPSゲームが好き、Twitterを使用している (将来の夢のためではなく)難関大学合格をどうしてもしたいと思う人の思考が分からなかった。 ・質問 : あなたはゲームやsnsをやめれますか?また、やめさせられたらどう思いますか?また、そう思う理由はなんだと思いますか? この質問に対する率直

          僕の立場から捉える自己肯定感と承認欲求のゲーム・snsとの関連性