入選報告と詩:フショウ
こんばんは。械冬弱虫(かいとう じゃくちゅう)です。
今回はご報告と一緒に、ココア共和国7月号選外作品「フショウ」を公開いたします。
第3回文芸思潮短歌賞において、入選いたしましたことをご報告申し上げます。短歌を始めて5、6ヶ月目の作品が、最終選考まで残り、入選できたなんて本当に奇跡みたいで驚きました。入選通知は届いたときは思わず五度見くらいしてしまいました。
では、「フショウ」を公開いたします。
フショウ
エミとミエを貼りつけたヒトガタが
正方形に並んでいる
その数凡そ百
十二になったヒトガタ共は
この日漸くベルトコンベアの出口に辿り着き
ひとつの工程を終えて次の工程へ
タンニンと呼ばれた工員は泣いていたっけ
フショウフショウフショウ…
心から笑える日は?
自分は何者?
傷はいつ治るの?
不肖私を愛して頂戴よ
疑問と願望は消化できないまま
もう出荷されたヒトガタだもの
社会の部品の一つとして
動かざるを得ないみたい
個性は…そうね
いつか拾ってこれると良いけど
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ここまでお読みいただきありがとうございました。