マーケティングの教科書・SNS戦略、KPIの定め方・SNSマーケティング5
こんにちは!マーケターのYuchunです!
今回はSNSマーケティング戦略におけるKPIの定め方についてです!
目的・目標と期限を定める事は成功において不可欠です!
果たして今の戦略が成功にしっかりと方向が向いているのか、そして成功まで後どれくらいなのかを把握することは非常に重要です!
そのためにKPIの設定は必要不可欠でしょう。まずはどのような基準でKPIを定めるのか、そしてどのように修正していくのかについて学んでいきましょう!
はじめに
まず、そもそもKPIとはなんでしょうか?
KPIは、組織、従業員やプロジェクトの成功度、つまり業績目標を満たしているかどうかの評価に用いら れる定量化可能な指標です。
ソーシャルメディア戦略において、KPI(重要業績評価指標)の設定は非常に重要です。KPIを設定することにより、企業や組織は自分たちの目標を具体的かつ測定可能にし、その達成度を評価できるようになります。
まず、目標設定がなぜ重要かというと、明確な目標がなければ、どのような行動をとるべきか、どのような結果を期待するべきかが不明確になり、結果として効果的な戦略を立てることができないからです。例えば、以下のような目標が考えられます。
ブランド認知度の向上: ブランドや商品について多くの人に知ってもらうことを目指す。
エンゲージメントの向上: 顧客との交流を深め、コメントやシェア、いいねの数を増やすこと。
リードジェネレーション: 見込み客を獲得し、営業チームに引き継ぐための情報を集めること。
売上の増加: 直接的に売上を伸ばすためのキャンペーンやプロモーションを実施すること。
KPIは、これらの目標がどの程度達成されているかを定量的に評価するための指標です。KPIを定めることで、戦略の効果を具体的に把握でき、必要に応じて戦術を見直すことができます。例えば、エンゲージメント率が低ければ、投稿内容やタイミングを見直すことで改善を図ることができます。逆に、フォロワー数は増えているが売上が伸びない場合は、フォロワーの質や実際の購買行動を再評価する必要があります。
KPIの追跡と分析は継続的に行うことが重要です。定期的にデータを確認し、戦略の効果を評価することで、常に最適なアプローチを模索し続けることが求められます。
KPIを設定するために
全体像が見えたところで、具体的にはどのようにKPIを設定すれば良いでしょうか?
ソーシャルメディア関連のKPIを設定するには、まずバイヤーペルソナを作成し、SMARTの原則に基づく目標を設定することが重要です。
その後、ソーシャルメディア戦略において目標とすべきKPIを決めます。初めの段階から目標とするKPIが明確であれば、コンテンツや広告、予算、その他の必要なリソースについて重要な判断を下しやすくなります。
KPIを設定する際には、「バニティーメトリクス(虚栄の指標)」ではなく、
実質的な効果を測れる指標を選ぶことが重要です。バニティーメトリクスとは、見た目には良さそうに見えても、ビジネス上の成果と関連性のない表面的な指標を指します。
フォロワー数は多くの場合、バニティーメトリクスに該当します。ソーシャルメディアでフォロワーや「いいね!」を獲得することは素晴らしいことですが、重要なのはその規模が適切かどうかです。つまり、自社のフォロワーが製品やサービスを購入してくれる人々であることが最も重要です。
例えば、全国的な飲食チェーンはフォロワーやファンの数が地方チェーンより多くなるでしょう。しかし、それだけでは認知度以外の評価指標については何も把握できません。適切なフォロワー数を確保し、そのフォロワーがエンゲージメントやユーザー生成コンテンツの作成、コンテンツのシェア、ブランドとの関わりを通じて製品を購入するようにすることがポイントです。
以上を踏まえ、ソーシャルメディア戦略において実質的な効果を測れるKPIを設定することが重要です。
KPIを設定する方法
KPIの設定においては、何を目的としてKPIを設定するかを明確にしましょう。
売上の増加が目標であれば、「いいね!」の数、シェア数、リツイート数、フォロワー数、ページビュー数などは特に重要な測定指標にはなりません。しかし、目標がブランド認知度の向上であれば、これらの指標は必ずしもバニティーメトリクスとは限りません。フォロワー数、リーチ数、ページビュー数が重要な指標になることもあります。
ソーシャルメディア戦略で目標として設定すべきKPIの4つのカテゴリーがあります。それは、リーチ数、エンゲージメント、ROI(投資収益率)、リテンションとロイヤルティーです。
リーチ関連のKPI
