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【書評】偉人を偉人たらしめるものは何か?(天才たちの習慣)
こんにちは。毎月最低5冊は読むプチ読書家である私が読んだ本のうち、「これはよかった!」と思った書籍を紹介します。
【今回ご紹介する書籍】天才たちの習慣
さて、今回はこちらの本をご紹介します。
かなり有名な本なのでご存じの方も多いかもしれませんね。こちらは朝型人間である筆者メイソン・カリーが、自分と同じようなルーティンを送る人が他にもいないか調べたことを皮切りに調査結果をまとめたブログが元ネタとなっています。モーツァルト、ベートーベン、フィッツジェラルド、村上春樹、カポーティー、ゲーテ、アインシュタインなどなど様々な時代から総勢161名の天才たちのルーティンが紹介されています。
ルーティンはひとそれぞれ
偉人たちのルーティンを読むとコーヒーの香りがしたり散歩道の牧歌的な風景が見えてきたり、あたかも彼らの日常を擬似体験しているような気持ちになれるため、この本が大好きです。
161人全員のルーティンを読んでみてわかったことは、「天才は必ずこれをする」といった絶対的な習慣は存在しないということです。仕事が好きでたまらない人がいれば片手間にこなしている人もいたり、寝食を惜しんで働く人がいれば毎日きちんと睡眠を取る人もいたり、その他にもお酒との付き合い方や活動時間(朝型・夜型など)も様々でした。十人十色なルーティンであるにもかかわらず天才たちがそれぞれ能力を引き出すことに成功していたという点は非常に興味深く、私たちひとりひとりが自分の才能を引き出すためのルーティンに辿り着く必要があることがわかります。
参考にしたい天才たちのルーティン
前述の通り天才たちのルーティンは様々ではありますが、ある程度共通する部分もありました。今回は個人的に真似したいと思ったルーティンを少しだけご紹介します。
規則正しい生活
日常のこまごました事柄を、努力せずに無意識に行えるようにしてしまえば、その分、頭脳に余裕ができ、よりレベルの高い仕事ができるようになる。
心理学者であるウィリアム・ジェームズの素晴らしい言葉なのですが、彼自身は規則正しい生活ができなかったということには思わずクスッと笑えてしまいます。自分が正反対の立場にいるからこそ習慣化することの大切さがわかったということなのでしょう。本書にはありませんが、小説家の村上春樹も彼の著書「職業としての小説家」で規則正しい生活とクリエイティビティの関係性について取り上げています。彼は長編小説を執筆する際は毎日原稿用紙10枚は進めるというルールのもと執筆を進めていたそうです。
膨大な仕事量
アメリカの小説家ホーソーンは一八二五年、ボードン・カレッジを卒業したあと、故郷のマサチューセッツ州セーラムへ戻り、そこで厳しい文学修業を始めた。一日の大半を自室にこもって、くたくたになるほど本を読み、大量に執筆する。だが、書いたものは大半を破棄した。これが一八二五年から一二年間続いて、一八三七年にようやく短編集を出版した。この期間はしばしば<隠遁の年月>と呼ばれる
20代の私にとっては、この言葉の意味するところがグサッと突き刺さりました。下積み時代はとにかく量をこなし、徐々に質を上げていって最終的に大きな仕事を成し遂げられるようになるのは、どうやら時代や国が変わっても同じであるようです。仕事と勉強の両立が難しいなどと音を上げている場合ではないのだとお叱りを受けた気がしました…。
散歩(休暇・瞑想)
昼にしっかりと食事をとったあと、さっそうと長い散歩に出かける。日中の残りの時間の多くがその散歩に費やされた。いつも鉛筆と五線紙を二、三枚ポケットに入れて持ち歩き、浮かんできた楽想を書きつける。
デカルトは、優れた頭脳活動をするには、怠惰な時間が必要だと信じていて、ぜったいに働きすぎないように気をつけていた。早めの昼食をとると、散歩に出かけるか、友人と会って雑談をした。夕食のあとは手紙の返事を書いた。
ハードワークの話をしたばかりで矛盾していること極まりないのですが、一方で適度なリフレッシュには効果があるようです。ここでは上でベートーベン、下でデカルトの例を取り上げましたが、散歩を習慣としている天才が一定数いました。とてつもない集中力で仕事をしているからこそ、散歩のような違った頭の使い方に大きな意味が生まれるのかもしれません。疲れた時はついついスマホをいじってしまいがちですが、そうではなく散歩に出かける習慣に置き換えると何か効果があるのかもしれません。
【参考】女性の偉人にフォーカスしたシリーズ本もあります
同じ筆者が出版した別の書籍では、クリエイティブな女性にフォーカスしています。もちろん今回紹介した本でも女性は登場しますがどちらかというと男性の方が多いので、女性のルーティンに興味のある方はこちらもおすすめです。私はまだ手をつけられていないのですが、読みたい本リストに追加されているので近々読んでみようと思います。その際は改めてこのような感想のサマリをご紹介しますので、乞うご期待ください。
筆者とこのnoteについて
Big4でコンサルタント経験者である私が、実際の現場で見聞きした生き生きとした(時には生き生きとし過ぎた)情報をみなさんにお届けしています。無料でも有益な情報をお届けできるように執筆していますが、より生々しい現場の経験についてはオーディエンスを絞らせていただいています。
いわゆるコンサルスキルと呼ばれるものだったりコンサルの現場から日々学ぶことは、決してコンサル業界に閉じた話ではなく、それ以外の業界の皆さんにも参考にしていただけると思います。なにしろ、コンサルタントはあらゆる業界のあらゆる課題解決を主要なサービスとしていますから、業界を問わず普遍的なスキルを身につけておく必要があるのです。
ゆったりとした回と有益情報を盛り込んだ回を織り交ぜることで、より活き活きとしたコンサルの現場をお届けできればと思っております。
それではまた😉