【note創作大賞2024】かわはにんげん【ショートショート】
川は怒った。空を泣かせただれかがいたから。川は誰よりも人間だった。
人間のくせに、ひとを苦しめて知らんぷりしているひとがいる。僕は怒った。
川は怒り続けた。怒りはどんどん溢れていって、周りの人々を道連れにした。
僕も怒り続けた。怒りを周りに撒き散らす上司に。全部自分の思い通りにならないと奔放に、傲慢に、他人の所為にする奴に。
どうせ、同類だ。川も、あいつも、僕も。ベン図の重なり合ったところにみんな一緒くたにされているんだ。
僕は僕で、あいつはあいつで、川は川。そう