リーチ関連のKPIはバニティーメトリクスとみなされがちですが、自社の認知度に関連するビジネス目標を設定し、顧客になる見込みのある多数のユーザーにリーチしたい場合は意味のある指標になり得ます。リーチを測定するKPIとしては次のようなデータがあります。
フォロワー数: 自社のソーシャルメディアチャネルをフォローしている人の数
インプレッション数: 自社のコンテンツがユーザーに表示された回数
メンション数: ソーシャルメディア全体で自社ブランドが言及された回数
SOV(シェア・オブ・ボイス): 自社ブランドの露出量を競合他社と比較した割合
エンゲージメント関連のKPI
エンゲージメント関連のKPIは、オーディエンスが自社のコンテンツにどの程度関心を持っているか、そのコンテンツとどのように関わっているかを示します。一般に、キャンペーンの成果を測定するにはリーチよりも適切な指標になります。ユーザーが自社ブランドに関連してどのようなアクションをとっているかを測るKPIの例を紹介します。
いいね!数: コンテンツが関心を集めているか、ユーザーに評価されているかの手がかり
コメント数: 自社のコンテンツとの直接的なやり取りの指標
シェア数やリツイート数: リーチや認知度の向上に繋がる
顧客からの評価やカスタマーレビュー数: エンゲージメントや意見の強さを示す。ポジティブな評価は、製品やサービスの価値を見込み客に伝える指標にもなる
ソーシャルメディアからのウェブサイト流入数: コンテンツに興味を持ち、自社のウェブサイトへのリンクをクリックしているオーディエンスの数
ROI関連のKPI
ソーシャルメディアのROI(投資収益率)はビジネスに直接影響します。営業部門や経営陣にとっては、ソーシャルメディアのROIを測定し、リード獲得に繋げることが目標の1つになります。この種類のKPIは達成が難しいことが多いですが、事業の最終損益に直接影響する場合があります。このため、経営陣に予算や人員の追加を提案する際、この種の目標の達成が目的であれば、耳を傾けてもらいやすくなります。
例として
ソーシャルメディアからの直接売上収益:クーポン利用による注文や、ウェブサイトへのリンクから購入に至ったケースなどの売上を指します。
ソーシャルメディアキャンペーンによるリードコンバージョン数:企業によって異なりますが、メール配信登録数、eBookなどの資料のダウンロード数、トライアル版ソフトウェアの起動数などが含まれます。
顧客一人当たりのサポートコスト:例えば、電話による顧客サポートのコスト削減を目標としている場合、ソーシャルメディア経由でのサポートによって電話対応を避けられた件数をKPIに設定することが考えられます。
顧客生涯価値:顧客一人が生涯に創出する収益の予測値です。この数値の計算方法はさまざまで、顧客の獲得方法も多岐にわたります。ソーシャルメディア経由で顧客を獲得する場合は、獲得戦術と顧客との接点が顧客生涯価値に大きな影響を与えます。
などが挙げられます。
リテンションとロイヤルティー関連のKPI
リテンションとロイヤルティー関連のKPIは、顧客が自社ブランドにどれだけ忠実か、再購入や継続利用をどれだけしているかを測定します。これにより、顧客維持やブランドの信頼度を評価できます。
例としては
カスタマーレビュー数や顧客からの評価:自社のブランドや製品について顧客がどう思っているかを把握するための優れた指標です。
問題解決件数:ソーシャルメディア経由での顧客対応がどの程度うまくいっているかを示します。
SLA(サービスレベル合意):ソーシャルメディア上でのSLAとは、一般に、顧客がサポート依頼をしてから応答があるまでにかかった時間を指します。ただし、応答したからといって問題が解決したとは限らないため、その点については別のKPIを考える必要があります。
解決までの経過時間:ソーシャルメディア経由の質問に返信があるだけでなく、問題が解決されるまでにかかった時間の指標です。
顧客満足度:多くの場合、NPS®(顧客ロイヤルティー指標)で測定されます。この指標から、ソーシャルメディアでの顧客サービスが機能しているかどうかを把握できます。
センチメント:やや注意を要する指標ですが、人々が自社ブランドに対してどんな意見や感情を持っているかが分かるため重要です。この指標がネガティブな意見の割合の方が多いことを示していたら、ポジティブな意見の割合を増やすためのKPIを設定すると良いでしょう。
などが挙げられます。
最後に
KPIは1年または半年ごとに見直し、常に最新の状態に保つことが重要です。ソーシャルメディアの世界は急速に変化し、あなたの会社も進化しています。ビジネス目標が変わると、ソーシャルメディアKPIも再検討する必要があります。これらの基本を踏まえてKPIを設定することで、ソーシャルメディア活動が自社にどのような価値をもたらすかを明確に示すことができます。
次回はチーム編成について解説していきます!